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「なんとなくを一番大切に」4/1(土)

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老子は後世の評価で、

不老長寿・長生きの達人、

偉大な仙人として解釈されることがあります。

 

この章では、

他人に強制や強要することを嫌がる老子が、

修行のエッセンスをさりげなく披露しています。

ここで重要なことは、

老子が最初に大自然への信仰について

触れていることです。

これが最重要だということです。

 

それは個人崇拝などの小さな対象ではなくて、

①「人間は、コノ世に生まれたからには、

人間が生み出した、送り出した、コノ世を出現させた、

大いなる存在(母親)のことを常に思い、

感謝して、大切にすることが重要だ」

と老子が言っているように読み取れます。

このような思いを持つことが、

その人間を安全に・安心に守ると示唆しています。

 

考えてみましても、

私たちが存在していることほどの不可思議は、

コノ世にないのです。

私たちは、自分たちが存在して暮らしていることが

アタリマエであり、

そのことを不思議に思うことがありません。

そして、目先の細事に命を削るようにして苦悩しています。

しかし、どんなに科学が進歩しましても、

地球のミニチュアを一個でも再現することができていません。

そこで命が生まれて「循環」するというモデルを

人間は再現ができないのです。

大いなる母親のことを少しでも理解できれば、

真の自分自身のことも自動的に

知ることになるという真理が存在しています。

 

次に、人間にとって重要なことは、

②「五感の感覚にダマされるな。

五感の欲望に囚われるな」

と老子は示唆しています。

人間は五感に頼る限りは、

永遠に不安は収まらないということです。

なぜそう言えるかの根拠は、

人間は快楽の対象も内容も

コロコロと変わっていくからです。

そして、最後には飽きて枯れることもあるからです。

こんな不安定なモノを追い求める限り、

そこに幸福や安定がないのは明らかなのです。

そのために家族を捨てたり、

幼い命を殺したり、

何かを犠牲にするほどの価値も意味も存在しないのです。

 

自分が実際に見聞きする刺激よりも、

「ナントナク」という第六感を大切にしましょう。

そして、生かされていることに

感謝をすることが最重要なのです。

 

そして、

③「絶えず小さなことにも気づける配慮を持ちなさい」

他人にも、小さな思いやりと配慮を持つように。

④「心も身体も、絶えず柔軟な姿勢でいなさい。

それで臨みなさい」

⑤この四つを実践した上で起こる、

「自然な流れに従いましょう」

このように人間が生きる最善の道を、

老子が示唆してくれていると感じます。

みなさまの人生と生活の参考になれば幸いです。

 

「柔訳 老子の言葉」

著:谷川太一より抜粋転載

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