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「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

「衣類の染色」④

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染料と顔料

衣服に色を染める材料には、大きく分けて2種類あります。それは、「染料」と「顔料」です。この2つは、衣服に色が染まるという面では同じですが、その仕組みを知ると大きな違いがあるだけでなく、その特徴上、避けられないデメリットがあります。2つの染料の違いを理解して、色落ちについて考えてみましょう。

染まり方の違いを知ろう

通常、衣服に色が染まっていると、全ての衣服が繊維の奥まで染料が浸透していると考える方が多いかと思われます。ところが、これ以外にも衣服に色を染める方法があるのです。

染料で染める方法

「染料」を使用した染色のメカニズムは、繊維に染料を化学的に結合させて染色するため、繊維の内部にまで染めることが出来ます。つまり、これが「染料」を使用した染色方法です。

染料染色

顔料で染める方法

「顔料」を使用した染色のメカニズムは、色の付いた細かな粒子状の物体を樹脂(接着剤)の力を借りて繊維の表面に接着することで染めています。つまり、これが「顔料」を使用した染色方法です。

顔料染色

特徴の違い

上の写真を見ると分かる通り、「染料」は繊維の奥まで色がしみ込み、適切な加工を施すことで、洗濯やクリーニングを行っても基本的には繊維から色が抜け出さない安定性を保つことが出来ます。
一方「顔料」は、繊維に接着剤を用いて色の粒子をくっつけてる状態であるため、万が一何らかの作用でくっついてる状態から剥がれてしまうようなことがあれば、”色落ち”として状況が表面化します。

接着剤=樹脂がもたらすデメリット

顔料」は繊維に接着剤を用いて色の粒子をくっつける状態であることは説明しましたが、その際ポイントとなるのが接着剤の役割を担う”樹脂”についてです。
この樹脂の接着力が弱ければ、色は落ちやすくなります。また、樹脂は主にポリウレタンが使用されている為、ドライクリーニングを行えば樹脂が溶け出し、顔料の粒子が剥がれ落ちて、結果的に色が落ちてしまいます。

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