根源存在(大いなる真理)とは、
どこまでもすべてに行き渡って満ちており、
万物を自然に左右させています。
万物は、根源存在に頼み込んで
世に生まれるのでありますが、
根源存在はそのことを恩に着せることがありません。
根源存在は、無名のまま黙って陰で、
万物を上手に育ててくれます。
そして万物を育てても、
根源存在は支配者を名乗らずに隠れたままです。
根源存在は、常に無欲なのです。
だから、そのお働きは隠れているために
小さ過ぎて見えません。
しかし、万物を生み出して育てていても、
万物の主人であると名乗り出ないとは、
本当の大いなる存在だと言えるでしょう。
根源存在は最後の最後まで、
自分から大いなる存在だと名乗り出ることがありません。
だからこそ、本当に大いなる仕事を陰で成すことが可能になるのです。
世の中で有名になる人物の陰には、
その方よりも偉大な無名の功労者の
「お蔭」が存在するということ。
真に社会貢献された方々は、
無名のまま社会から消えていかれているのでしょう。
これが世の中かも知れません。
自分自身のことを宣伝するよりも、
貢献するという実践に重きを置くからです。
また、「神というモノは名乗り出た時点で、
それは神ではない」ということも言っています。
サニワ(霊的な判断)としても、
低級な存在ほど大きな神名を
自称するという事実があります。
ましてや、私が神の化身だ、救世主だ、
などと自称する者がいれば、
それは笑い者(物)にしか過ぎません。
社会の現実を離れて、悟りや目に見えないこと、
証明できない奇異で飯を食う人間が国民の一割にもなれば、
その国は破綻するでしょう。
それをおこなう人間が増えれば
国が滅びるような物事とは、
間違った魔界の行為である証拠なのです。
本当は、無名な一般人の方々が
懸命に生きる努力をしているお蔭で、
その国家が支えられているのです。
自分の身の回りでも、
感謝もされていない方々の存在に気づきましょう。
「柔訳 老子の言葉 写真集」
著：谷川 太一より抜粋転載
・・・・・・・・・・・・・・・