ダウンコートのチェックや前処理のポイント
この時期になると、ダウンの撥水加工無料サービスもあって
全国からダウンがどんどん入ってきます。
入ってきたダウンコートでまず汚れが目に付くところは、
首回りと袖口の皮脂汚れです。
シーズン中の着用回数が多いアイテムなので、
肌に触れるところは油分が汚れと共に染み込んで黒くなっています。
次に首元のブランドタグも汚れやすいところです。
それから、手でよく触わるポケット口や他のものと接触して
汚れの付きやすい前立てや裾まわりもよく汚れます。
これらの汚れは馬毛やナイロンのブラシに中性洗剤を付けて、
しっかりブラッシングしてから洗うときれいになります。
白い生地のダウンの場合は、首回りなどは黄変していることが多いので、
中性の漂白剤に漬け置きしてから洗うと白さが戻ります。
また、ダウンコートの表地の素材は、
糸が細くて、薄く柔らかいものが多いので、糸引きやヤブレなどがよく起こります。
生地に穴が開いたまま洗うと、乾燥時に中の羽毛が飛び出して大変です。
以前、穴に気づかずに乾燥機で回していると、
工場中に羽毛がふわふわと飛び回って、集めるのに一苦労でした。
穴が開いたときは、必ず修理してから洗います。
それと、モンクレールのダウンの場合は、左前身頃の内側に、
クリーニング方法をイラストで説明した「アニメタグ」が縫い付けてあり、
これの縫い代が浅いためによくホツレます。
受付時にホツレの有無の確認と、
剥がれる可能性を了解してもらうことが大切です。
ジャンバーの前処理ポイント
ジャンバーの前処理ポイントも基本的にはダウンコートと同じです。
こちらのジャンバーは、首回りがライトグレーで黄ばみが目立つため、
中性漂白に漬けこんで黄ばみを取ります。
中性漂白は繊維を選ばず使えて、色落ちもしにくいため、
黄変除去やカビ除去、臭いの除去など、広い範囲で使います。
チェックするポイントも
前処理するポイントも一緒です。
いかに美しくしてお客様へお届けできるかが私たちのお仕事です。
細かく心配りのある丁寧な仕事を心掛けています。