社会の中では、最も柔軟な姿勢でいる者が、
組織に縛られた人間を蹴散らすことができます。
まるで水のように、
どんな環境にも順応して入ることが可能な人間だからです。
私はこのことから、
「自然な流れ」に抵抗せずに
従うことが最もお得であることを知っています。
このような言葉に表すことができない生活の知恵と、
自然な流れに従うことの有益さには、
天下社会の中でこれに匹敵するものはないと言えます。
いつの時代でも人間は悩むものです。
そういう時に老子は、
「先入観のない柔軟な姿勢でいなさい」
「自然な流れに従いなさい」
これが最善であり、
自分の運命にとっても
お得(徳)な選択になると言っています。
選択に悩んでいる間は、
「まだ動くべきではない」
「まだ現状で努力するべきことがある」
「その選択は間違いだ」ということを、
自分に内在する本心(仏性)が教えているのです。
冷静に考えましても、
選択を「悩む」時点で変なのです。
本当に「動くべき」時には、
その人間は悩みません。
自分の本心が納得していますので、
それが悪い選択であっても良いと思えるのです。
自分ができる努力をしながら
「素直」な心で暮らしていますと、
自分の本心(仏性)や先祖が誘導しやすいのです。
自分のための我欲が強い人間ほど、
自分の良心(本心)の思いに
従うことができませんので、
良い誘導を先祖がしたくても
「本人が受け取ることができない」と、
私は感じます。
他人の誘導ではなく、
自分の本心に従う人生が
最も人間には大切だと感じます。
なぜならば、「自分自身を納得させることが人生」
だと感じるからです。
そのためには、「素直さ」と「生活努力」が大切なようです。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著:谷川 太一より抜粋転載
・・・・・・・・・・・・・・