「己を静観する」
歴代の仏陀の教えを実現させるためには、
堅固な意志を持って、懸命に努力する人は、
正しく死の恐怖から解放され、欲望からかけ離れた
無償の大きな安心感の中で済むことを得ます。
この最高の御宝は、共に努力する仲間たちがいるからこそ、
得られるのです。
この真実の言葉によって、幸福でありましょう。
（原始仏典『スッタニパータ』第二章第一節ー二百二十八番）
さて、この頃は、またまた後世の加筆だと断定します。
「この最高の御宝は、共に努力する仲間たちがいるからこそ得られるものです」
この一節は、「サイの角のように、ただ独り歩め」と仰った釈尊の言葉から離
れるものです。間違いだと判断します。
釈尊が、集団(教団)を肯定したことはありません。
サイの頭部には、そそり立つ一本の太い角があります。
そしてサイは、群れではなく単独で行動することが知られています。
この比喩は、「自分だけを見つめること」「自分自身を静観すること」を釈尊が
もっとも重視したことを表現した例えです。
私たちの悩みの九十パーセントは、「他人との人間関係から起こる」ものばかり
であることに気づいてください。
・心の成長が起こらない世俗的でムダな悩みが実に多いこと。
・自分自身を見ずに、自分を知らずに、他人ばかり見ているサガから起こる悩みです。
そんな無意味な悩みに翻弄することなく、
元気で順調な時こそ、
・正しく死を恐れて、
・必ず死ぬということを忘れずに、
・悪い因果を残さない生き方をしたいものです。
これは、正しく普段から「決して死を忘れない」ことで可能になります。
皆様の参考になれば幸いです。
今日も学ばせていただいて有難うございます。
（柔訳 釈尊の教え 第3巻 原始仏典『スッタニパータ』より抜粋転載）
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本人の道徳心
「人生の宝」
ヒルティによれば、
普通の思慮ある行為をする人が手にすることのできる
一番良い財宝というものは、
揺るがない道徳的な確信、
良い精神的な教養、愛、誠実、
仕事の能力、仕事の楽しみ、
精神および肉体の健康、幸せな家庭、
少数の友人、そしていささかの財産などで、
これがレーベンス・ギューター、
つまり人生の宝とするものです。
それ以外のものは全然無価値であるか、
あるいは、これと比べれば大して価値のないものなのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日の諺 「気分転換（きぶんてんかん）」
【意味】
つかれたり、落ち込んだりしたときの
いやな気分を、明るく前向きな気分に変えること。
「転換」は、別のものに変えるという意味。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・