思い出の時が甦るウォータークリーニング

「新人さんいらっしゃい」技術研修ブログ

「ドライクリーニングについて」

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  ドライクリーニングについて

 

ドライクリーニングは、1830年頃にフランスで開発さ

れ、水で洗うと型崩れや縮み、色落ちなどが発生する衣

類を水の変わりに有機溶剤を使うことによって衣類への

影響を抑えた洗浄方法です。

有機溶剤は、分かりやすく言えば石油や灯油、ガソリン

などが有機溶剤で油の仲間です。

ドライクリーニング機

ドライクリーニングは、石油溶剤、パークロエチレンなどが多く使われています。


  ドライクリーニング溶剤

ドライクリーニング溶剤も種々の種類があります。

代表的なのが、パーク(パークロエチレン)、フッ素系溶剤、石油系溶剤などが多く

使われ、それぞれに特性が異ります。



ドライクリーニング溶剤の種類と特性

  パークロエチレン フッ素系溶剤 石油系溶剤
沸点(℃) 121 54 150~210
溶解力 90 31 27~45
引火性 なし なし あり
比重 1.63 1.55 0.77~0,82




パークロエチレン(テトラクロロエチレン)

不燃焼で油脂溶解力が大きく、比重も大きくて揮発しや

すいので、短時間で洗浄や乾燥ができるメリットがあり

ますが、有害物質と指定されているので微量の排出も規

制されています。

パークはよくランドリーのあるホテルなどで使用してい

ます。

これは引火性がないからです。ただ漏れると発癌性が

強く環境に悪いので土壌汚染の原因になります。

ドライクリーニング表示



フッ素系溶剤(HCFC-225)

不燃焼で油脂溶解力が小さいですが、浸透量や比重が大き

いため洗浄時間が短くできます。沸点が低いので乾燥温度

が低く、短いメリットがありますが、ボタンや樹脂に損傷

を与える場合があります。

ドライクリーニング表示

特定フロンはオゾン層破壊物質として1995年末に国際的に製造が禁止され代替

フロン(HCFC-225)も製造時期が2020年までと決められています。



石油系溶剤

石油系溶剤は、油脂溶解が小さく、比重も小さいので、デリ

ートな衣類の洗浄に適しています。

日本では、石油系溶剤が一番普及しています。衣類について

いる取り扱い絵表示には、ドライ・セキユ系指定のマークは、

この石油系溶剤のことです。

弊社も油性の汚れがキツイものはこの石油系のドライを使用

しています。

ドライクリーニング石油系表示


石油系溶剤指定の取り扱い絵表示でも、石油系溶剤以外の溶剤
で洗浄しても問題ない衣

類も多数あります。

一部の衣類の製造メーカーは、一番やさしい溶剤という理由で他の溶剤で洗浄できるに

も関わらず、石油系を指定している場合が多いです。




化学やけどに注意!

石油系溶剤でドライクリーニングした時に乾燥が不十分

のままその衣類を着用すると皮膚障害(化学やけど)

起こします。

特に、肌に直接触れる合成皮革などの衣類をドライクリ

ーニングする場合には、注意が必要です。

ドライクリーニング溶剤による化学やけど

クリーニング後に異臭がする場合は、包装紙を外し自然乾燥するか、クリーニング店に再度、

相談して下さい。

 

そして弊社が使用しているのがシリコーンドライ溶剤です。

シリコーンドライには、次のような特徴があります。

  • ドライクリーニング独特の臭いがしない。.
  • ゴワゴワ感が無く、しなやかで柔らかな仕上がり。
  • 繊維本来の色彩を保ち色の深みが増す。
  • トリートメント効果があり保湿成分が乾燥時の生地の痛みを防ぐ。
  • 敏感肌の人にも優しい。
  • 環境に配慮した溶剤。
  • 手触りや着心地が良い。
  • カシミアやシルク等、天然素材の艶や光沢が甦る。

このように、クリーニング溶剤としては理想的なのですが、洗浄機や溶剤の価格が高いた

め、クリーニングに使用するにはコストがかかり過ぎ、製造中止になってしまいました。

ただ、高級衣服の洗い上がりの品質がとても良いため、これからも弊社はこのシリコーン

溶剤は使用していく予定で、ドイツの「EASY CLEAN」という石油系ドライ機を改造し

て使用する計画を立てています。

やはりこのシリコーンの手触りや着心地の良さを体験すると、普通のドライで洗った洋

服は何か無機質というかパサついてる感じで、とても気持ちよく着れないというのが私

の率直な感想です。

服が好きな人間ならこの感覚は同じだと思いますよ。

 

ただ、弊社では、シリコーンドライだけでなく、石油系ドライも併用しています。

シリコーンドライは、風合いや艶感重視のトリートメント的要素重視のクリーニングな

ので、キツイ皮脂汚れや、全体的な油汚れなどがある時は、洗浄力の高い石油系ドライで

キツイ汚れをあくまで落としていくのが目的ですからね。

 

 

衣類を衣類を型崩れさせたり、縮めたりしない為に、ドライクリーニングは生まれました。

 

ドライクリーニングは、絶対にご家庭では出来ません!

ご家庭では、水で洗うしか洗濯方法がありません。

スーパーなどで販売しているドライ衣料用の洗剤は、水で

洗っても型崩れや縮みなどを出来るだけ起こりにくくする

ように工夫した洗剤ですので、ドライクリーニングでは

りません。

家庭用洗剤

 

背広をご家庭の洗濯機で洗うと・・・・・・

型崩れや縮みなどが発生し、シワクチャな状態で洗いあがり

ます。

手洗いで洗っても縮んだと言って「なんとかしてほしい」と

持って来られるお客様もいらっしゃいます。

洗えたとしても、やはりジャケットやパンツを整形するた

の機械がないと難しいのです。

量販店ではウォッシャブルのスーツも売られていますが、ど

うなんでしょうか・・??

やはりウールの風合いがないというか、化繊みたいな感じで

味気ない、何かパサついた感じで着心地は今一といったとこ

ろが本音です。

スーツを着るならウールでないとね。

ドライクリーニングとご家庭での洗濯

ドライクリーニングなら縮みや型崩れはもちろん無くて、シワもほ

とんど無い状態で洗いあがります。

これが、ドライクリーニングの最大の利点です。

ドライクリーニングなら

 

 ドライクリーニングの原理

 

ドライクリーニングは、水ではなく油を溶かす溶剤を使用して洗います。

油汚れは溶剤に溶けるので落ちやすく、水にも油にも溶けない不溶性粒子も油脂がボンド役をしている油脂を溶かすので落ちやすくなります。

 

 

ドライクリーニングについて ドライクリーニングについて  


また、毛などのドライ衣類をご家庭で洗濯(水)する場合は、つけ置きなどの手洗いで洗うので機械力はかけられません。

ドライクリーニングでは、機械力をかけられるので不溶性の汚れが落ちやすくなります。

全体的に油性の汚れがあるときは、まず、ドライクリーニングで油性の汚れを落とし、次に水洗いで汗などの水溶性の汚れを落とすときれいになります。

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