他者と社会的な関係を持って、
親しみ慣れることから、
次にそれを「失う」という
恐怖や執着が生まれます。
また、一箇所に長く住み慣れることにより、
その場所に執着するという因果が生じます。
従って、沈黙の聖者である
釈尊が到達した悟りは、
一箇所に長く住まないで、
その場所に執着を起こさない
生活を心がけた。
他者との間に「慣れる」という
関係を持たなかった。
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第十二節-二百七番]
この第一章十二節は、
後世の弟子たちが、
釈尊のことを「沈黙の聖者」と呼んで、
釈尊という聖者の御姿と
その真理について記述されています。
釈尊という御方は、
*一箇所に長く住んで、
その場所に慣れて
執着を起こすような生活をされなかった。
*特定の相手との間に、
慣れた態度を見せて、
その相手が特別であるという
錯覚をさせなかった。
*釈尊は、新しく共同生活に
加わった人にも、十年も一緒にいる人にも、
まったく同じ態度で接し、
決して慣れた態度を見せなかった。
このような釈尊の態度の姿が、
この節に示唆されています。
これは現代の経営者にも大切な態度です。
例えば社長が、
特定の社員の名前だけを
「〇〇ちゃん」という感じで呼び、
親しい関係を示すような
態度をしていますと、他の社員は
「あの社員は社長に近い人なんだな」
という特別視をするものです。
もしも、その社員が仕事にも
態度にも問題がある人ならば、
先輩社員も同僚も
「こんな会社はアホらしい」
「ヤル気が失せる」と思うものです。
また、住む場所につきましても、
慣れた場所・長く住んだ家には、
知らないうちに
自分の執着が生じているものです。
そうしますと、
コノ世の法則として、
「執着する=因果が生じる=
来生にも影響する=
転生(生まれ変わり)する因果」
にも成り得ます。
特に日本人は、
住む場所と家を変えることを、
苦手とするかも知れません。
一つの場所や家を
愛することは良いのですが、
それに執着まで起こしますと、
⚫︎仕事にも影響して、
転勤が嫌で慣れた会社を退職して、
リスクのある転職を
選ぶ人もいるかも知れません。
⚫︎これで、生活費も含めて、
家族の運命も変わるかも知れません。
⚫︎境界線を巡り隣人と争ったり、
親族間で土地の相続に揉めたりしやすい。
⚫︎因果・因縁を創りやすい。
⚫︎来生に影響する。
以上のような「パターン」(=因果)が、
人間関係にも、住む場所にもあります。
慣れ親しみ過ぎることで、
執着することで、人間は悪い方向に
行く要素があることを知っておきましょう。
でも、「別に慣れることはいいじゃないか」
と人は思うかも知れません。
これに対する答えが、
冒頭に明記されています。
*親しみ慣れることから、
次にそれを「失う」という
恐怖や執着が生まれます。
人間は、「慣れ」の次に、
それを「失うこと」に
苦しむことになる生き物なのです。
友人関係なども、
慣れて親しくなったのは良いですが、
もし喧嘩をすれば、
遺恨に変わりやすい
可能性もあるわけです。
無理に人間関係を親しくしても、
それに慣れるほどに人間は、
⚫︎もし喧嘩をした場合、
遺恨を生みやすい。
⚫︎慣れの次には、様々な恐れ、
別離、心配を生むのがコノ世。
さらには、以上の話のすべては、
⚫︎私たちは、必ず死ぬ存在
であるという事実。
⚫︎それなのに、「慣れ」を
求めてしまうサガがあります。
⚫︎どんなにコノ世で慣れたところで、
いつかは離れなければいけないわけです。
この視点から、この項を再読しますと、
観えてくるものがあることでしょう。
「柔訳 釈尊の教え 第三巻」
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お客様の声
君津本店
●「プレスのみおねがいします。」
とズボンをお持ちいただいた方が、
とても喜んでいただきました。
伊勢丹新宿店メンズ館
●Tシャツと白いドレスシャツの仕
上がりに、「いつも白い物をきれい
にしてくれてありがとう。」と笑顔
でおっしゃっていただきました。
(50代 男性)
阪急メンズ東京
●本日、Y-3とコムデギャルソンの
ジャケット2点を承った横森様がご
来店され、再仕上を行った2点の仕
上がりを確認され、「こちらに出し
てよかったです。」と仰って帰られ
ました。
●ドレスシャツをクリーニングに出
したいというお客様がご来店されま
した。