美しく発光する精霊は
さらにたずねます。
「確かにその通りです。
それは第七番目の破滅に
向かう人々の特徴です。
では釈尊、どうか第八番目の
破滅に向かう人々の
特徴も教えてください」
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第六節-百五番]
釈尊は答えました。
「酒を飲む、バクチを打つ、
異性を買い貢ぐ。
こういうことに溺れる者は、
自ら破滅に向かう人です。
こういう人は、
得た収入のすべてを失くしていく、
自分が得る物が身に付かない、
ということになります。
このような人が、
第八番目の破滅に
向かう人々の特徴です」
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第六節-百六番」
日本語にも、「飲む打つ買うの三拍子」
というダメな男性を
表現する言葉が昔からあります。
古代インドでも同じ言葉を、
二千五百年も前の釈尊が
すでに話されていたわけです。
いつの時代でも男性のサガ(性)は、
「飲む打つ買う」に
溺れる傾向があるようです。
日本語には、
「悪銭身に付かず」という
言葉もあります。
悪事やバクチで得た金銭は、
残らずに失くしてしまうもの
だという意味です。
この項での釈尊の言葉には、
*「飲む打つ買う」のような
怠惰な生活をする者は、
収入のすべてを失くしていく。
さらには、
*怠惰な生活をする者は、
男女に関わらず得たモノ
(金銭・人・仕事・幸運⋯⋯)が
身に付かないことに必ずなる。
こういう示唆を感じます。
自分が得たモノが
身に付かない・残らない、
こういう傾向を感じる人は、
そのモノ(金銭・人・仕事・
結婚・幸運⋯⋯)を
何とかしようとする前に、
普段の自分の生活に
問題がある可能性、
こういう視点も参考にしてください。
これを病気の例で言いますと、
・皮膚に問題がある時、
皮膚への直接の治療ばかりでは
なかなか改善しなかった。
・しかし、食事を変えた時、
皮膚も改善した。
・一見は皮膚と関係がないと
思われた「食習慣」にこそ、
原因があった。
だから貯金ができない人は、
お金に関する試行錯誤や、
家計簿を熱心に付けるよりも、
「普段の自分の生活習慣」を
見直すことから始めることが大切です。
以上の話からわかります真理は、
*自分の生活習慣が、
すべての運命を形成させていく。
ということです。
では、どんな習慣が
良いのでしょうか?
*規則正しい生活。
バランスの良い食事。
適度な運動。
*掃除の習慣。
*さらには、先祖へ感謝する習慣。
神仏に感謝していく習慣。
このような習慣が、
まったく関係がないと
見える金運・結婚・健康・
他人との良い縁などに関する
運命を常に形成させているのが
真実だと私は感じています。
今からでも遅くはありません。
生きる間は、
自分なりの正しい生活習慣を
意識してみましょう。
生活習慣こそが、
自分の因果の増減を
左右するということなのです。
「柔訳 釈尊の教え 第ニ巻」
・・・・・・・・・・・・・