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「すべてはただ預かっているだけなのです」4/13(木)

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「何かに執着するものは、

結局それを失うことになります」

と老子が言っています。

 

人間は欲しがれば欲しがるほどに、

逆に何かブレーキがかかるように

対象が逃げることが多いのです。

 

また、欲しがって執着して無理に自分の手に入れましても、

代わりに何か大切なモノを失うことになる。

さらには、

入手したとたんになぜかそれへの興味がなくなる、

などのパターンも見られます。

結局は、何かに執着する時点で、

自分の冷静さを欠いているのです。

人間が忘れてはいけないことは、

「コノ世では、人間は何も実際には持つことができない」

ということだと感じます。

 

ただ、何かを「預かる」ことが、

人間には許されていると思います。

 

伴侶を預かる、

自分の子どもを預かる、

土地を預かる、

仕事を預かる、

自動車を預かる、服を預かる⋯⋯、

自分の肉体も預かっている。

自分の持ち物ではなくて、

大いなる存在から預かっていると考えますと、

自分の視点や執着具合が変わります。

この「預かっている」という考え方は、

昔の古き良き日本人が保有していた感性だと思います。

預かっているのだから、

①愛情をかけて大切にする。
②それが離れることも、受け入れる。
③預かっているのだから、いつかは、誰か、大いなる存在にお返しをする。

このような愛情の上でのアッサリとした「覚悟」を感じます。

釈尊が一番言いたかったことも、

「執着するな」でした。

コノ世のすべての苦しみの原因は、

何かに執着することから「始まる」と言われました。

逆に言いますと、

人間は執着しなければ、

コノ世は天国にも成り得ます。

このことを老子も、

「自然な流れで生きること=無為自然」

と表現しています。

自分の生活の中で、

変に執着をしないように生きてみましょう。

ただ、執着しない=努力しない、

ではありませんよ。

 

本当に執着しなければ、

今よりも自然にもっと努力できるのが本当なのです。

執着しない=明るく思いっきり努力して生きる、

なのです。

 

まずは、

今の自分が何に執着しているのかを

観察してみましょう。

 

「柔訳 老子の言葉」

著:谷川 太一 より抜粋転載

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