昨日の夕方、
本店で熱帯魚とメダカの世話をしていましたら、
飛び込みで千葉県南房総市のお客様が
机の上に立ってしまうほどの
ガチガチ、バリンバリンに硬化しているは、
首回りや脇の接着はすへ゛て取れているは、、
全体的に黒いカビがはびこってるという(これはカビではなくボンディングの染み出しですね)
エルメスのマッキントッシュ。
かろうじてベトベト超最悪状態
は免れてましたが・・・。
それと、
やはりエルメスのヴィクトリアという
ショルダーバッグです。
この背面のキャンバス地にこれはなんで
しょうか?何かの柄の色移りがあります。
これはキャンパス地にコォーティングしている
ガーデンパーティーと同じような素材なので
まず移染した場合はコーティングを通り抜けて
生地の中に色素が入りこんでしまっているので、
まず移染した色素は取れません。
こういう場合上からシミよりも濃いい
顔料で塗って新たなデザインを提案しますが、
お客様は「これ、いいですねえ」といつも喜ばれます。
今回のヴィクトリアのショルダーバックの
ショルダーとサイドは上下は赤なので
内側は黒に塗ればとてもお洒落になりますので、
紺よりも黒がいいでしょう。
この二点を
テレビに出ていた
シミ抜き名人の所に出したのだそうですが、
一年間何の音沙汰もなく、
一年後に連絡したら、
「復元はムリなのでそのまま
お返しします」と・・・・。
お客様もそれでキレだんじゃないか?
そうするとそのお店のスタッフが、
怒ったように、
「返しゃあいいんでしょ。返しゃあ!!」
と、ぶっきらぼうに言われた
ということでした。
そして品物が返ってきたら、
マッキントッシュの方には
初めは付いてなかった
黒いカビがいたるところについていて
とってもショックだっそうです。
「もうここでダメだったら捨てるしか
ないんで、なんとかお願いします。
ダメだったら捨てるしかなんで」
と。
う~~~ん、
ただ、このマッキントッシュの硬化状態にしても、
ショルダーバックの移染にしても、
もっと早くうちに持って来てもらいたかった
です。
まあ、逆にここまでひどくなっているので
うちに持って来られたのだと思いますが、
ここまで放置されていたマッキンとバッグが
可愛そうです。
エルメスのバリバリマッキントッシュは
特殊な溶剤に付け込んで全体を張り合わせている
糊剤を全部落とすので
元の状態には戻りませんが
オレンジの普通のコートぽくなります。
また、首回りの接着も
脇の接着テープも全部
剥がれていますから、もう一度張り直して
元に戻さないとね。
また
全体的に浮き出している
黒カビは部分漂白と部分シミ抜きで
時間をかけて出来る限り落していきます。
とにかくこうなれば、
全体的にもう一度糊剤で硬くしても、
元のマッキントッシュのパリパリ感とは違い
ますので、新たなエルメスのマッキントッシュもどき
オレンジコートが仕上がります。
以前、
伊勢丹の近藤さんに
これと同じマッキントッシュもどきのオレンジコートを
プレゼントしたことがありますが、
あそこまで復元できればお洒落に着こなす
こともできます。
全然違和感なく。
ただ、
どうしてシミ抜き名人の方が
もう少し親身になって対応ができなかったのか?
不思議でなりません。
うちの会社で
こんな無責任で傲慢な真似をしようものなら、
私は絶対に許しません。
とにかく
任されたら全力でやれるだけやって
お客様の期待に全力で応えようとする
それが私たち会社の「社風」です。
それが人間としてのまともな「生きざま」
だと思いますけどね。
きっちりこの二つとも
仕事をさせていただきます。
エルメスのマッキンパリバリ直しとボンディングの染み出し消して
全体染色補正はちょっと時間きかかりますが・・。