顔料染めの問題
衣類のほとんどは、染料か顔料で着色されています。
ほとんどの衣類は染料で染色されていますが、最近は顔料染めの衣類が多く出回っています。
顔料は、カジュアルウェア特有の「ラフさ」、「ユーズド感」、「愛着感」を表現する時、どんな染料でも得難い独特な魅力を発揮します。
顔料とは
顔料染めは、バインダー(のり)と混ぜ合わせ、顔料自体には繊維への定着性が乏しいので、「顔料で染める」というよりは、バインダーで混ぜた顔料を「素材に付着させる」というイメージがピッタリくるかもしれません。
顔料は染料と違い繊維の中までは浸透せず、繊維表面にバインダーで付着している状態です。
顔料染めの問題点
紫外線等による変退色は起こしにくいですが、摩擦に非常に弱いことが最大の問題点です。着用や洗濯機での回転摩擦によって、部分的に顔料が脱落し、白くハゲた状態になります。
クリーニング店でもトラブルが多い衣類がこの顔料染めの衣類です。
また、ご家庭でシミが付着した場合にハンカチなどで擦ると脱色する場合がありますので注意が必要です。
顔料染めの衣類は、基本的にドライ溶剤で顔料樹脂が溶解しやすく、品質表示が「ドライ可」の表示でもドライ洗浄をすると顔料が溶解し、全体の色あせや部分的に脱色を起こす衣類も多数あります。
染み抜きをするとシミと一緒に地色がはげてしまう衣類もあり、プロでも染み抜きが出来ない場合もあります。