「衣類内気候」12/27(土)
随分外気が冷たくなりました。皆さんのところはどうでしょうか?
(レザージャケット・キュプラ裏地首回りの黄変。全体的な黄ばみ)
寒さが増すと人間は、衣類を厚いものにしたり、何枚か重ね着
して保温力を高め、体温が低くならないように自然と工夫してい
ます。
(レザージャケット脇の汗ジミ)
衣類には体温の放散を抑制する機能があり、その結果、体温は
一定に保たれ、寒い時季にも活動的に過ごすことができるって
御存知でした?
(オルマー&マリータ・イタリアのレディスカンガルージャケット
全体汚れ・全体的に点々とカビのシミ多数有。)
そのように、自然環境に適応するために衣服を着用するとき、衣
類と身体との間に形成される空間のことを「衣類内環境」と呼び
ます。
(シャネルジャケットに点在する多数の赤いシミ)
そして、その「衣類内環境」を快適な状態に保つうえで重要なの
が「衣服内気候」と言います。「衣服内気候」とは、身体と衣服
との間にある空気層の温度・湿度・気流のことです。
(ゼニアスーツパンツの黄変。中年以上の方に多いです。
今日は裏地黄変パンツが計12本。その内、表面両面黄変が6本。)
ここで快適な「衣類内気候」の温度は約32度。湿度は約50パー
セント。ということで、衣類の中では誰もが裸でいられるように、
寒い時期でも快適な「衣類内気候」を実現するために、室内では
暖房を利用したり、寒さを防ぐためには衣類の素材や形状、その
着装方法に工夫を凝らしています。
(BAGの全体カビ)
先ほど快適な「衣類内気候」に必要なのは温度・湿度・気流だと
お話ししましたが、結局一言で言えばいかに快適な空気を着る
ことができるかということなのです。快適な空気を着れば体熱の
放散を抑止することができて、温かく過ごせるからです。
(ダンヒルジャケットの首回り皮脂汚れ。ジャケット・コートの首回り
、袖口の皮脂汚れは、ほぼすべての入荷品といっていいぐらいですね。)
では、快適な空気を着るためにはどのような方法が用いられる
のでしょうか?
(イタリア エレナギセリー二・BAG全体カビ)
基本的には、一、空気を繊維の間にたくさん含めて着る。二、
重ね着することによって衣類の間に空気層をつくるという、二つ
の方法があります。
(レディス・ランバン ワンピース脇の汗ジミ)
一、の方法は、繊維製品が持っているすぐれた性質を発揮させる
ということです。服地などは、その体積の60~80パーセントが空気
ですから、そのまま着れば空気を着ることになります。
たとえば、地厚な毛織物の含気率は70パーセントを超え、地厚な
綿織物の含気率は60パーセントくらい。それだけ、繊維の間にた
くさんの空気が含まれているのです。
(ドレスシャツ首回りの皮脂汚れ)
二、の方法は、衣類と衣服の間、衣服と皮膚の間に空気層をつく
るものです。着装の仕方などによって空気層の厚さの30~70パー
セントくらいが空気層です。というように実際には、よくある普通の
方法で空気を着ることができているわけです。
ところが、汗、皮脂、アカ、ホコリ、食べこぼし、飲みこぼしなどの
汚れが付着すると状況は一変します。汚れは、含気率を一気に
低下させ、熱伝導率の増大を引き起こし、衣類の保温力を大きく
減退させてしまいます。
(ス・ミズーラ ゼニアネクタイの色抜け)
この汚れは保温力減退の他に、通気性の低下、吸湿性の増大、
耐久性の低下などの悪影響をもたらすわけですが、この寒い
冬には保温力減退が一番厳しい問題となるわけです。
衣類をマメに洗ったり、クリーニングに出しましょうという意味は、
そういうところにもあるんだよってことを是非知っておいて下さい
ね。
参考資料 ≪ジ・アフタ≫1月号
(ランバンジャケットキュプラ裏地・脇の脱色)
四日前のブログで甦ったハリス・ツイードのスリーピースの写真
を掲載しましたが、ハリス・ツイードの生地の保温性の良さは、
布の間に多くの空気を含んでいることによるわけです。
体積中の空気の割合は70%を超え、熱伝導率の低い空気の層
によって衣服内の温度が保たれています。
(ゼニアジャケットのキュプラ裏地・脇の色抜け)
●今日入荷分の品物の一部ですが、これらの汚れをキレイに除去して
ウォータークリーニングすると衣類内気候機能が本来通り蘇ります。
(ゼニアネクタイの脱色)
ところが、あれだけ生地に汚れが付くと、繊維の膨らみが減少し、
空気の層が小さくなり保温性が低くなって、ハリス・ツイードの生
地の素晴らしさをまったく減退させてしまっていました。もったいな
いよね、それては。
ということで、マメに出してね、ウォータークリーニングへ。
(うちの保育園からお正月のお飾りが送られてきました。可愛いじゃん)
生かしていただいて ありがとうございます
(レザージャケット・キュプラ裏地首回りの黄変。全体的な黄ばみ)
寒さが増すと人間は、衣類を厚いものにしたり、何枚か重ね着
して保温力を高め、体温が低くならないように自然と工夫してい
ます。
(レザージャケット脇の汗ジミ)
衣類には体温の放散を抑制する機能があり、その結果、体温は
一定に保たれ、寒い時季にも活動的に過ごすことができるって
御存知でした?
(オルマー&マリータ・イタリアのレディスカンガルージャケット
全体汚れ・全体的に点々とカビのシミ多数有。)
そのように、自然環境に適応するために衣服を着用するとき、衣
類と身体との間に形成される空間のことを「衣類内環境」と呼び
ます。
(シャネルジャケットに点在する多数の赤いシミ)
そして、その「衣類内環境」を快適な状態に保つうえで重要なの
が「衣服内気候」と言います。「衣服内気候」とは、身体と衣服
との間にある空気層の温度・湿度・気流のことです。
(ゼニアスーツパンツの黄変。中年以上の方に多いです。
今日は裏地黄変パンツが計12本。その内、表面両面黄変が6本。)
ここで快適な「衣類内気候」の温度は約32度。湿度は約50パー
セント。ということで、衣類の中では誰もが裸でいられるように、
寒い時期でも快適な「衣類内気候」を実現するために、室内では
暖房を利用したり、寒さを防ぐためには衣類の素材や形状、その
着装方法に工夫を凝らしています。
(BAGの全体カビ)
先ほど快適な「衣類内気候」に必要なのは温度・湿度・気流だと
お話ししましたが、結局一言で言えばいかに快適な空気を着る
ことができるかということなのです。快適な空気を着れば体熱の
放散を抑止することができて、温かく過ごせるからです。
(ダンヒルジャケットの首回り皮脂汚れ。ジャケット・コートの首回り
、袖口の皮脂汚れは、ほぼすべての入荷品といっていいぐらいですね。)
では、快適な空気を着るためにはどのような方法が用いられる
のでしょうか?
(イタリア エレナギセリー二・BAG全体カビ)
基本的には、一、空気を繊維の間にたくさん含めて着る。二、
重ね着することによって衣類の間に空気層をつくるという、二つ
の方法があります。
(レディス・ランバン ワンピース脇の汗ジミ)
一、の方法は、繊維製品が持っているすぐれた性質を発揮させる
ということです。服地などは、その体積の60~80パーセントが空気
ですから、そのまま着れば空気を着ることになります。
たとえば、地厚な毛織物の含気率は70パーセントを超え、地厚な
綿織物の含気率は60パーセントくらい。それだけ、繊維の間にた
くさんの空気が含まれているのです。
(ドレスシャツ首回りの皮脂汚れ)
二、の方法は、衣類と衣服の間、衣服と皮膚の間に空気層をつく
るものです。着装の仕方などによって空気層の厚さの30~70パー
セントくらいが空気層です。というように実際には、よくある普通の
方法で空気を着ることができているわけです。
ところが、汗、皮脂、アカ、ホコリ、食べこぼし、飲みこぼしなどの
汚れが付着すると状況は一変します。汚れは、含気率を一気に
低下させ、熱伝導率の増大を引き起こし、衣類の保温力を大きく
減退させてしまいます。
(ス・ミズーラ ゼニアネクタイの色抜け)
この汚れは保温力減退の他に、通気性の低下、吸湿性の増大、
耐久性の低下などの悪影響をもたらすわけですが、この寒い
冬には保温力減退が一番厳しい問題となるわけです。
衣類をマメに洗ったり、クリーニングに出しましょうという意味は、
そういうところにもあるんだよってことを是非知っておいて下さい
ね。
参考資料 ≪ジ・アフタ≫1月号
(ランバンジャケットキュプラ裏地・脇の脱色)
四日前のブログで甦ったハリス・ツイードのスリーピースの写真
を掲載しましたが、ハリス・ツイードの生地の保温性の良さは、
布の間に多くの空気を含んでいることによるわけです。
体積中の空気の割合は70%を超え、熱伝導率の低い空気の層
によって衣服内の温度が保たれています。
(ゼニアジャケットのキュプラ裏地・脇の色抜け)
●今日入荷分の品物の一部ですが、これらの汚れをキレイに除去して
ウォータークリーニングすると衣類内気候機能が本来通り蘇ります。
(ゼニアネクタイの脱色)
ところが、あれだけ生地に汚れが付くと、繊維の膨らみが減少し、
空気の層が小さくなり保温性が低くなって、ハリス・ツイードの生
地の素晴らしさをまったく減退させてしまっていました。もったいな
いよね、それては。
ということで、マメに出してね、ウォータークリーニングへ。
(うちの保育園からお正月のお飾りが送られてきました。可愛いじゃん)
生かしていただいて ありがとうございます
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