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「人は自分が信じたことと一体となれる」5/23(火)

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どんな強風も、朝まで継続することはありません。

どんな豪雨も、一日中は継続することがありません。

 

天地自然ですら、

同じ物事を長く継続させることができないのです。

ましてや、私たち人間が

同じことを継続できるはずがありません。

 

だから、真理に従って生活する人は、

真理と一体化することになります。

道徳に従う者は、道徳的な生活となります。

 

無礼な者は、無礼な生活に染まります。

真理に従う者は、真理のほりからも求められます。

道徳に従う者は、道徳のほりからも求められます。

 

無礼をする者は、無礼をすることを楽しむようになります。

つまり、人間は自分が信じない物事には、

向こう側からも自分が信用されません。

人は自分が信じたことと、一体化をします。

 

前半は、どんな物事も必ず変化していくから

安心しなさいということです。

 

そして、強制ではなくて、

自然な流れを大切にしなさいとも言っています。

後半は、要は、同類同士が引き合うということです。

 

これは人間同士に限らず、

読む本や信仰、遊び、食事⋯⋯、

何でも自分から求める物事は、

向こう側からも自分のことを求めているから

出会う縁が生じることを言っています。

 

前半と後半の二点を合わせますと、

老子は人間が作った規則や強制を

嫌ったという意味もあります。

 

この時の老子は公務員の中間管理職として、

職場で言いたいこともあったのでしょう。

「天地自然でさえも同じ風景が継続できないのに、

そんな厳しい規則を人間に言ったところで

馴染むわけがない。

 

それよりも、民衆から出る小さな声を大切にするべきだ。

どんなに強制しても、

人間は自分が信じる・受け入れられることしかしないものだ」

と、言っているようにも感じます。

 

ただ、何でも自然がよい、

自由がよいと言いましても、

それも自分の怠惰な気持ちに過ぎません。

 

だから、人間は自分の良心(道・先祖の心・内在神)に従って、

自分ができる努力をした上で、

それで生じる縁の流れを

自然と受け入れることが大切なのではないでしょうか。

 

「柔訳 老子の言葉 写真集」

著:谷川 太一より抜粋転載

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