「ホフマンとハーレー」 11/8(土)
ブリオーニやゼニアの入荷は多いですよ。
水洗い後に人体成型乾燥機でまずは土台の形を作るとこうなり
ます。見学者はみんな見て「ほぉ〜このままでいいのでは」という
人も多いです。
ところがやはり水入れるということはクセ取りをした部位が元に
戻るわけです。これは肩のシーム部分、どうしてもシームの片方
の余った生地が浮いてきてぷくぷくとしてきます。
脇も一緒。シームの前後でもともとの生地の長さが違うので。水
で洗う事によって生地の長い部分が浮いてきます。
肩もイセ込んでる量が多いので、生地が浮いてくる量も多いい
です。
ポケットの玉淵のところはシームが縮んでぷくぷくしきます。
当然、このままでいいよってことはありません。だからこれから
がプレスの出番なのです。
ジャ〜ン!!
縫製機械プレスのハーレー・ダビットソン「ホフマン」の登場で
す。この機械はドイツの機械で、縫製工場には必須のアイテ
ムでした。
ドイツといえばファイトというメーカーがあって、アパレルの縫
製工場ではよくこの機械を使っています。うちでは人体成型
乾燥機等はこのメーカーです。ファィトはさしずめ機種や機能
が沢山あってBMWみたいなものです。そしてクリーニング屋
さんや中国や東南アジアの縫製工場に入っているのがウエー
シーという中国の機械です。ただ、中国製なのでコストは安い
ですが、結局のところBMWのパクリなので故障は多いです。
うちにあるドイツのホフマンはアメリカのハーレーです。20年
前のものをオーバーホールして使っています。分かりやすく言
えばハーレーのフラットヘッドエンジンをオーバーホールして
「ドッドッドッドッッ・・・」低音サウンドに痺れながらマニアックに
乗ってるって感じです。とにかくこの機械にしか出せないフォル
ムやシルエットがあるので、現在でもヨーロッパではこの機械
が主流だと聞きます。ですから、スーツのジャケットやパンツ
の機械プレスにはホフマンは手放せません。
さて、肩のシームの浮を直すのと、肩を前肩に作っていくた
めにホフマンのショルダープレス機を使います。
蒸気で蒸して生地を柔らかくしておいて、上コテと下コテで挟
み込んで成型していきます。ぷしゅ〜〜〜。
ぷしゅ〜〜〜〜〜〜。
キレイにシームが伸びて前肩に整形されています。肩はこれで
オッケー。他にも、いろいろあるのですが、どの機械も見事にぷ
くぶく浮いた各部位のシームを成型復元していきます。このホフ
マンで機械プレスした後、ハンドでさらに細部をタッチアッププレ
スして完成していきます。
ピーターフォンダが「イージーライダー」で乗っていた(フラットヘ
ッドエンジン)ハーレー。中一の時、本通りのスカラ座か?どこか
で観たのかなぁぁ。
ステッペンウルフの「ボントゥビーワイルド」、音楽とチョッパーの
ハーレーのカッコよさにガキながら痺れたよ!!
まあ、年代物のハーレーもホフマンもマニアックなやつが自分でメ
ンテナンスして好きで楽しく乗りこなしてるって感じなのです。
いいですよ、このマシーン。
生かしていただいて ありがとうございます
08:54, Saturday, Nov 08, 2014 ¦ ¦ コメント(1)