カビと他のメンテナンスのお話をしようと思ったのですが、
新しい場所でウォータークリーニングの受付が始まっていたり、
始まるということもあり、少しばかり現実的なお話をすることにしました。
また、以下の内容は研修等でトレーニングしますが、
やはりこの検品とはやはり「相手の立場」に立った「思いやり」と「繊細な心配り」
であるということです。
私たちの目指すものはお客様の「思い出の時が甦るウォータークリーニング」です。
お客様がご持参されたお品物は
お客様の心の中に残る感動的な思い出を再現していたた゛くための最高のツール
そのものであるということなのです。
ですからまさに感動的な思い出「請負人」、
それが私たちの仕事そのものです。
お客様の思い出や感動にフォーカスするわけですから、
一人ひとりの担当者が全力で自分の役割を担っていくための
基礎力と繊細な感性をしっかり身に付けていかなければなりません。
尚、下記の「検品」やその他に関する実地試験は22日(月)と31日(水)に
行ないますので、日々現場でトレーニングを積んでおいて下さい。
受付時の検品
検品は単なる商品チェックの作業ではありません。
ウォータークリーニングの復元作業工程でとても重要な役割を持ち、さらに検品の精度や力量が、お客様への安心や信頼に繋がり、そのあとの作業工程や内容に大きく影響して、担当者や各ショップの差になり、はっきりとレベルの差が現れてきます。
検品では、まずはお客様のお話を聞き、お客様と良好なコミニュケーションを取りながら、お客様と共にお品物の状態を確認し【検品事項】ます。
その上で、お品物に対して最適な復元方法【洗い・シミ抜き・漂白・染色補正・修理修繕・かきはげ・その他】をご提案していきます。
で、お客様と共に行う確認【検品事項】は下記の項目です。
- 汚れ(特に多いのは汗、皮脂汚れで首回り・衿・両脇・両袖・両袖口・前立て・ポケット口が多い)
- シミ(ラペル・前身頃・袖は食べ物のシミが多い)
- 破れ(脇の下の裏地・サイドベンツやセンターベントの付け根が多い)
- 変色(首回り・両脇・両袖の裏地の黄変が多い)
- 脱色(パーマ液等関係が多い)
- 虫食い
- 毛羽絶ちの有無(前立て・裾回り・脇下・股が多い)
- 毛倒れ(起毛したコートやジャケットのラペル・前立て・ポケット・両袖口・袖から肘にかけてが多い)
- 伸縮の状況(綿コートの裏地の伸縮が多い)
- 糸引き
- 変形(ニット製品は特に)
- 部分的変退色(肩・背中・脇下・股下の黄変なと゛)
- ファスナー(ファスナートップの材質・損傷・滑り)
- スレ(首回り・前立て・ポケット口・ポケット雨蓋・ラペル・シートベルト着用時の左肩が多い)
- 肩パット・フードの有無
- カビや化学物質の付着
- 焼け焦げ(たばこ・アイロン)
- 縫製(裾回り・脇・見返しが多い)
- プレスの状況(アタリ・テカリ・パンツの二重線・デザイン制・シワ加工等)
- ボタン等の付属品(破損・欠落・高級品・オリジナル・レザー・クルミ・脱着有無)
- 付属品の有無(ベルト・付け衿・リボン・タイ・ライナー・ファー・ファスナートップ等)
- ポケットの中
- アクセサリー等の付属品の有無(アニメタグ・ブローチ・スパンコール・刺繍・ワッペン・トリミング等)
- さまざまな加工
- 全体のシルエットやファッション性
- 全体の生地や質感
- レザーの場合は過多さや柔らかさ
- 劣化状態(接着剤の劣化によるバブリング)
- 臭い(汗腋臭・素材の劣化による異臭等)
- その他
というように実は一杯あります。
が、プロはお客様と楽しく会話しながら品物のチェック検品と確認を行っていき「カルテ」に記入しながら、復元内容をご提案していきます。
ちなみに検品は
- フロントでお客様と共に検品確認
- 入荷時に総合受付で検品再度確認
- 洗う前の事前検品
- 洗い後の中間検品
- 仕上げ前の検品
- 仕上がり検品
- 最終検品(出荷)
となっており、7回の検品を通過してやっとお客様のもとにお品物が届くのですよ。
●本日はナチュラルクリーン通信「早春の風」第20号~春の特集号~が完成し、
関係デパートやアパレル企業やショップ等にメールで送らせせていただき
新しいスタートが切れる日でもあります。感謝