あちらこちらへと、
色々なことに執着するワレヨシな欲望の激流を
涸らせることができた人。
そういう人は、
コノ世とアノ世を往復する輪廻を終わらせます。
それはまるで蛇が
古い皮をスルッと脱ぎ去るようにできます。
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第一節-三番]
自分だけの欲望を叶えることに執着すること。
ワレヨシな願望だけを考える人。
人間が持つこのような思いを、
釈尊は「激流」とこの項で例えています。
人間のワレヨシな欲望とは、
ただの水流ではなくて、
激流と表現するほど途方もないパワーを持ち、
抑えがたいサガ(性)であることを意味しています。
このような激しい思いのパワーを、
正しい方向に、内容に、
もし変えることができた人は、
輪廻(生まれ変わり)をも終わらせることになる、
と示されています。
社会には、これに近い悪人正機の
実例が多々あります。
例えば、
*暴れまくる中学生の
どうしようもない不良たちばかりを集めて、
体育教師がラグビー部を作った。
すったもんだや、刃傷沙汰も経ながら、
そのラグビー部は大会で優勝した。
そしてその時、
生徒たちは真面目な学生に変わっていた。
*激しい反抗期から
十代であらゆる悪事を経験した女性が、
若いうちに結婚して
子ども中心の良い母親に変わった。
*悪事を働いた人間が真から改心して、
社会貢献に余生を捧げた。
激流のような激しい大きな
ワレヨシのサガを持つ人は、
それをトコトン正しい方向に向けて
枯らすことができたならば、
完全なる解放(悟り、輪廻の終焉、永遠の平安)に
心が安住することも可能だということです。
死後の自分の魂を救うことになります。
仏教の思想には、
「大欲を持て」という考えがあります。
*自分だけの欲を考えるような、
そんな小さな欲で、
おまえは本当に満足するのか?
*多くの人々の欲を叶えるほどの、
巨大な欲を持て。
ということです。
ワレヨシの欲望などは、
スケールが小さすぎてツマランということです。
人は必ず死ぬという運命を思えば、
コノ世で悩むことも
アホらしいことに気づかねばなりません。
これに真から気づければ、
コノ世には感謝することしかない
真理がわかります。
自分が持つ激流のサガ(悩み)があれば、
それだけを何とかしたいと思うから
苦しみます。
*もっと大きな視点
*大欲の視点
*自分は必ず死ぬ定めであることを
思い出すこと
大きな視点、全体の視点を持って
生きだせば、自分が悩む内容が
必ず変わっていきます。
自分の執着を切断していきます。
そして運命が変わるのです。
大きな悩むパワーがあれば、
逆にそのパワーをうまく使えば
大きな変化を起こすことが可能です。
苦しい人ほど、悩む人ほど、
生きてさえいればまだまだ大丈夫なのです。
自分の活かし方がわかっていないだけなのです。
今日も、自分の「激流」を静観しましょう。
これを良い源泉に変えることが可能なのです。
そして、この激流が輪廻をも終わらせるほどの
パワーを持つことを知っておきましょう。
「柔訳 釈尊の教え 第一巻」
著:伊勢白山道より抜粋
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クリーニングのお勉強
●別珍のジャケットですが、袖口や肘回り、
襟回りの毛が抜けているように感じます。
着ているうちに薄くなったように感じていましたが、
クリーニングから戻ってきたら
さらにひどくなったように感じるのですが。
別珍は、綿のビロードのことです。
コーデュロイも一緒で摩擦によって
毛が擦り減り、基布が見えてきたりします。
とくにクリーニングをした後に
表れることもありますが、
着用時の摩擦には十分気をつけてください。
別珍やコーデュロイなどフロック加工したものは
その風合の面白さに特長がありますが、
着用を重ねるほどに毛が擦り減っていく
性質のものだということを
認識しなければいけません。
「Q&A クリーニングクレーム120」
著:澤 浩平 より抜粋
※別珍やベロアはパイル生地といっ
て、生地の表面に下地から繊維を織
り出した織物です。
構造上、摩擦による物理的な作用で
パイル(毛羽)が消失することはよ
くあります。また、着用摩擦により
肘、膝、臀部などはパイル(毛羽)
が潰れて光ってきてしまいますし、
たたんで置いておくと、折れ目の部
分のパイルが寝たままになって戻ら
なくなります。
このように非常にデリケートな素材
ですので折り目や摩擦、水ジミなど
パイルに影響を与える作用を避ける
ことが必要です。
(東京都クリーニング生活衛生同業
組合の資料より転載)
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