「地元のスーツの水洗い」１１／９（日）
今日は地元のスーツの水洗いです。
本来であれば地元分は馬鹿でかい木更津工場で洗うのですが、
今日はブランド物の洗いを少し押さえて、君津工房でノルマの
１５０着を洗う事にしました。ＮＣブランド物は全部しつけを行い
ますが、地元はやりません。
ただ、地元の価格はまさにご奉仕価格と言って
いいです。やはり地元に支えられてきての今があるので、「ドライ
＋水洗い」の「Ｗ洗い」の「いつものコーススーツ価格」が１．５１０
円です。
（ＮＣ入荷品は必ずチェック検品をしてこのカルテを作成します）
そして「ドライ＋水洗い＋シリコーントリートメント」の「社長のおす
すめコーススーツ価格」が２．３５０円です。裏地がほとんどキュプ
ラなのでジャケットもパンツもプレスに手間と時間かかります。そ
れでこの価格って、安いでしょ。
（これは石油系ドライ溶剤の蒸留装置です。通常ドライ溶剤はフィ
ルターを通して汚れを取っていますが、溶け込んだ汚れはフィルタ
ーでは取れないので逆汚染の原因になります。ちなみに他店で
ドライクリーニングをした衣類を水洗いすると焦げ茶色の色に水
が汚れたりしますが、それは衣類がドライ溶剤で逆汚染している
ということです。この蒸留装置がないといくらキレイにドライクリー
ニングして洗ったと言っても、衣類は逆汚染してしまいます。
コストもかさむのでマメにはドライ溶剤変えれないからね。）
さて、たまにはこういった地元「ウォータークリーニング」の水洗い
内容をご紹介します。
リーガルの「いつものコース」に入荷してくるスーツの量の半分は
量販店、つまりコナカ・青山・アオキです。その他半分が、五大陸
・ニューヨーカー・パコラバンヌ等々。
そして「おすすめコース」は、そごうや三越、木更津フジとかのデ
パートや地元テーラーさん。そして木更津アウトレッドが出来てか
らというもの、ポールスチュ―と・バ―バリー・ランバン・ゼニア・
ｄｕｎｈｉｌｌなんて輸入ブランドがやたらめったら多くなりました。
えっ？これもぉ・・。ふ〜〜う、ＮＣの方へ出してくれたら全然仕上
げの手のかけ方が違うんだけどなあ・・・、仕上がり状態は全然別
物なんだけど・・・と、思いながらお客さんの希望なのでしょうがあ
りません。ゼニアのオートクチュールやＣＨＡＮＥＬなんて、おすす
めで入ってきたら泣きますからねえ・・・。
さて、水洗いですが、地元の品物はドライクリーニングで油系
の汚れを落とした後に、ネットに入れずにジャケットならジャケット
を「いつものコース」は５枚単位、「おすすめ」は３枚単位で裸で水
洗機に入れます。
そして出てきたジャケットは人体成型乾燥機に裏かけして、まず
背裏や袖裏の裏地を伸ばします。ブランドの場合はこの状態＋
背裏や袖裏は全部ハンドプレスを施します。当然、消臭抗菌剤を
背裏、特に首回・袖口・脇に噴霧しておきます。ここは、風呂好き、
清潔好きの日本人にはかかせないポイントです。
で、この人体成型乾燥機はドイツのファイトというメーカーのもの
です。昨日、ブログを書き終わって各種機械を今一度見てみまし
たが、あるわあるわ、えっ？これもファイトだったっけ？おお、これ
もそうじゃない。アイロンプレス台や腰プレス台やラペルプレス台
等、結構ファイトを使ってます。ヤマッチ（山田社長）高いモノ買い
だったんですねえ・・。
先ほど、地元で出てくるスーツは裸て゛水洗機に入れるとお伝えし
ましたが、それは水洗いしても型崩れが少ないからです。つまり
イセコミが少ないため、水洗いした時の戻りが少ないのです。量
販店や低価格のスーツの特徴は、イセコミで立体感を出すので
はなく、パターンのカッテングで立体感を出すようにしてあるから
なんです。
それと、芯地や縫い糸などの素材も水による変化が少ないものを
使っています。芯地などの構成も単純です。裏地の素材がポリエ
ステルが多く、縮やシワがつきにくいです。ただ、「おすすめコース」
に出てくるスーツは、やはり裏地はキュプラが多く、裏地のプレス
に手間がかかります。だから、２．３５０円は地域限定の奉仕価格と
いっていいです。これでスーパー１６０のゼニアのオートクチュール
はないだろって、感じです。
昨日のゼニアと比べてもらいたいのですが、ショルダーにしても、
袖のアウトシームにしても、ポケットの玉淵にしても、ほとんど縮が
ありません。まあ、クラスタルウォーターというＮＣオリジナルの特
殊水のお蔭もありますが。
ショルダーもぷくぷくがありません。
洗い上がってもこの通り。イセコミバッチリのブランドジャケットとは
まったく違います。物凄く汚れているものは水洗機でかなりタンブルか
けますが、縮んでませんよ。幸ちゃんが「なんのコースですか？」「アク
リル毛布洗い」「ウソぉ！！」泥汚れのスーツにはもってこいの洗いです。
ポケットの玉淵もほとんどぶくぷく浮いてません。
袖のアウトシームもこの通り。きれいなものです。
最後の写真は静止乾燥機の中に並ぶ本日洗ったジャケットです。
（「社長のおすすめコース」は水洗い成型乾燥後、シリコーンドライ
機に入れて、ツヤやしなやかさを出します。）
本日のスーツ洗いが１５０着。そしてその他合わせて地元分が
５００ちょい。通常、地元の一般衣類も全国のブランド衣類も両
方洗ってるし、プレスしていけるのがいいです。
これはどちらか一方だけでも僕はダメだと思っています。地元
のウォータークリーニングはダイナミックさとスピード。そしてＮＣブランドは細部
に渡るディーテール。プレスの連中は両方こなさなければなり
ませんから、オールラウンドでないといけない。だからとても鍛
えられます。いや、鍛えられています。レザーも半端なくあるし、
うかうかしている時間ってないです。人間追いつめられると眠
っていた命の玉を吐きますから。
とにかく平日、日祭日に関わらず、いつも時間との勝負で運動
会みたいです。みんな本当に時間を忘れて一心不乱にクリーニ
ングに取り組んでます。そして思います。地味でスター選手はい
ないけど、こいつらみんな心底クリーニングが大好きなんだよな
ぁって。傍から見ていてそう思います。だからコツ
コツ継続して努力し続けてる・・・。そういう僕もそうなんでしょう
けど。
おおっ！７時４５分。さっさと帰って軍師官兵衛見ないといけま
せん。それでは。
生かしていただいて ありがとございます。
本来であれば地元分は馬鹿でかい木更津工場で洗うのですが、
今日はブランド物の洗いを少し押さえて、君津工房でノルマの
１５０着を洗う事にしました。ＮＣブランド物は全部しつけを行い
ますが、地元はやりません。
ただ、地元の価格はまさにご奉仕価格と言って
いいです。やはり地元に支えられてきての今があるので、「ドライ
＋水洗い」の「Ｗ洗い」の「いつものコーススーツ価格」が１．５１０
円です。
（ＮＣ入荷品は必ずチェック検品をしてこのカルテを作成します）
そして「ドライ＋水洗い＋シリコーントリートメント」の「社長のおす
すめコーススーツ価格」が２．３５０円です。裏地がほとんどキュプ
ラなのでジャケットもパンツもプレスに手間と時間かかります。そ
れでこの価格って、安いでしょ。
（これは石油系ドライ溶剤の蒸留装置です。通常ドライ溶剤はフィ
ルターを通して汚れを取っていますが、溶け込んだ汚れはフィルタ
ーでは取れないので逆汚染の原因になります。ちなみに他店で
ドライクリーニングをした衣類を水洗いすると焦げ茶色の色に水
が汚れたりしますが、それは衣類がドライ溶剤で逆汚染している
ということです。この蒸留装置がないといくらキレイにドライクリー
ニングして洗ったと言っても、衣類は逆汚染してしまいます。
コストもかさむのでマメにはドライ溶剤変えれないからね。）
さて、たまにはこういった地元「ウォータークリーニング」の水洗い
内容をご紹介します。
リーガルの「いつものコース」に入荷してくるスーツの量の半分は
量販店、つまりコナカ・青山・アオキです。その他半分が、五大陸
・ニューヨーカー・パコラバンヌ等々。
そして「おすすめコース」は、そごうや三越、木更津フジとかのデ
パートや地元テーラーさん。そして木更津アウトレッドが出来てか
らというもの、ポールスチュ―と・バ―バリー・ランバン・ゼニア・
ｄｕｎｈｉｌｌなんて輸入ブランドがやたらめったら多くなりました。
えっ？これもぉ・・。ふ〜〜う、ＮＣの方へ出してくれたら全然仕上
げの手のかけ方が違うんだけどなあ・・・、仕上がり状態は全然別
物なんだけど・・・と、思いながらお客さんの希望なのでしょうがあ
りません。ゼニアのオートクチュールやＣＨＡＮＥＬなんて、おすす
めで入ってきたら泣きますからねえ・・・。
さて、水洗いですが、地元の品物はドライクリーニングで油系
の汚れを落とした後に、ネットに入れずにジャケットならジャケット
を「いつものコース」は５枚単位、「おすすめ」は３枚単位で裸で水
洗機に入れます。
そして出てきたジャケットは人体成型乾燥機に裏かけして、まず
背裏や袖裏の裏地を伸ばします。ブランドの場合はこの状態＋
背裏や袖裏は全部ハンドプレスを施します。当然、消臭抗菌剤を
背裏、特に首回・袖口・脇に噴霧しておきます。ここは、風呂好き、
清潔好きの日本人にはかかせないポイントです。
で、この人体成型乾燥機はドイツのファイトというメーカーのもの
です。昨日、ブログを書き終わって各種機械を今一度見てみまし
たが、あるわあるわ、えっ？これもファイトだったっけ？おお、これ
もそうじゃない。アイロンプレス台や腰プレス台やラペルプレス台
等、結構ファイトを使ってます。ヤマッチ（山田社長）高いモノ買い
だったんですねえ・・。
先ほど、地元で出てくるスーツは裸て゛水洗機に入れるとお伝えし
ましたが、それは水洗いしても型崩れが少ないからです。つまり
イセコミが少ないため、水洗いした時の戻りが少ないのです。量
販店や低価格のスーツの特徴は、イセコミで立体感を出すので
はなく、パターンのカッテングで立体感を出すようにしてあるから
なんです。
それと、芯地や縫い糸などの素材も水による変化が少ないものを
使っています。芯地などの構成も単純です。裏地の素材がポリエ
ステルが多く、縮やシワがつきにくいです。ただ、「おすすめコース」
に出てくるスーツは、やはり裏地はキュプラが多く、裏地のプレス
に手間がかかります。だから、２．３５０円は地域限定の奉仕価格と
いっていいです。これでスーパー１６０のゼニアのオートクチュール
はないだろって、感じです。
昨日のゼニアと比べてもらいたいのですが、ショルダーにしても、
袖のアウトシームにしても、ポケットの玉淵にしても、ほとんど縮が
ありません。まあ、クラスタルウォーターというＮＣオリジナルの特
殊水のお蔭もありますが。
ショルダーもぷくぷくがありません。
洗い上がってもこの通り。イセコミバッチリのブランドジャケットとは
まったく違います。物凄く汚れているものは水洗機でかなりタンブルか
けますが、縮んでませんよ。幸ちゃんが「なんのコースですか？」「アク
リル毛布洗い」「ウソぉ！！」泥汚れのスーツにはもってこいの洗いです。
ポケットの玉淵もほとんどぶくぷく浮いてません。袖のアウトシームもこの通り。きれいなものです。
最後の写真は静止乾燥機の中に並ぶ本日洗ったジャケットです。
（「社長のおすすめコース」は水洗い成型乾燥後、シリコーンドライ
機に入れて、ツヤやしなやかさを出します。）
本日のスーツ洗いが１５０着。そしてその他合わせて地元分が
５００ちょい。通常、地元の一般衣類も全国のブランド衣類も両
方洗ってるし、プレスしていけるのがいいです。
これはどちらか一方だけでも僕はダメだと思っています。地元
のウォータークリーニングはダイナミックさとスピード。そしてＮＣブランドは細部
に渡るディーテール。プレスの連中は両方こなさなければなり
ませんから、オールラウンドでないといけない。だからとても鍛
えられます。いや、鍛えられています。レザーも半端なくあるし、
うかうかしている時間ってないです。人間追いつめられると眠
っていた命の玉を吐きますから。
とにかく平日、日祭日に関わらず、いつも時間との勝負で運動
会みたいです。みんな本当に時間を忘れて一心不乱にクリーニ
ングに取り組んでます。そして思います。地味でスター選手はい
ないけど、こいつらみんな心底クリーニングが大好きなんだよな
ぁって。傍から見ていてそう思います。だからコツ
コツ継続して努力し続けてる・・・。そういう僕もそうなんでしょう
けど。
おおっ！７時４５分。さっさと帰って軍師官兵衛見ないといけま
せん。それでは。
生かしていただいて ありがとございます。
14:15, Sunday, Nov 09, 2014 ¦ ¦ コメント(3)