自分の心の原点(良心)に絶えず戻ることが、
道(真理)を知る人間がとる動きなのです。
つまり、反省することができる人間は、
よく前進することになります。
また、自分自身も含めた弱点を知る人間こそが、
物事を達成することが可能になります。
ところで、コノ世の万物は、
「形あるモノ」から生まれます。
そして、「形あるモノ」は、
形のない「無限」から生まれます。
ここで老子は、
コノ世で成功するための必須条件を教えながら、
その成功でさえも
大したことではないとしています。
私は、自分の先祖や縁者に感謝をして、
自分の良心に沿って生きることが
真理(最高の道)だと思っています。
人間は、「一つなる」神から生まれたならば、
先祖たちを遡った先は必ず生み出した
本当の神に至ることを忘れてはいけないと感じます。
要は、自分の外に神を探すよりも
先祖たちの先に根源的な神を見るほうが、
万物を生み出した形ある神の実体に
確実につながると思うのです。
そして、神の形(遺伝子でもある)への感謝ができれば、
その形さえも消え去り
「無限」というものを自分の中にも
感じることになるでしょう。
これは理論や理屈での理解ではなくて、
自分の感謝する行為が
体験を通じて説明してくれます。
あれやこれやと見えない神を
自己解釈する前に、
自分自身や先祖が実在するという
「事実」からたどりましょう。
そうすれば道を誤ることなしに、
正しく確実に神にも無限にも
「気づく」ことが人間はできると思います。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著:谷川 太一より抜粋転載
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