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「生かされていることがありがたい」3/8(金)

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釈迦族の歴代の聖者たちは、

煩悩(心身を乱す欲心)の消滅、

欲心から離れる生活により、

心の不死性を得ました。

コノ世に、これ以上に

価値のあるものはないのです。

この真理の御宝は、

いつの時代にも存在しています。

だから、私のこの真実の言葉によって、

誰もが幸せになって欲しい。

[原始仏典『スッタニパータ』

    第二章第一節-二百二十五番]

 

誰もが、「今度こそ幸せになりたい!」

と思って、コノ世に生まれています。

でも、生まれてみれば、

その幸せとはお金であったり、

容姿であったり、地位であったり、

何かモノを持つことだと

勘違いをしてしまいます。

 

本当は、心が幸せになることが、

生まれる前の目的だったのです。

どうして、この大切な目的を忘れ、

本当の目的とは違うモノを持つことを、

幸せと人は勘違いをするのでしょうか?

その理由は、みんなが欲しがるから、

自分も欲しくなっただけ。

たったこれだけで、モノを持つことが

幸福だと勘違いをしてしまっています。

 

これの正しさを見ることは簡単です。

幼児の前で、可愛らしい人形と普通のボールを並べます。

大人がボールを取って、

大切そうに嬉しそうにボールを胸に抱きます。

すると幼児は、人形は放置したまま、

大人が胸に抱くボールを欲しがります。

 

ここに、人間のサガが出ています。

・他人が持つモノが、良さそうに見えてしまう。

・自分がすでに持つモノには、関心が薄れる。

・大人になっても、伴侶以外の異性に目が⋯⋯

(やめておきます〜)。

 

これは、有名人の好感度の調査にも言えることです。

・みんなが好きな有名人は、さらに私も好き、

私も、と好感度が上がって行く。

・でも、何かで問題が報じられますと、

私も嫌い、私も、に変わって行く。

・誰もが見ていたのは、

対象の有名人の良さではなくて、

自分の周囲の人の好みの反応だった可能性。

 

「いや、そんなことはない。

他人が嫌っても、私はアノ人が好きだ」

と言う人もいますが、その内心では変わり者だと、

自分が言われる心配もするものです。

 

誰もが欲しがる土地は、褒める場所は、

さらに欲しくなって値段も上がる。

多くの人が嫌がる場所は、

せっかくの良い場所があっても、

避けるのが人のサガです。

 

本当の土地の価値ではなくて、

風評で左右される価値観が、

コノ世のすべてに貫徹しています。

 

釈尊は、「それは違うんだ」と指摘しています。

このような幻想の価値観ではなくて、

*煩悩(心身を乱す欲心)の消滅。

*欲心から離れる生活。

*心の不死性を心から自覚すること。

これが、生きている間しか得られない、

もっとも価値が高いことだと断言しています。

 

誰もが欲しがるモノを、

それを持つことが幸せだと勘違いをしていないでしょうか?

良い自動車に乗りたがるのも、

他人からの視線で決めていないでしょうか?

すでに自分が持つモノを、嫌っていないでしょうか?

 

すでに在る、自分の生活に感謝ができることが、

釈尊が指摘する本当の幸せに気づく第一歩です。

今の自分が持つ容姿、生活、家族や縁者たち、

これらが好きであることは、

かけがえのない大切で幸福なことです。

 

もし、自分のすべてが嫌いならば、

それでも有り難い点が、

生きている限り誰にもあるのです。

これに一つずつ気づいていくことが、

正道となります。

失くしてから気づくことは、不幸です。

 

釈尊の、「この真実の言葉によって、

誰もが幸せになって欲しい」。

この熱い思いを読み取って、

自分の生活を見ていくことが

参考になれば幸いです。

 

「柔訳 釈尊の教え 第三巻」

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