美しく発光する精霊はさらにたずねます。
「確かにその通りです。
それは第十一番目の
破滅に向かう人々の特徴です。
では釈尊、どうか第十二番目の
破滅に向かう人々の特徴も
教えてください」
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第六節-百十三番]
釈尊は答えました。
「先祖代々が由緒ある
裕福で高位な家柄だった家に
生まれた者が、今は財産が
乏しい状態にいるとします。
こういう人が、
自分のプライドと欲望に駆られて、
国の王位に就こうと策謀するならば、
その人は破滅します」
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第六節-百十四番]
釈尊は最後におっしゃいました。
「以上のような人々が、
コノ世で破滅する人の
特徴であることを理解したならば、
賢明な人は、叡智を直感で理解し、
コノ世でも幸福に暮らすことができます」
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第六節-百十五番]
いよいよ、釈尊と発光する精霊との
問答の最終項です。
第一章第六節において述べられた、
破滅する人間のすべての
パターンを事前に理解しておけば、
コノ世では「そうならないように」
避けることが可能になる。
そして、その人は幸福に暮らせますよ、
というお話でした。
ここで登場した
「発光する精霊」とは、
この地域に昔にいた「過去の仏陀」
の一人だと思ってよいです。
仏陀とは、釈尊一人ではないのです。
仏陀とは完全に悟った人
という意味であり、
仏典には釈尊が生まれる前の
時代から数多くの仏陀が
誕生したことが明記されています。
精霊へと進化した過去の仏陀は、
これから完全な仏陀になろうと
している釈尊の知恵を
試したと言えそうです。
釈尊が最後に述べた
破滅する人間のパターンは、
*過去の栄光に囚われて、
今の状態へのコンプレックスから
欲望に駆られる者は破滅する。
ということでした。
これは今の社会でも多々見られます。
昔は社長をしていた人間が、
他人に頭を下げることができずに、
大きな話ばかり自慢して無職のまま。
幸福な結婚をしていた女性が
不倫をして家庭を失くし、
今度こそはと金持ちとの
再婚を狙い続けて、
変な男に引っかかる。
第一志望には落ちたが
良い大学に入学した。
しかしプライドが満足せずに
退学してしまい、
さらなる高みを目指して
浪人のまま。
人間は、「郷に入れば郷に従え」
(その場所にったならば、
その場に従うこと)が大切です。
*それでも、現状へ感謝する心。
*欲望に駆られて、
現状を捨てるのは良くないこと。
このようなことが、
誰にも言えそうです。
では、今よりも高みを目指すのは、
悪いことなのでしょうか?
これは、問題はないのです。
今よりも高みを目指して
成功する人になるには、
*現状を非難して
捨て去る形では、離れないこと。
不義理をして、
成功する人はいません。
*自分の欲望に駆られて、
無理な策謀をしてでも
高みを目指すことはしない。
*現状にも感謝しながら、
より高みを目指す人であること。
このようなことが言えそうです。
この第一章第六節を
通して言えますことは、
*破滅するパターンを
先に知っておくことは、
人生に有効である。
パターンを先に想定することを、
釈尊も示唆していたと言えます。
皆様の参考にしていただければ幸いです。
「柔訳 釈尊の教え 第二巻」
・・・・・・・・・・・・・・・
お客様の声
君津本店
★成人式の前にスーツをお預かり、
また、成人式が終わったのでと持っ
てこられました。成人式は楽しかっ
た?と聞くと、「ハイ、楽しかった
です。」と、180㎝以上ある大き
な男の子でしたが、とても明るく素
直な感じが、とても気持ち良かった
です。