ポリウレタンの特徴と弱点
衣類によく使われる!ポリウレタンの優れた特徴
伸縮性がある
ポリウレタンの最も大きな特徴として、ゴムのような伸縮性があることが挙げられます。これは繊維状のポリウレタンならではの特徴でもあり、伸ばしたときの長さは元の長さの5~7倍になることも。また、伸縮性が優れたポリウレタンは元の状態にも戻りやすいことから、ゴムのように伸ばしすぎるとすぐに伸縮性が失われてしまう心配もありません。
軽い
ポリウレタンがスポンジや断熱材の原料となることからも分かるとおり、ポリウレタンはそれ自体の重さが非常に軽いという特徴もあります。そのため衣類や皮革製品に使う場合には綿などを使うよりも重さが軽くなるため、動きやすさが重視されるスポーツウェアなどにもよく使われています。
しわができにくい
衣類にしわができてしまうのは、使われている繊維の伸縮性があまりないことが原因です。ポリウレタンはかなり伸縮性があるため、たとえばポリウレタン製品を雑に丸めた状態で長時間置いても簡単に元の状態に戻ります。このように、しわができにくいという優れた性質も持っているのです。
ほかの繊維と混ぜても使うことができる
衣類のタグなどを見てみると、「ポリウレタン〇%」と書かれていることがあります。このことから分かるように、ポリウレタンはほかの繊維と混ぜて製品に使用することも可能です。そのため綿を主な素材としつつ、ポリウレタンを混ぜることで伸縮性もある製品を作るといったことも可能なのです。
実は劣化しやすい!?ポリウレタンを使った製品の弱点
さまざまな優れた特徴があるポリウレタンですが、一方でいくつかの弱点も持っています。ポリウレタンを使った製品の弱点の中でも、特に大きな2つを知っておきましょう。
寿命が2~3年しかない
特に、衣服に使われるポリウレタンは、それを着用することによって水分や大気ガス、熱、紫外線などの影響を受け、徐々に分解されてしまいます。このような現象を「経時劣化」と呼び、年間を通して着用されることが多いポリウレタンを使った衣類は、これらの物質による影響も多く受けてしまいます。なんと2~3年程度で着用できない程度まで劣化してしまうことが多く、ポリウレタンを使用していない衣類よりも寿命が短いという点は大きな弱点といえるでしょう。
温度や湿度の変化に弱く、劣化しやすい
ポリウレタンは伸縮性が優れているため、多少力を加えてもすぐに元の形状に戻ります。そのことからポリウレタンは強度が非常に優れているというイメージを持たれがちですが、実は温度や湿度の変化に対しては弱く、劣化が進みやすいという弱点もあります。
特に、ポリウレタンを使用した合成皮革製品の場合、雨に濡れた後に長時間そのままにしておくとすぐに表面がひび割れてしまうこともあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。