人間が、色々な色情を
根こそぎなくしてしまうということ。
これはつまり、水面に出た蓮の花を、
それがつながる水中の茎から深く摘み取ったならば、
その人は、コノ世とアノ世を
往復する輪廻を摘み取ります。
転生が終わります。
それはまるで蛇が古い皮を
スルッと脱ぎ去るようにできます。
[原始仏典『スッタニパータ』
第一章第一節-二番]
私たちがサガ・色情・恋愛で苦しんだ場合、
それを止めようとか、何とかしようとするのは、
その行為の表面を自制するに過ぎません。
サガの表面を自制するだけでは、
また色々な時に、
色々な形で自分のサガが芽を出すものです。
誰もが生きる限り、
色々な形でこれを繰り返しています。
問題は、その繰り返す自分のサガのために、
相手から恨まれたり、
不倫ならば相手の家族からの怨念を受けたり、
または自分の家族を悲しませたりすることで、
*自分が再び転生して、
*一から生まれ直して、
それを償う「別の」人生を
体験する因果の芽が生じてしまいます。
つまり、相手が必ず存在する色情のトラブルとは、
輪廻転生を生じさせる大きな要因の
一つなのです。
他人に苦しい思いをさせる
「嫌な」「変な」サガを持つ限り、
その人の転生は継続することになります。
相手が体験した苦しい思いを、
次は自分が体験する人生のパターンを
生じさせます。
誰もが、「ヤッたらヤリ返す」
「ヤラれれば、ヤリ返す」という転生を
繰り返しているものです。
だから今生で、もし自分が被害者になっても、
*それでも、あなたを許します。
*それでも、私は恨みません。
そして、
*あっ!ここで自分が恨まないことで、
この被害者と加害者という繰り返すパターンを
卒業できるかも知れない。
もう、たくさんだ!
と思えたならば、
その被害の件については
嫌な因果を残さないかも知れません。
それが犯罪ならば、
淡々と法律に沿って対応すればよいだけです。
しかし、前記のことはすべて、
表面のサガへの対応に過ぎないのです。
釈尊はこの項でさらに、
*芽を出すサガの表面(花)だけを摘み取ってもダメだ。
*その花が付く、茎の深部から、
根っこから、花を摘み取りなさい。
*それができた人は、
コノ世とアノ世を繰り返す転生を
終えることができる。
とおっしゃっています。
これが難しいわけです。
では、どうすればよいのでしょうか?
*他人を恨まない、他人に恨まれない
サガの行動を意識すること。
*でも生きていれば、
他人に恨まれることは
避けられないこともあります。
それを上回る善行を、
別の形でも良いからおこなう意識を持つこと。
*すべての現象の表面だけを見て
判断せずに、その奥にある問題を
見る視点を持ち、
その根本から変える視点を持つこと。
以上のようなことが、
この項の示唆として浮かびます。
「表面の花だけを取らずに、
その深部から取らないと、
花を摘んだとは言えない」とは、
深いものを感じさせます。
釈尊の教えとは、コノ世とアノ世を
いかに「明るく」卒業するかに、
すべての目的が集約されています。
「柔訳 釈尊の教え 第一巻」
著:伊勢白山道より転載
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クリーニングのお勉強
●シルクのシフォンベルベットのワンピースですが、
ヒップ回りが擦れたように、
ペタンと押さえられ、色が変わってしまいました。
高価なワンピースでしたのにショックです。
クリーニングに出しても大丈夫でしょうか?
この変色だけでも直すことはできませんか?
華麗な装いと美しいシルエットを演出してくれる
シフォンベルベットですが、
それだけに着用には注意が必要です。
シフォンベルベットは、摩擦に弱い素材ですから、
椅子に腰掛けるときは十分に
注意を払う必要があります。
パーティーなどで着用するときは、
会場で着替え、できるだけ座らないように気をつけることです。
それだけデリケートな素材だということです。
身体圧や体熱が加わってシルクの毛先が抜けてしまいますと、
回復はできません。
とくに湿気の高い場所では毛が寝やすいですから
気をつけてください。
また、変色したということですが、
これは変色ではなく、
恐らく寝てしまった毛先が光線の乱反射によって光り、
変色したように見えたのでしょう。
これは直すことは不可能です。
「Q&A クリーニングクレーム120」
著:澤 浩平 より抜粋