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「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

「繊維の種類と分類」⑥

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ダウンとはいったい何か

ダウンとは水鳥の胸のあたりから採取される軸をもたない綿毛のことを指します。陸鳥は胸の毛が少なく、羽が大きいためダウンジャケットなどの衣料には向いておらず、水鳥が用いられています。

水鳥の羽毛ならどのような水鳥でもいいというわけでなく、ダウンジャケットに用いられるのは主にグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の2種の水鳥の羽毛となります。

羽毛の種類はダウンとフェザーに分けられる

ダウンは空気の層を多く含むことで保温性に優れるため暖かい

水鳥は陸上にいることよりも空を飛んでいるか、水面で浮かんでいることがほとんど。そのため、水鳥の羽毛は水面に浮かぶように浮力があることが必要です。また、寒い地域でも活動ができる必要があります。

そのため、水鳥の羽毛は水に浮かび体温が保たれるよう、撥水性が高く空気を含みやすい性質をもっています。ダウンジャケットが保温や蓄熱性に優れているのは、ダウンが自分の体温で温められた空気を含むことで身体を温め続けてくれるからなのです。

もう一つ、水鳥の羽毛は非常に軽く、それで作られているダウンジャケットも非常に軽くできています。冬は寒さのあまり厚着をしがちで衣服の重さが気になる季節ですが、ダウンジャケットは軽く、快適に冬を過ごせます。

ダウンジャケットの中にはダウン(綿毛)とフェザー(羽根)が入っている

羽毛の種類はダウンとフェザーに分けられる

先ほどダウンは「水鳥の胸毛」と説明しましたが、水鳥からは他にも羽の毛であるフェザーも採取できます。

ダウン・フェザー

ダウンは胸の辺りからの綿毛で、先端には小羽枝と呼ばれる小さな枝毛があり、この部分があるため空気の層をより多く含むことができます。ダウンジャケットの中に詰め込まれているもののほとんどがこの「ダウン」です。

 

フェザーは軸のある背中部分の羽根です。空気の層を含む力はダウンに比べて低いため、保温性は劣ります。

 

では、高級ダウンジャケットは保温性の劣るフェザーを使わず、ダウンしか使っていないかというとそうではなく、ほぼすべてのダウンジャケットにフェザーは使われています。というのも、フェザーはダウンジャケットには絶対に必要なものなのです。

ダウンにフェザーを混合しているのはロフトの復元力を高めるため

ダウンがなぜ暖かいかといいますと、ダウンが空気の層を作っていて、保温効果を発揮するためです。しかしながら、そのダウンもつぶれた状態だと空気の層を作りづらく、羽毛がつぶれた状態から元の大きさに戻る力が必要です。

そこで活きてくるのはフェザーで、羽毛を元の大きさに回復させる強い力を持っています。そのため、ダウンには軸のあるフェザーが混合されているのです

フェザーの混合率が低いほど品質が良い

原料の段階でダウンとフェザーはすでに混ざっていますので、混合率を仕分けするために風の力を利用して仕分けされ、ブランドが決めた混合割合に調整されます。

風の力を利用して仕分けされますので、品質の良いダウンは空気を多く含み風に乗って遠くまで運ばれます。同様に、品質の良いダウンはフェザーの混合率も低くなり、たとえばタグにダウン93%、フェザー7%と表記されているものは非常に品質が高いといわれています。

ダウンジャケットに使用するのであれば、ダウン93%では元の形に戻る力を確保するのにはフェザーが少々不足しています。フェザーの混合率は90-10%、80-20%....などとありますが、ダウンジャケットに最適な混合率はダウン90%とフェザー10%の混合率が最適だとされています。

ちなみにダウンとフェザーの完全な分離は不可能で、ダウン100%表記は不可能だと言われています。同様に、羽毛の検査機関においてもダウンの混合率測定の前後5%は許容範囲とするところが多く、ダウン100%という表記はその許容範囲をもって示しており、厳密に測定できるものではありません

 

どんなダウンが良いのか

重要なのは、ダウンの洗浄・精製の質

ダウンの品質は洗浄と精製工程が全てです。いくら原料の羽毛がよくても洗浄・精製の技術が低いと空気を含む性能というダウンの持ち味は大きく損なわれます。

洗浄度が高いということは2つのメリットがあります。

  • 羽毛に付いていた汚れが落とされているため清潔
  • 油脂が適度に除かれているため羽毛特有の獣臭が少ない

ただ、何事にも度合いがあるように、洗浄が度を越してしまうと羽毛から油脂が取り除かれ過ぎてしまいます。油脂分が過度に少ないと羽毛の保温性が落ちることに繋がります(ダウンボールが脆くなり暖かい空気を抱え込むことが出来なくなるため)。

羽毛をどこまで洗うのかの度合いについて設けられた基準が「洗浄度」。「洗浄度500mm」とは羽毛を洗浄した水の透明度を意味しています。500mm先の目印が見えるのなら「洗浄度500mm」ですし、1000mm先の目印が見えるのなら「洗浄度1000mm」となります。水の透明度が2倍と考えると、この数値の違いがどれほどのものか納得いただけると思います。

日本羽毛製品協同組合が設けた基準は「洗浄度500mm」以上になっています。しかし、品質に厳しい会社の中には、「洗浄度1000mm」以上を自社基準として設置している会社もあります。

ダウンの洗浄度とダウンとフェザーの混合率、それと水鳥の種類の3つで、ダウンの性能が決まります。

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