仮に金貨の雨を降らせたとしても、
人の欲望が満足することは決してないのです。
また、どんな快楽の刺激も一瞬で終わり、
それは続かずに逆に苦痛に変わります。
賢い人とは、物事の初めから
このことを知っている人のことです。
[原始仏典『ダンマパダ』 第十四章-百八十六番]
私たちは、結婚すれば幸福だ、
社長になれれば好きなことができて幸せだ、
志望校に合格できれば幸運だ、
などなどと思いがちです。
ところが、それらが叶ったとしましても、
次は違う悩みに必ず翻弄されています。
要するに、自分の悩みの「テーマ」が変わるだけであり、
いつまで経っても安心感や幸福感はどこにもないのです。
つまりは、今の自分がどんな環境でありましても、
今のその状態の中でも幸福感や満足感を
もし持てなければ、そこを抜け出しても同じことなのです。
いや、あの裕福そうな他人を見れば
そんなことはない、と思うかも知れませんが、
その人なりの悩みのテーマを
必ずどの人も抱えているのです。
それは健康のことかも知れないし、
家族の問題かも知れません。
それは、その人にとっては
心をすり減らす真剣な悩みなのです。
「隣の芝生は青い」という、
他人が良く見える幻想に惑わされてはいけません。
来月になれば感謝する、
ではなくて今この瞬間に
感謝ができる心境でなければ、
来月もできないのです。
もしこうなれれば幸福だ、
幸せだという「条件」があるかぎり何事もダメです。
自分の現状の中で、
愛情と感謝を持てる人になりましょう。
これが答えです。
もしこのようになれれば、
必ず安心感と幸福感のほうから
自分のところに訪れて来ます。
「どんな快楽の刺激も一瞬で終わり、
それは続かずに逆に苦痛に変わります」
刺激が大きければ大きいほど、
それを維持することは困難です。
もしそれが切れた時に、それを失くした時に、
大きな反射の苦痛に襲われます。
どんな刺激も、総計では
プラスマイナスのバランスが
計られるのがコノ世の法則なのです。
この法則は、人間関係・仕事・恋愛・金銭・薬物⋯⋯、
コノ世のすべての物事に貫徹しています。
ここで釈尊は、何かを始める場合でも、
以上のような「冷静な視点」を自分が持っていれば、
物事に無理な深追いをせずに、むだな執着をせずに、
最善の道を自分が歩むことが可能だと示唆されています。
自分の目にフタがされずに、
冷静な最善の選択をすることが可能になるのです。
釈尊は、このような人を
真に賢い人物だとおっしゃっています。
今日も、今の生活の中で最善を尽くし、
その中で満足できる自分を目指しましょう。
これを繰り返す継続は、
気が付けばほんとうの幸福を自分にもたらしています。
自分の望みを実現させています。
「柔訳 釈尊の言葉 第二巻」
著:谷川 太一
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お客様の声
君津本店
★「以前TVを見て」と、30年前の振袖を高知県
からお持ちくださいました。娘が千葉に住んでい
るので・・との事。再来年の成人式に孫に着さ
せたいとおっしゃっていました。
伊勢丹新宿メンズ館店
●40代・女性
デザイン性のあるスカートに散ったシミが取れて
いたので「きれいになってる!!」と、とてもお
喜びいただきました。
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クリーニングのお勉強
●アンティークの留袖をリフォームした
フォーマルドレスです。
数回、着用してクリーニングに出し、
戻ってきたら、金彩の部分がはげ、
金糸の刺繍部分も金色がはがれて、
さらに金粉が周囲に散らばってしまっています。
せっかくのドレスが台無しなので、
クリーニング店に苦情を言うと、
古い着物なのでしかたないと言われました。
金糸、銀糸で加工したものについては、
当然、経時劣化における寿命があることを
わきまえてリフォームしましょう。
リフォーム店やクリーニング店にも、
お客さまのほうからアンティークのきものだから
取り扱いには注意してほしいと、
提示することも必要です。
クリーニング店もそんな場合、
お客さまの要望によっては、
金糸、金彩のところだけ
ダメージを受けないよう、
ウレタンのクッション入れ、
カバーを縫い付けて傷まないようガードして行うのです。
留袖をリフォームして仕立てる前に、
金糸、銀糸、金彩、その他のものであっても、
こうしたアンティークの衣類の加工は、
経時劣化によるものだという
認識をもつことが大事ですね。
「Q&A クリーニングクレーム120」
著:澤 浩平 より抜粋
※基本的にクリーニング店では、ド
ライクリーニングの機械で洗うとい
う考えが強いため、金糸や金彩など
のダメージは避けられないところで
す。本当にその商品にあったケアを
行うには、手洗いをしたり、部分的
なケアを繰り返すなど工夫が必要に
なります。そういったケアを行える
お店を選びましょう。
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