その他の再生繊維
「ポリノジック」
ポリノジックは、レーヨンと同じセルロース系再生繊維で、レーヨンの欠点(水による収縮など)を改善したもので「改質レーヨン」と言われています。
ポリノジック側面
【ポリノジックの特徴】
ポリノジックは、セルロースの重合度を高め、レーヨンに比べると湿潤状態での強度低下や膨潤収縮にすぐれています。
レーヨンと同じく、美しい光沢とドレープ性があり、染色堅ろう度にもすぐれて、鮮やかに染まります。
ポリノジック断面
婦人夏服地、ブラウス、下着、裏地などに多く使われています。
「キュプラ」
原料のコットンリンター(綿花をとった後に残る短繊維)を銅アンモニア溶液で溶かしてつくられた繊維です。
断面は、細く円形で表面は滑らかで、染色性にもすぐれています。
【キュプラの特徴】
静電気の発生が極めて少なく、シルクのような滑らかさと染色性にすぐれ、摩擦や耐久性がレーヨンよりも高いのが特徴です。
高級裏地を中心に婦人用下着などに利用されています。
キュプラは、ポリエステルよりも滑らかさがあるため、袖を通すときのの滑りの良さが勝ります。
そのため、前身頃や背中の裏地はポリエステルでも、袖裏だけはキュプラのジャケットは多いです
「テンセル/リヨセル」
木材パルプを原料にアミンオキサイド系水溶液を使い製造した再生繊維で「精製セルロース繊維」とも言われています。
テンセルはイギリスのコートルズ社が開発した世界で初めての溶剤紡糸による精製セルロース繊維で、テンセルはコートルズ社の商標名です。オーストリアでも同じ精製セルロースがあり、これはリヨセル(商標名)となります。
リヨセルの側面
【リヨセル/テンセルの特徴】
テンセルは、丈夫で縮みにくく、ソフトな風合いと上品な光沢を持ち、すぐれた染色性を持っていますが、摩擦などの外力でフィブリ化(繊維が裂けて細分化してささくれる)がしやすく、スレ等が起こりやすいので、家庭洗濯では外力を最小限にし、短時間脱水するのがおすすめです。
また、溶剤を回収して再利用するため、廃液が環境中に放出されず、地球にも優しい繊維と評価されています。
家庭用品品質表示法では、テンセルは新しい精製セルロース繊維のため「指定外繊維」と表示され、用途は、カジュアルジーンズ、シャツ、ユニフォーム、寝具、セーター、ジャケットなど幅広く使用されています。