「第5回NC東日本大震災追悼法要」3月11日(金)
天皇陛下 東日本大震災追悼式でのおことば(全文)
3月11日 15時12分
天皇陛下は、皇后さまとともに東日本大震災の犠牲者の追悼式に
出席し、これからも国民が心を一つにして被災者に寄り添っていく
ことが大切だという思いを述べられました。
おことばの全文です。
東日本大震災から5年が経ちました。ここに一同と共に、震災に
よって亡くなった人々とその遺族に対し、深く哀悼の意を表します。
5年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う津波により、
2万人を超す死者、行方不明者が生じました。仙台平野を黒い壁
のような波が非常な速さで押し寄せてくるテレビの映像は、決して
忘れることができないものでした。
このような津波に対して、どのような避難の道が確保できるのか暗
澹たる気持ちになったことが思い起こされます。また、何人もの漁
業者が、船を守るために沖に向け出航していく雄々しい姿も深く心
に残っています。
このような中で、自衛隊、警察、消防、海上保安庁を始めとする国
や地方自治体関係者、さらには、一般市民が、厳しい状況の中で
自らの危険や労をいとわず救助や捜索活動に携わったことに深い
感謝の念を抱いています。
地震、津波に続き、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染の
ため、多くの人々が避難生活を余儀なくされました。事態の改善の
ために努力が続けられていますが、今なお、自らの家に帰還でき
ないでいる人々を思うと心が痛みます。
こうした苦難の中で、政府や全国の地方自治体と一緒になって、
多数のボランティアが被災者のために支援活動を行いました。
また、160を超える国・地域や多数の国際機関、また在日米軍が
多大な支援に当たってくれたことも忘れることはできません。
あれから5年、皆が協力して幾多の困難を乗り越え、復興に向けて
努力を続けてきました。この結果、防災施設の整備、安全な居住地
域の造成、産業の再建など進展が見られました。
しかし、被災地で、また避難先で、今日もなお多くの人が苦難の生
活を続けています。
特に、年々高齢化していく被災者を始めとし、私どもの関心の届か
ぬ所で、いまだ人知れず苦しんでいる人も多くいるのではないかと
心に掛かります。
困難の中にいる人々一人ひとりが取り残されることなく、一日も早く
普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つ
にして寄り添っていくことが大切と思います。
日本は美しい自然に恵まれていますが、その自然は時に非常に危
険な一面を見せることもあります。この度の大震災の大きな犠牲の
下で学んだ教訓をいかし、国民皆が防災の心を培うとともに、それを
次の世代に引き継ぎ、より安全な国土が築かれていくことを衷心より
希望しています。
今なお不自由な生活の中で、たゆみない努力を続けている人々に
思いを寄せ、被災地に一日も早く安らかな日々の戻ることを一同と
共に願い、御霊への追悼の言葉といたします。
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私たちも僭越ながら天皇陛下と同じ気持ちで追悼法要をお勤めさせ
ていただきました。これから何があっても強く明るく生き抜いて生きたい、
そう思っております。そして微力ながら復興のために自分たちが出来る
ことをしていきたいと思っております。ありがとうございました。
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