思い出の時が甦るウォータークリーニング

「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

色(黄ばみ) と 脱色(色ハゲ)のシミ

投稿日:

今日は脱色(色ハゲ)についてのお勉強です。

■変色に関して

変色とは、汚れやシミが空気中の酸素と化学反応し、変化したことで、衣類の染色(地色)が変化するのでクリーニング業界では「変色」と呼んでいます。一般的には、「黄ばみ」のことです。変色の場合は、シミや汚れが、時間経過で変化しますので、シミや汚れなどや黄ばみの色素を取り除けば元に戻ります。

 

■脱色に関して

脱色とは、衣類の染色(地色)が何らかの原因で染料が壊れてしまうことを「脱色」「色ハゲ」と呼んでいます。つまり、染料(色)が抜けて無い状態です。汗汚れなどが原因で起きる事もあります。脱色の場合は、衣類の染料(地色)が無い状態なので、染み抜きでは、どうすることもできません。

 

◎脱色の原因について

 

●よくある事例として紫外線などのよる光により地色を壊して脱色(ハゲ)が発生する場合があります。

紫外線など日光による脱色はよくあることですが、部屋の中にハンガーで長期間衣類を置いていても同様に脱色が起きるばあいがあります。またクローゼットなどに収納していても、扉の隙間から蛍光灯の光(紫外線)が入り、長時間光のあたった部分のみ脱色や色あせなどが発生することがあります。

 

●シミが進行し衣類の染色を壊して脱色(ハゲ)が発生する場合があります。

原因は汗などによる場合が多いですが、食べこぼしなどシミを長期間放置していても同じような事が起きる場合があります。脱色(ハゲ)は、基本的にシミ抜き処理では復元することができませんので、脱色した部分に染色補正を行って色を元通りに戻す必要があります。

◎今日紹介する脱色は今日の朝の入荷物検品時に発見した白カビにるパンツの脱色(ポケット裏地・マーベルト部)です。ブランドはエンポリオ・アルマーニです。

ウエストの内側のマーベルトやポケットの袋地が、カビによる脱色で、黒地が青に退色しています。

 

 

カビは、油性と水性の両方の処理を行った方がよく取れるので、ドライクリーニングと水洗いの両方を行い、同時に、抗菌剤による処理を行って、今後、カビが生えにくくします。

 

 

退色して青くなった部分には、一つづつ色を入れて黒に戻していきます。黒い生地から赤と黄色の色素が抜けて青くなっていますので、オレンジ系の色を調合して、筆で塗って修正していきパンツの状態を復元していきます。衛生的にもきちんと復元して履かれることをおすすめします。

-未分類

Copyright© 「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.