人間は、過剰な欲望が多いことほど
罪深いことはありません。
人間は、現状に満足することを
知らないことほどの災いはありません。
人間は、何でも手に入れようと思うことほど、
あとで非難を受けることはありません。
だから、人間は「足るを知る」
ということを思い知ることで、
本当に常に満足するようになれます。
「足るを知る」=自分の身のほどを判断して、
むやみに不満を持たない。
何事にも、ほどほどを知る。
現状に感謝をする。
このように聞きますと、
これでは人間は成長できない、
何事も大きくはなれない、
と思われる人が多いでしょう。
しかし、社会で大きな成功をして
「継続している」企業の
創業時の様子を調べますと、
「大きくなろう。大きくなりたい」という思いよりも、
目の前の仕事をただ懸命にする。
それで起こる自然な「流れ」に素直に従う。
という経営者が多いと感じます。
社会では、「成功する」という
思いばかりが先走りますが、
成功はゴールではありません。
成功を「継続」させることが
できるか否かが問題なのです。
その場合、「足るを知る」という
言葉が生きてきます。
自分の現状に感謝ができれば、
それを「大切にする」ことができます。
大切にすることができますと、
その中でももっと頑張ることができるのです。
もし、足るを知らなければ、
現状が不満になります。
その嫌な現状で「努力ができずに」
捨てていきます。
今の自分の現状を捨てて、
遠い先や他人ばかりを見ていますと、
「その嫌な現状でさえも」失くしてしまっています。
今の環境を大切にすれば、
必ず成長が始まります。
気が付けば、
色んなモノが与えられていることが
わかることでしょう。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著:谷川 太一より抜粋転載
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