思い出の時が甦るウォータークリーニング

「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

「正しい漂白剤の選び方」

更新日:

正しい漂白剤の選び方
洗剤と漂白剤の違い「漂白剤」と「洗剤」の違いは、どちらも汚れを落とす洗浄剤ですが、汚れを落とすメカニズムが全く異なります。洗剤は、主成分の界面活性剤が汚れに吸着して、汚れを引きはがして落とします。しかし、漂白剤は汚れを化学的に分解して汚れの色素を破壊し、汚れを取り除きます。
汚れを落とすメカニズム

 ●「洗剤」は、主成分の界面活性剤が汚れに吸着して汚れを引きはがし落とす!

 ●「漂白剤」は、汚れを化学的に分解して汚れの色素を破壊し汚れを取り除く!
洗剤も汚れを落とすにはとても効果を発揮しますが、簡単には落ちないシミや黄ばみなどの汚れには、洗剤よりも「漂白剤」の方が効果的です。そこで一般的に市販されている漂白剤は、下記の3種類になりますので簡単に紹介しておきます。


■酸素系漂白剤(液体/粉末)

酸素系漂白剤

酸素系漂白剤は、白物はもちろん色柄もの衣類にも基本的に使用でる漂白剤で粉末と液体が市販されています。
「液体酸素系漂白剤」は、もっともポピュラーな漂白剤で主成分は、過酸化水素で消毒用のオキシドールと同じです。過酸化水素の濃度は、オキシドールが約3%に対し、液体酸素系漂白剤は3%~5%の濃度で洗剤や助剤などが入っています。酸素系漂白剤は黄ばみを取り除く場合に使用しますが、洗濯時に酸素系漂白剤を入れることで洗浄力が上がり、殺菌などにも効果的です。「粉末の酸素系漂白剤」は、アルカリ性で液体酸素系漂白剤よりも漂白力は強力です。主成分は、過炭酸ナトリウムを使用し水に溶けると、過酸化水素と炭酸ナトリウムに分かれます。炭酸ナトリウムは、アルカリ性で過酸化水素の漂白力を上げる働きがあり漂白力は高いですが、アルカリが高いと色落ちしやすくなるの注意が必要です。 

※基本的に色柄物の衣類に「液体の酸素系漂白剤」を使用し、
白い衣類には「粉末の酸素系漂白剤」を使用するとよいでしょう!


■塩素系漂白剤
塩素系酸系漂白剤

漂白力が強く、色柄の衣類に使用すると色落ちを起こします。基本的に白物以外には使えません。
臭いがきつく酸性タイプのものを混ぜると有毒ガスが発生し大変危険なので
酸性のモノと絶対に混ぜないでください。

混ぜるな危険の意味
 


■還元漂白剤
還元漂白剤

酸素系漂白剤と全く逆の働きをする漂白剤で酸化漂白で落ちないシミが落ちる場合があります。また、塩素系漂白剤での黄変などを回復し、鉄サビなどのシミにも効果的です。
還元漂白剤は、基本的に白物以外は使用できません。
クリーニング店では、ハイドロサルファイトという還元漂白剤を色移りの衣類を取り除く場合に使用しています。
 


ドライマークを洗うならプロのクリーニング店用に開発されたプロウォッシュ!
まとめ市販されている漂白剤は、「酸素系」、「塩素系」、「還元系」の3タイプの漂白剤があります。色柄物には、液体の酸素系漂白剤。白物には粉末の酸素系漂白剤が一番使いやすくおすすめです。
この2つの酸素系漂白剤を使い分けることが、漂白剤のポイント!
  衣類のシミを落とすには2つの漂白剤を使いこなすのがポイント!
   ●色柄物には、液体の酸素系漂白剤。
●白物には粉末の酸素系漂白剤
塩素系や還元漂白剤は、プロのクリーニング店でも使用する場合は当然ありますが、あまり使うことはありません。ほとんどは酸素系漂白剤を使用することでシミや汚れに対応しています。塩素系漂白剤や還元漂白剤は、脱色(色はげ)などを起こしやすく危なくて使えないのです。言い換えれば、酸素系漂白剤を使いこなせば、ほとんどのシミや汚れに対応できるということです。
(当サイトでは、シミ抜きなど酸素系漂白剤以外の漂白剤の使用はおすすめしていません)
漂白剤について 詳しくはこちら
 漂白剤について

漂白剤を少し専門的にに考えた場合、少しややこしくなりますが、大きく分けて
「酸化型漂白剤」「還元型漂白剤」に分かれます。一般的に家庭用として使われているものとしては「酸化型」のものが使われ、その酸化型の中に「塩素系」と「酸素系」があります。
私たちが一般的によく手にする「酸化型漂白」は、相手に酸素を与えて色素を破壊するものとなり、その一方で「還元型漂白」に関しては、相手から酸素を奪って色素を破壊させる特徴を持ったものになります。
酸素が色素を破壊するイメージ
■漂白剤には様々な種類があります。
分類
漂白剤
特徴




次亜塩素酸ナトリウム

・液体で使いやすく、漂白力が強い
・塩素系の家庭用品で多く使用されている

ジクロロイソシアヌル酸塩

・家庭用クレンザーなどに配合される

亜塩素酸ナトリウム

・酸性側使用での繊維の脆化が少ない
・工業的精錬、漂白に使用される



過酸化水素

・繊維に対する影響が少ない。
・毛・絹の漂白や色柄物の漂白に適している。

過炭酸ナトリウム

毛・絹以外の繊維に使用
・色柄物に使用できる。
過ホウ酸ナトリウム

       同上
過酢酸

・天然繊維、合成繊維に使用
・漂白力が強く、工業的に使用される



ハイドロサルファイト

・天然繊維、合成繊維に使用
・鉄分による黄変、樹脂加工の黄変に効果的

二酸化チオ尿素

同上
酸化型漂白剤(塩素系漂白剤・酸素系漂白剤)


酸化型の中には「塩素系」と「酸素系」がります。これらの漂白剤は一般的に市販され、家庭用としても広く使われているものでもあります。とても便利な漂白剤ですが、使い方が適切でないと衣類の素材そのものに損傷を与えたり、人体に影響を及ぼす場合もありますので、使用する前にはしっかりと製品に記載されてる注意事項を読むようにしましょう。
 塩素系漂白剤
衣類に使う塩素系漂白剤の化学的な名称は次亜塩素酸ナトリウム。これはとても優れた漂白力を持つので、家庭用だけでなく工業用としても幅広く使われています。しかしこの塩素系漂白剤は酸性で塩素ガスを発生しますので取扱いには十分な注意が必要。
この塩素はそして水と反応して「発生期の酸素」という普通の酸素より強い酸化力をもった酸素原子が発生し、それによって色素の構造を破壊する力を持っています。
塩素は水と反応すると…

■塩素系漂白の注意事項


・臭気が強く毒性がある。
・色柄物を脱色させる為、白物以外には使えません。
・たんぱく繊維であるの毛、絹には使えません。
また窒素を含んだナイロン、ポリウレタンには使えません。
・漂白後など、繊維に塩素残留があると繊維が脆化してしまいます。
・酸性のものと混ぜると、有毒ガスが発生する。
 ※絶対に混ぜて使用してはいけません。
塩素は色柄物を脱色させてしまいます。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、おもに白物専用漂白剤やカビ取り洗剤としても市販されています。塩素系漂白剤は、漂白する力がとても強いので色物の衣類には使えません。また白物であってもロゴやイラストなどの部分での色はげなどに十分注意して下さい。
また、塩素系漂白剤は上記にも記載していますが、酸性のものと混ぜると有毒ガスが発生してしまいます。決して他の洗剤などと混ぜて使用してはいけません。十分に注意するようにしてください。

※「まぜるな危険の意味」に関してはこちら
 酸素系漂白剤
色柄物や窒素を含んだ繊維などにも使用できる漂白剤として、一般的に販売されてるのが液体の酸素系漂白剤は過酸化水素による漂白剤です。この過酸化水素は塩素系漂白剤と違い繊維を傷めずシミや汚れの色素を破壊してくれるのが特徴。基本的には染料には無害で色柄物の衣類全般に使う事が出来、全ての繊維に使えますが、染色が不十分な衣類は脱色をおこしてしまうこともありますので、濃色な色をつかった衣類などは事前にチェックしたほうが無難と言えるでしょう。

液体タイプの酸素系漂白剤
液体タイプの酸素系漂白剤

【一般的に市販されている主な酸素系漂白剤】
一般に市販されている酸素系漂白剤
色柄もの用の漂白剤として様々な「酸素系漂白剤」が市販されています。
オキシドールなどの消毒液も過酸化水素水を薄めたものです。
一般的に液体タイプの酸素系漂白剤は過酸化水素ですが、粉末タイプの場合は過炭酸ナトリウムが使われています。過炭酸ナトリウムとは、「過酸化水素」と「炭酸ナトリウム」を混ぜて反応させて製造されたものとなります。
液体タイプの酸素系漂白剤は酸性、この粉末タイプははアルカリ性を示します。液体タイプと同様に粉末タイプの漂白剤も幅広く様々な衣類に使う事ができますが、毛・絹の繊維製品の使用は避けた方が良いでしょう。また漂白力に関しては、粉末タイプの方が強いので、汚れやシミなどがよく落ちる代わりに、衣類の色が落ちやすいデメリットがあります。色柄物の衣類などは液体酸素系漂白剤の方がおすすめです。
粉末タイプの酸素系漂白剤
粉末タイプの酸素系漂白剤
■使用前に、しっかり注意事項を確認しましょう!
漂白剤は使用前にしっかり注意事項を確認を!
酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と比べると安全性も高く使いやすい漂白剤になりますが注意事項もあります。特にファスナー、ボタン、フックなどの金属製の付属品や、含金属染料で染められたもの、金糸、銀糸などは変色してしまいますので、使用前にしっかり注意事項を読むようにしましょう。(ファスナーなどは変色などは比較的大丈夫な場合が多いですが、金糸や銀糸などは要注意です)
この変色に関しては、使用濃度を薄くすることで、大丈夫なケースが多いですが、これは金属と漂白剤の相性にもなるので、心配な場合、変色してしまう場合などはクリーニング店に相談してみて下さい。
還元型漂白剤(還元漂白剤)

 還元漂白剤
還元漂白は、酸素を奪って色素を破壊する漂白剤で、酸化型漂白と全く逆の働きをするので、酸化漂白で落ちないシミが落せ白物用の漂白剤として市販されています。
例えば
塩素系漂白剤による一部樹脂加工品の黄変の回復や、鉄分の多い水による黄バミの回復、洗っても落ちない鉄サビ、赤土の黄色いシミの回復などに有効とされていますが、還元漂白は色素を破壊する性質をもっているので色柄物の衣類に使った場合に脱色などが起きる可能性があるので基本的には白物に使うのが望ましい。また金属製の付属品(ファスナー、ボタン、ホックなど)がついた衣料も注意が必要です。
還元漂白剤

■洗濯石鹸・全宅洗剤の基礎知識
表面張力について
界面活性剤の働き
界面活性剤の種類
ビルダーの役割
漂白剤について
蛍光増白剤について
酵素の働く条件
泡の洗浄効果
洗浄のメカニズム
柔軟剤について
混ぜるな危険の意味
洗剤の種類と特徴
【参考文献】
洗剤と洗浄の科学  中西 茂子 著 コロナ出版
石鹸・洗剤100の知識 大巻健男 東京書籍

-未分類

Copyright© 「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.