レーヨン/再生繊維
【化学繊維とは?】
化学繊維は「化学的手段によってつくられた繊維」と定義されています。
木材、石炭、石油、天然ガスなどを原料にした人工的につくりだされた繊維で、再生繊維、半合成繊維、合成繊維に大別されます。
【再生繊維とは?】
天然のセルロース(木材パルプまたはコットンリンター)を化学薬品などで溶解させて、細いノズルから押し出して繊維に再生させた繊維です。
再生繊維のほとんどは、セルロースを主成分とする繊維で、レーヨン、ポリノジック、キュプラなどがあります。
「レーヨン」
原料の木材パルブから絹の外観に似せて人工的につくった繊維でレーヨン、ビスコースレーヨンといいます。フランス語で「光線」という意味。
木材パルプ
主成分が綿などのセルロースと同じなため、土に埋めると分解・消滅してしまいます。
レーヨン側面と断面
【レーヨンの歴史】
絹が非常に高価なため、1884年にフランスのシャルドンネ伯が硝酸セルロースを作ったのが始まりです。
1898年にビスコース溶液からレーヨンを製造する方法が開発され、爆発的な人気となりました。
1918年から日本でも製造され、多くの繊維会社がレーヨン製造を行いました。
レーヨンの特徴と問題点
【レーヨンの特性】
*吸湿性が良い(化学繊維の中で一番高く、綿よりもよい)
*レーヨン独特の光沢とドレープ性が優れている。
*熱に強く、軟化や溶解をしない。
【レーヨンの問題点】
*水で縮みやすく、シワになりやすい
レーヨンは、水分をよく吸い取りとる反面、水に濡れると繊維が膨れて太さが増し、全体の長さが縮んでしまいます。これを膨潤収縮といいます。
レーヨンは水に濡れると引っ張り強度が二分の一になるため、薄い生地のものは、強く引っ張るとあっけなく破れます。
レーヨンの柔らかさやドレープ性と、発色の良さを活かしたワンピース
雨に濡れると、水滴が付いた部分が膨潤収縮して、乾いても点々と跡が残ります。
これを修正するには、全体を水に濡らしますが、全体の艶感が消えたり、大きく縮むリスクがあります。
形を崩さず短時間で洗い、素早く整形乾燥して、艶感を出して仕上げる技術が必要です。
「ゼロヨンジーンズ」
90年代前半に大ブレイクした、ボブソン最大のヒット商品「04(ゼロヨン)ジーンズ」。
レーヨン綿混素材のソフトな肌触りのジーンズで、これが若い層に大いに受けました。
何故ゼロヨンかというと、「04=レイ・ヨン=レーヨン」ということからのネーミングでした。