糸の製造(天然繊維)
天然繊維(綿、麻、シルク、羊毛など)は、原料として繊維状になっています。
長繊維のシルクは、蚕からの繭を煮て、セリシンを柔らかくして繭から引き出した繊維を一本にまとめ、生糸(きいと)を作ります。
短繊維の羊毛、綿、麻は、紡績により糸にします。紡績は、天然繊維を糸にする技術として発展し、羊毛、麻は梳毛紡績で、綿は綿紡績といい、いろいろな形状で次の工程に出荷されます。
糸の製造(合成繊維)
化学繊維は、チップやフレークなどの固形状の繊維素(セルロース)や高分子合成物(ポリマー)を溶かしたり、加熱し液状にしたあとに小さなノズルから圧力をかけて出し、糸の形状にしてフェラメント(長繊維)やステープル(短繊維)を作ります。この工程を紡糸といいます。
ポリエステルフレーク
化学繊維の紡糸は、下記の3つの方法があります。
【溶融紡績法】
熱を加えても分離せずに融けて冷却すると固まる性質をもっている原料ポリマーに利用される紡糸方法。
250℃~350℃で加熱し、ポリマーを液状にして圧力をかけてノイズから出しながら、冷却して糸にします
ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどに使われています。
【湿式紡糸法】
溶融紡糸が困難な原料ポリマーを溶剤に溶かしてノズルから糸状にし、凝固浴に押し出します。凝固浴では、ノズルから押し出されたものが化学反応をして、ポリマーが糸状に形成されます。
レーヨン、ビニロン、アクリルなどに使われています。
【乾式紡糸法】
溶融紡糸が困難な原料ポリマーを気化しやすい溶剤に溶かした状態で、高温の気体中にノズルから押し出して溶剤を蒸発させて糸にする方法。
アセテート、スパンデックス、アクリルなどに使われています。