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「ポリウレタン素材の寿命は3年」

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ポリウレタン素材

 

 

ポリウレタンの衣類

 

 

ポリウレタン素材(合皮)を使用した衣類はたくさん市販されていますが、ポリウレタンの特性や性質を知らずにご購入されている方がほとんどではないでしょうか?

このポリウレタン素材の衣類の寿命は製造されてから3年と言われています。購入してから3年では、ありません。

製造されてから3年です。

空気中このポリウレタン素材は、空気中の湿気や紫外線、熱や汚れなどにより、時間の経過とともに劣化してしまいます。空気中の水分により劣化しますので、新品のまま収納していても劣化を抑えることはできません。

ポリウレタンの剥離

ポリウレタンの剥離

ポリウレタンの剥離

衣類表面にベトツキが発生したり、製造から3年未満でも着用時のエリヤ袖口などの摩擦や汚れがつき易い部分は、特に早く劣化します。ポリウレタン樹脂コーティングの衣類を購入する場合は、寿命は製造から3年だと言う事を理解してから購入することが大切です。
古着屋さんなどで合皮の製品やポリウレタン製品を購入する場合は、既に購入した時点で製造から3年経過してる可能性がありますので、そんな点をしっかり理解した上で購入することをお勧めします。

クリーニング店もポリウレタン素材による劣化のトラブルで困っています!

ポリウレタン素材をクリーニングに出して収納後、シーズンに着用しようと思ったら、ベトツキや剥離が発生していると、消費者の方は、「きっとクリーニング店でのクリーニング方法に問題があるのでは・・・」と思われるでしょうが、原因のほとんどは、時間経過よるポリウレタン素材の劣化なのです。このポリウレタンの素材の衣類は、プロのクリーニング店でも結構、気を使う衣類なのです。

ポリウレタンの剥離

 

また、クリーニング店での洗浄で、劣化している部分(エリや袖口など)が破れてしまうことがあります。
この場合、そもそもの原因は、ポリウレタン素材の劣化によって生地が崩壊寸前の状態になっているのが原因なのです。ポリウレタン素材の劣化状況は見た目だけでは判断が難しく、完璧に劣化状況を確認するのは不可能なのです。

 

基本的には、クリーニング店もデリケートな素材なので、ソフト洗浄(短時間洗浄など生地に出来るだけ負担をかけない洗浄方法)後、自然乾燥(乾燥機を使わない乾燥方法)を行い衣類に負担を与えない洗浄を行います。
それでもエリや袖口など劣化が進行している部分が洗浄で破けてしまう事があるのです。衣類に全く負担を与えない洗濯方法は、ありません。


■ポリウレタン素材の今後の課題

ポリウレタンは寿命ある素材ですので、どんなに気をつけていても上記のことを完全に防止するのは、むずかしいのが現状なのです。ポリウレタン素材の衣類の取り扱い表示などにも製造年月や寿命が表示されていることは極マレで、クリーニングに出した後などに気づく場合がほとんどです(良心的なメーカーはしっかり洗濯表示に記載してくれています)。
メーカーさんや販売の担当の方が取り扱いに注意を促す説明をせずに販売しているのも今後の課題と言えるでしょう。
また消費者の皆さんもトラブルをなくすためにも、消費者もデザインなどで購入するだけではなく、素材の特性を知った上でケア方法などを理解してから購入することも大切です。

NCでの注意点

ポリウレタンだけでなく、コーティングされている素材や、生地を貼り合わせたボンディング素材は、樹脂の劣化により製造してから3年程度で、剥離やシミ出しが起こってきます。コーティングは、外側だけでなく、ジャンバーやパーカーの生地の裏側に施されて生地に張り感を出したり、保温の役割をしているものもあり、劣化してくると、粉を吹いたように取れてきて、洗うと一気にはがれてしまうこともあります。

また、スタジアムジャンバーの袖などによく使われている塩化ビニルは、ドライクリーニングをすると、柔らかさを保つ可塑剤が溶け出して、紙のようにカチカチになってしまいます。

ポリウレタンの劣化は、見ただけではわからないことも多いですが、着用中によく動く肘の辺りや、摩擦を受けやすい首回りや前立ての辺りを引っ張ったり曲げたりしてみて、少しでも表面が浮く感じがあれば劣化していると判断して、通常の洗いは避けます。

それと、小さな飾りの部分んにポリウレタンが使われていることも多く、うっかりアイロンで触って溶かしてしまうこともあるので要注意です。

 

 

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