「上に立つ者には信が最も大切である」
この老子の言葉を読んで、
最初に浮かんだのは日本の天皇陛下の
ことでした。まさに老子が理想とする君主
に、日本の天皇陛下は近いのです。
しかし終戦後から「開かれた皇室」という
言葉が、皇室内外から出始めました。
老子の考え方では、開かれた皇室で本当に
良いのか?という考え方があってもよいの
ではないでしょうか。
今の日本の皇室は、「民衆が王様がした
仕事の内容を知っており、民衆から褒め
られる王様」、この段階かもしれません
ね。民衆からの視線を過剰に意識して、
皇室の本来の仕事である神事よりも、
政治家の代行業務が優先されてはいない
のでしょうか。
老子の視点には、二番目が政治における
ポピュリズム(真実より風評を優先する
愚行)への戒めも含んでいると感じます。
そして、最後には民衆に花を持たせる
形にするというたとえには、老子の視点
の奥深さに敬服します。
さらには、上に立つ者には、「信」=
信用・信頼・信仰・・・が最も重要だと
教えてくれています。やはり目に見えな
い幸運は、「信」から「来る」のです。
老子の言葉 其の十七
「柔訳 老子の言葉写真集 上巻」
著:谷川太一より転載
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