大いなる真理(道)を胸に抱きながら
社会を歩いていきますと、
どこに行こうとも害に遭うことがなく、
心は平安にして大安心です。
美しい音楽と美味しそうな食事には、
旅人も足を止めます。
しかし、道行く人に真理の言葉を呼びかけましても、
つまらなくて味気ないので誰も足を止めません。
このように真理とは、
見ようとしても見えず、
聞こうとしても聞くことができないものです。
しかし、真理を心に抱いて生活すれば、
無限の働きをしてくれます。
人間にとって本当に一番大切なモノ(真理)は、
わからない・見えないモノであり、
多くの人間がそれを素通りしているのです。
老子は、真理を「道」という一言で表現されています。
では、道とは何なのでしょうか?
それは、人の人生そのものではないでしょうか。
そして、人それぞれに応じた道(真理)が存在するのです。
だから老子も、「これが真理だ」とは決して断言されません。
真理(道)とは、他の何かや他の誰かに存在するモノではなくて、
自分「だけ」の心の中に存在するのです。
だから、どこに行っても一心同体なのです。
そして、私が考える自分の心を安心させる最善は、
①自分の心中に居られる大いなる存在
(良心・内在神)へ、生かされていることを感謝すること。
②今生の肉体を借りた先祖と、
縁ある家系に日々感謝すること。
なのです。
みなさまなりの尊い「道」が存在することでしょう。
とにかく一番に大切なことは、
自分の心中に「道」を求めることなのです。
他人や物に求めては、決していけません。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著:谷川 太一より抜粋転載
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