コノ世の様々な分野における
自分自身の欲望を
冷静に見ることができて、
それを求めて行き着く先を
事前に深く理解することによって、
そのような欲望に
執着することが消えた者は、
冷静な聖者である。
このような聖者は、
何が何でもという欲が
消え去っている。
こうなれた聖者は、
輪廻から卒業する
彼岸(ゴール)が目前です。
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第十二節-二百十番]
自分の欲望を、
このまま突き通していけば
どうなるものか?
これを他人に言われなくても、
自分自身で事前に冷静に
考えることができる人は、
はたしてどれだけいるのでしょうか?
もし、これを冷静に
判断することができる人ならば、
・暴力事件を起こさない
(その後の裁判と賠償までを想像して)。
・不倫をして破局する
経験をしなくても済む。
不倫をする前にやめることができる。
・上司と喧嘩をして、
無職になることを防止する。
などなど、様々嫌な経験や
ムダな時間を自分が
体験せずに過ごすことができます。
それを求めて行き着く先を、
事前に深く理解することによって、
「このまま進めば、どうなるのか?」
これを経験する前に
冷静に判断することは、
動物にはできないのです。
動物は、行き当たりばったりに
対応します。
事前に判断することができるのは、
人間だけが持つ能力です。
でも、すべての人間が、この能力を
使っているわけではないという指摘です。
自分の自我(我良し)の欲望に対して、
「何が何でも」という
執着が消え去った者が、
冷静な聖者です。
こういう聖者は、
輪廻からの卒業が近いという内容です。
でも、このように書きますと、
・人生には、「何が何でも」
という経験も必要ではないか?
・自分の欲望への挑戦がない、
失敗する経験がない人生は
つまらないのでは?
・それが真理ならば、高校野球で
がんばる生徒たちは何なのか?
という意見もあることでしょう。
答えは、「それらも0K」
ということなのです。
ここでの、問いかけは、
・では、その経験を
千回繰り返しても、
それで良いのですか?
・そして、似たような人生を
何回も生まれ変わって、
永遠に輪廻を繰り返す。
という指摘なのです。
あなたは、一万回も
同じようなパターンを
繰り返しても0Kなのでしょうか?
いや、もうそろそろ、
冷静になりたい。
このように個人によって、
分かれていくのです。
生まれた時点で、
個人によって心境の段階が、
過去生の生き方により違います。
さらに、今回の人生での
経験によって、
心境は変わって行きます。
今生の自分は、まだまだ
「何が何でも欲しい」段階か?
もうそろそろ、
パターン(輪廻)を卒業したいのか?
さあ、どちらなのでしょうか?
どちらも、謙虚に、
一生懸命に生きるならば、
それで良いし美しい人生です。
ただ、自分次第なのです。
できれば、事前に想像して、
ムダな時間を
浪費しないようにしたいものです。
「柔訳 釈尊の教え 第三巻」
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