他人の悪いところばかりを見てはいけません。
他人がおこなったことと、
しなかったことばかりを見てはいけません。
自分自身がおこなったことと、
できなかったことだけを見るようにしましょう。
「原始仏典『ダンマパダ』 第四章-五十番」
人間とは、自分自身のこと以上に他人ばかりを見て、
喜怒哀楽をしているサガがあります。
さらに言いますと、この世の喜怒哀楽には必ず
そこには他人がいるということです。
もし、これを反転させることができて、
他人に左右されずに自分だけを見つめることができ
ますと、いわゆる聖者になれる可能性があります。
二千五百年も前に存在した釈尊ご自身も、
自灯明つまり、「自らを灯明とし、自分の心の火だけ
を頼りに自分が歩く先を照らしなさい」と発言して
いたそうです。
本当に他人を見ずに、自分の心だけを静観できますと、
心が真から平安になることが可能なのです。他人を
観察している限りは、自分の心が安定することはあり
ません。
他人を見ないとは、決して自己中心的になれという
ことではありません。そこは中道(バランス)の視点を
自分が持ち、自分の良心から判断して自分自身を見つ
めるのです。
今日も自分自身の良心の視点から自分自身を見つめも
そして楽しんでいきましょう。
柔訳「釈尊の言葉」第一巻
著:谷川太一
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