生分解性繊維
生分解性繊維とは、「自然界に存在する微生物が分泌する酵素によって分解される繊維」のことを言います。
天然繊維の綿や毛、シルクは生分解性が良く、合成繊維でも木材パルプやコットンリンターを材料とするレーヨンやキュプラなども生分解性が優れています。
合成繊維は、一般的に生分解性は乏しいいのですが、生分解性に優れた合成樹脂が開発され、これを繊維化した生分解性の合成繊維が開発されています
日本では、カネボウ合繊「ラクトロン」、ユニチカ「テラマック」、クラレ「プラスターチ」、東レ「エコディア」があります。
ポリ乳酸繊維
生分解繊維で最も多く市販されている合成繊維は、ポリ乳酸繊維でとうもろこしから作られます。
ポリ乳酸繊維は、とうもろこしを発酵させて乳酸を作り、これを重合し、熱に溶かして繊維にします。
ポリ乳酸繊維の強さは、ポリエステルと同等でかたさは、ナイロンと同程度の柔らかい繊維で、土中では生分解性が発現して、土にかえります。
ポリ乳酸繊維の用途は、シャツ、パジャマなどや靴下、タオルなど環境にやさしい繊維として市販されています。
ポリ乳酸繊維 分解前
ポリ乳酸繊維 分解後
ポリ乳酸繊維の問題点
ポリ乳酸繊維の融点は170℃程度なので熱に弱く、中・高温でのアイロンの使用は厳禁なので洗濯時は、できるだけシワを作らないように心がけて下さい。 |