「毎日の日課」9/26(木)
自分の一日の仕事が終わって帰宅する前に必ずといって
いいほど本日入荷分の品物をチェック。
「白カビかあ・・・、首回り皮脂汚れきついなあ・・、
それにしても黄変の品物がメチャクチャ多いなあ・・」
この時期、黄変の洋服がとても多いです。
それも、全体的な黄変。
パンツのシック部分のおしっこの黄ばみ。
脇の黄ばみ。
襟、脇、裾回りの黄ばみ。
古い黄ばみ、等々・・・。
汗などの水溶性の汚れはドライでは除去できません。
ほっておくとこの黄変が茶色に変色したり、違う色に変化
して色抜けしているのもあるので、そういう場合は強い漂
白や色修正を行ったりするのですが、そうなる前に早めに
水洗いしたり、水洗いのクリーニングに出された方がいい
ね。
こういう姿を見ると、ちょっと洋服が可愛そうで、心が痛みま
す。
ですから、早くキレイにしてやりたい。
前日、帰る前に「これは・・」と思った洋服はスリックにかけて、
黄変の部分に過水を噴霧しておきます。
自分が逆の立場だったら嫌ですから、
洋服の「いのち」も早くキレイになってサッパリしたいでしょう。
厳しいやつは時間がかかりますが、過水を噴霧することによっ
て黄変が緩んでくるので、この後の浴中処理の中性漂白漬込
みで、結構スッキリと黄変が除去できてキレイにスッキリします。
ということで、今日もズラリ。
また、ジャケットパンツやのカビも結構多いですね。
この場合、カビ取り洗剤を使ってブラッシングして漂白に漬け
込んで根こそぎカビの菌とあの独特な嫌な匂いを除去します。
さて・・、人間の心って、いつも生産的なことを考えているか、
非生産的なことを考えているか・・・。
常に自分の心を観察しておく必要がありますよ。
清算的な方向に心が向いていれば、いつも問題意識で、「あ
あ、これはこうしておいた方がいいな」とか「もっとこうすれば
こうなるなあ」とか、いろんなプラスの創造的なことが生まれて、
仕事も生産的で楽しくなります。
もし、自分の中の非生産的な心に気づいたら、「見っけ」とば
かり( ̄▽ ̄)と笑って、ただちに生産的な前向きで明るい心に
立ち戻る。
ということを日々の日課にしているわけです。
そうすると8年前クリーニングはまったくド素人でしたが、最近
では逆にクリーニング屋さんに教えてあげれるようになりました。
不器用者でも、努力と実践の積み重ねはバカになりませんね。

さて、「黄変」の除去のお話をしているのですが、衣類の黄変
の原因のほとんどは、「汗」や「皮脂」です。
この「汗」や「皮脂」は、元々の色はそれほど黄色くなくても、
空気中の酸素によって酸化されて次第に黄変してしまうのです。
また、飲料水に含まれる「果汁」などは特に黄変しやすい物質
なので衣類にこぼしたままほっておくのは要注意です。
そして、シルクは繊維自体が参加されることによって黄変します。
特に湿った状態とか、汗がついたままとか、湿った場所での保管
は禁物です。カビもね。更に、紫外線が当たることによって黄変
しやすくなります。
今日の「事例」の紹介です。
写真にするとちよっとわかりにくいですねえ。キュプラの裏地の
シック部分や膝あたりが物凄い黄ばみになっていたパンツです。
同じお客さんのブリオーニの超黄変パンツが三本入荷されました。
ただ、う・・・・ん、よくぞここまで黄ばみが落ちましたねえ・・。
入荷時、誰もがマーへ゛ルト、裏ポケット、裏地全体、あまり
に全体的、かつ局部的な黄ばみの凄さに「・・・・・・すごい・・」
唖然としていました。この方、「糖尿なんでしょうか?」とも。
ブリオー二やゼニアなどの高級スーツは染色堅牢度が弱い
ので、漂白は長く漬け込めません。うっかりするとジャケット、
パンツ上下の色が違うということになれば大変ですから。
ですから、スーツのパンツあたりのこういった超黄ばみは、
何度も何度も漂白剤で直接攻めていきます。
絶対に無理は禁物ですが、あともう少し過水やなあ・・・。

僕も中年ですが、ちなみに中年男性のパンツのシック部分
は、おしっこの黄ばみが実に多いいです。こういった黄ばみ
は、アルカリ成分を含んでいて、つまり漂白剤につけっぱな
しの状態なんで、アルカリ焼けになって黄色に変色してしま
っているのです。
grayのパンツの表地で裏表とも黄色に変色しているケース
って多いいです。grayだけでなく、濃いい色の場合分からな
いだけなのですが。
漂白でもどうにもならない場合は、色修正で復元するのです
が、そこまでになる前に・・・って感じですね。また、ショップの
スタッフたちは、やはり売りっぱなしではなく、販売した洋服の
事前ケア説明をしておかないと、って思いますね。)

(襟の皮脂汚れや酸化黄変は事前にスポッターなどの前処理で
油性処理をしておきます。このドレスシャツの襟は皮脂汚れと凄
い黄変でしたが、過水がきいて結構スッキリしてますねえ・・・。
女性のブラウスやワンピースの襟元には+ファンデーションや
毛染めなんかも付着している場合が多いいです。
油性処理+過水噴霧で一晩置くと、「なかなかきれいになっとるの
ぉぉ」。この後、綿麻などは、温度を上げたお湯で中性漂白処理し
ていくと真っ白になっていって見事にwhiteが蘇ります。)

(黄変部分はまずこうやって油性処理しておきます。その後、過水
作戦で黄変を緩まして酸素系よりも事故のない色物可能な中性漂
白の浴中処理がノーマルなパターンです。
また、よくエミリオプッチのシルクのワンピースが入ってきますが、
このシルクは元々黄変する性質を持っています。
シルクの黄変はもシルクの分子を構成しているアミノ酸が、酸素と光
によって酸化され、化学的に変化し、着色物質に変わることから起こ
るわけです。まあ、シルクの黄変は、蛋白質である絹繊維の宿命と
言っていいです。)

(写真では分かりにくいのですが、こういった麻のジャケットの場合は
この夏汗ビッチャリで着られたのでしょうね。裏も表も真っ黄色です。
これが漂白と水洗いでサッパリして、若干の糊剤でシャリ感を出せば、
とてもいい感じに戻ります。)

(過水攻撃後に中性漂白して洗い上がった麻のジャケット。もはや
まっ黄、黄ではありません。)

(前日返る前には、「うん??これはなぁぁ・・・」という洋服の黄変部分
は必ず油性処理+過水を噴霧しておきます。
朝見てみて「おお、黄ばみが消えとる・・」というケースが結構多いい
です。なんでもそうなんですが、料理じゃないけど事前のひと手間が
必要です。
この黄変除去の場合は、油性処理、まず皮脂や油分を落としておくと、
過水の効果、そして漂白の効果はさらに大なのです。)
ちょっと長くなりました。
さて、今日も頑張ろう!
生かして頂いて ありがとうございます。
いいほど本日入荷分の品物をチェック。
「白カビかあ・・・、首回り皮脂汚れきついなあ・・、
それにしても黄変の品物がメチャクチャ多いなあ・・」
この時期、黄変の洋服がとても多いです。
それも、全体的な黄変。
パンツのシック部分のおしっこの黄ばみ。
脇の黄ばみ。
襟、脇、裾回りの黄ばみ。
古い黄ばみ、等々・・・。
汗などの水溶性の汚れはドライでは除去できません。
ほっておくとこの黄変が茶色に変色したり、違う色に変化
して色抜けしているのもあるので、そういう場合は強い漂
白や色修正を行ったりするのですが、そうなる前に早めに
水洗いしたり、水洗いのクリーニングに出された方がいい
ね。
こういう姿を見ると、ちょっと洋服が可愛そうで、心が痛みま
す。
ですから、早くキレイにしてやりたい。
前日、帰る前に「これは・・」と思った洋服はスリックにかけて、
黄変の部分に過水を噴霧しておきます。
自分が逆の立場だったら嫌ですから、
洋服の「いのち」も早くキレイになってサッパリしたいでしょう。
厳しいやつは時間がかかりますが、過水を噴霧することによっ
て黄変が緩んでくるので、この後の浴中処理の中性漂白漬込
みで、結構スッキリと黄変が除去できてキレイにスッキリします。
ということで、今日もズラリ。
また、ジャケットパンツやのカビも結構多いですね。
この場合、カビ取り洗剤を使ってブラッシングして漂白に漬け
込んで根こそぎカビの菌とあの独特な嫌な匂いを除去します。
さて・・、人間の心って、いつも生産的なことを考えているか、
非生産的なことを考えているか・・・。
常に自分の心を観察しておく必要がありますよ。
清算的な方向に心が向いていれば、いつも問題意識で、「あ
あ、これはこうしておいた方がいいな」とか「もっとこうすれば
こうなるなあ」とか、いろんなプラスの創造的なことが生まれて、
仕事も生産的で楽しくなります。
もし、自分の中の非生産的な心に気づいたら、「見っけ」とば
かり( ̄▽ ̄)と笑って、ただちに生産的な前向きで明るい心に
立ち戻る。
ということを日々の日課にしているわけです。
そうすると8年前クリーニングはまったくド素人でしたが、最近
では逆にクリーニング屋さんに教えてあげれるようになりました。
不器用者でも、努力と実践の積み重ねはバカになりませんね。

さて、「黄変」の除去のお話をしているのですが、衣類の黄変
の原因のほとんどは、「汗」や「皮脂」です。
この「汗」や「皮脂」は、元々の色はそれほど黄色くなくても、
空気中の酸素によって酸化されて次第に黄変してしまうのです。
また、飲料水に含まれる「果汁」などは特に黄変しやすい物質
なので衣類にこぼしたままほっておくのは要注意です。
そして、シルクは繊維自体が参加されることによって黄変します。
特に湿った状態とか、汗がついたままとか、湿った場所での保管
は禁物です。カビもね。更に、紫外線が当たることによって黄変
しやすくなります。
今日の「事例」の紹介です。
写真にするとちよっとわかりにくいですねえ。キュプラの裏地の
シック部分や膝あたりが物凄い黄ばみになっていたパンツです。
同じお客さんのブリオーニの超黄変パンツが三本入荷されました。
ただ、う・・・・ん、よくぞここまで黄ばみが落ちましたねえ・・。
入荷時、誰もがマーへ゛ルト、裏ポケット、裏地全体、あまり
に全体的、かつ局部的な黄ばみの凄さに「・・・・・・すごい・・」
唖然としていました。この方、「糖尿なんでしょうか?」とも。
ブリオー二やゼニアなどの高級スーツは染色堅牢度が弱い
ので、漂白は長く漬け込めません。うっかりするとジャケット、
パンツ上下の色が違うということになれば大変ですから。
ですから、スーツのパンツあたりのこういった超黄ばみは、
何度も何度も漂白剤で直接攻めていきます。
絶対に無理は禁物ですが、あともう少し過水やなあ・・・。

僕も中年ですが、ちなみに中年男性のパンツのシック部分
は、おしっこの黄ばみが実に多いいです。こういった黄ばみ
は、アルカリ成分を含んでいて、つまり漂白剤につけっぱな
しの状態なんで、アルカリ焼けになって黄色に変色してしま
っているのです。
grayのパンツの表地で裏表とも黄色に変色しているケース
って多いいです。grayだけでなく、濃いい色の場合分からな
いだけなのですが。
漂白でもどうにもならない場合は、色修正で復元するのです
が、そこまでになる前に・・・って感じですね。また、ショップの
スタッフたちは、やはり売りっぱなしではなく、販売した洋服の
事前ケア説明をしておかないと、って思いますね。)

(襟の皮脂汚れや酸化黄変は事前にスポッターなどの前処理で
油性処理をしておきます。このドレスシャツの襟は皮脂汚れと凄
い黄変でしたが、過水がきいて結構スッキリしてますねえ・・・。
女性のブラウスやワンピースの襟元には+ファンデーションや
毛染めなんかも付着している場合が多いいです。
油性処理+過水噴霧で一晩置くと、「なかなかきれいになっとるの
ぉぉ」。この後、綿麻などは、温度を上げたお湯で中性漂白処理し
ていくと真っ白になっていって見事にwhiteが蘇ります。)

(黄変部分はまずこうやって油性処理しておきます。その後、過水
作戦で黄変を緩まして酸素系よりも事故のない色物可能な中性漂
白の浴中処理がノーマルなパターンです。
また、よくエミリオプッチのシルクのワンピースが入ってきますが、
このシルクは元々黄変する性質を持っています。
シルクの黄変はもシルクの分子を構成しているアミノ酸が、酸素と光
によって酸化され、化学的に変化し、着色物質に変わることから起こ
るわけです。まあ、シルクの黄変は、蛋白質である絹繊維の宿命と
言っていいです。)

(写真では分かりにくいのですが、こういった麻のジャケットの場合は
この夏汗ビッチャリで着られたのでしょうね。裏も表も真っ黄色です。
これが漂白と水洗いでサッパリして、若干の糊剤でシャリ感を出せば、
とてもいい感じに戻ります。)

(過水攻撃後に中性漂白して洗い上がった麻のジャケット。もはや
まっ黄、黄ではありません。)

(前日返る前には、「うん??これはなぁぁ・・・」という洋服の黄変部分
は必ず油性処理+過水を噴霧しておきます。
朝見てみて「おお、黄ばみが消えとる・・」というケースが結構多いい
です。なんでもそうなんですが、料理じゃないけど事前のひと手間が
必要です。
この黄変除去の場合は、油性処理、まず皮脂や油分を落としておくと、
過水の効果、そして漂白の効果はさらに大なのです。)
ちょっと長くなりました。
さて、今日も頑張ろう!
生かして頂いて ありがとうございます。