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「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

「繊維の種類と分類」①

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繊維を原料別で区分すると天然原料から採取される天然繊維と化学的に製造された化学繊維に分類されます

天然繊維は、天然の原料から採取されて古くから人類が利用していた繊維で植物から採れる植物繊維と動物から採れる動物繊維に分かれます。

また、岩石等の鉱物から採れるものを鉱物繊維といいます。

化学繊維は、化学的手段によってつくられた繊維で製造方法と原料の種類によって4つに大別されます。

化学繊維

天然原料を一度溶解して、繊維状にしたものを再生繊維

天然繊維を化学変化させて繊維構造にしたものを半合成繊維

合成化学的に作られた原料を使用した合成繊維

金属、ガラス等の無機物で作った無機繊維があります。

繊維の種類

繊維は原料や製造により、下記の表のような種類があります。





植物繊維 綿・コットン・COTTON
麻(亜麻、苧麻のみ)
マニラ麻、サイザル麻、パイナップル繊維等
動物繊維 毛・ウール・WOOL、羊毛
獣毛、アンゴラ、カシミヤ、モヘヤ、アルパカ、キャメル
絹・シルク・SILK
鉱物繊維 石綿(アスベスト)
羽毛 ダウン、フェザー



再生繊維 レーヨン・RAYONポリノジック
キュプラ
テンセル、リヨセル
半合成繊維 アセテート、トリアセテート
プロミックス
合成繊維 ナイロン・NYLON
ビニロン
ビニリデン
ポリ塩化ビニル
ポリエステル・POLYESTER
アクリルアクリル系
ポリエチレン
ポリプロピレン
ポリウレタン
ポリクラール
アラミド
無機繊維 炭素繊維ガラス繊維金属繊維

 

【繊維の種類】

綿・コットン/COTTON

綿は、木綿植物の種子に付く綿毛を、収穫してつくられる繊維で主成分はセルロースです。
綿
繊維の長さにより、短繊維、中繊維、長繊維、超長繊維に分けられ長繊維、超長繊維(エジプト綿/海島綿など)は、細くしなやかで高級綿として、高級シャツ等に使われています。

海島綿などの超長繊維の高級シャツは、着心地は非常にいいのですが、耐久性は乏しいため、襟やカフスなどの擦り切れがおきやすく、一般のワイシャツと同じように洗いますと、縮みや変形が生じます。汚れた部分を前処理して、機械力をかけず、手洗いがベストです。

短繊維綿は、太い糸にしかできないのでシーツ、タオル、布団綿に使われ、中繊維綿は、衣料品を含めていろいろなものに使われています

綿の形状は、平らで細いリボン状で、よじれがあり、断面は中空になっています。

綿の構造綿の構造

綿の側面   綿の断面

綿・コットン/COTTONの特徴

綿は、植物繊維で一番消費されている繊維です。

綿は丈夫で、汗や水分をよく吸収し、保温性、耐熱性、耐洗濯性がよく衣料に幅広く使われています。

汗や水分をよく吸収するということは、繊維の中に汗の成分が溜まるということですから、綿製品は是非水で洗いたいものです。

綿コートなども水で洗っておくと、脇の汗による変色も防げますし、仕上がりは、綿の質感が蘇って、張り感がありさっぱりします。

ただし、綿コートを水で洗って仕上げるにはとても高度な技術が必要です。

マッキントッシュコート

綿コートの中でも特殊なものに、マッキントッシュコートがあります。

これは、二枚の綿生地を接着剤で張り合わせたものでボンディング加工と呼ばれます。

生地は固くて、好きな人はその固さがいいのですが、接着剤が劣化してくると色々と問題が起きてきます。

まず、首回りなどの接着剤が分解して表に染み出してきます。すると、黒いシミのようになって取れなくなってしまいます。

そして、ドライクリーニングで洗ってしまうと、紙のようにバリバリに固くなって着れなくなってしまいます。

ですから、洗う時は、前処理で汚れを落としたら、ハンガーに吊るしたまま水で洗剤を洗い流し、タオルで水をふき取って、出来るだけシワを作らないで人体整形乾燥機で整形乾燥するのがベストです。

 

綿は、染色性に優れていて、自由な色に着色でき、加工方法も数多く、きれいな光沢や感触からナチュラルな粗剛なものまで広い範囲の風合いができるのが特徴です。

綿は、アルカリに強く、洗濯や漂白がしやすいのがメリット。

*ほとんどの洗濯洗剤はアルカリ性です。
*漂白効果もアルカリ性でよく働きます。

漂白に強い 綿

綿(コットン/COTTON)のデメリット

綿は、染色堅ろう度(染色した生地の染色の強さの非)がマチマチで染色の条件や加工コストによって大きく異なります。

染色堅ろう度不良での変退色、移染、日光や汗による変退色などが多いです。

ご家庭での洗濯で、色移りが一番多い繊維は綿です。
綿製品で色柄物の衣類は、必ず色落ちテストを行ってください

色落ちテストのやり方

① 白いタオルに洗浄液をつけます。

② 目立たない所を、トントンと軽くたたきます。 

③ 色がついたらその衣類は、家庭での洗濯では色落ちします。

洗濯時や着用時による摩擦によるスレやキズになりやすく、収縮、シワになりやすいので、洗濯機での強回転洗いや脱水のやり過ぎには、十分注意して下さい。T-シャツなら30秒も脱水すれば十分です。

生成り(本来の綿の色)は、蛍光増白剤入りの洗剤での変色が起こりますので、生成り色やパステル調の衣類は無蛍光の洗剤を使用して下さい。

綿は蛍光剤に注意

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