トップページ
2019年 4月5日

「ウールリッチダウン復元」4/5(金)
20190405a

代表が明日、理事長を務める保育園の
入園式のため、広島に帰られました。

「まっちゃん。札幌から入ってきたウール
リッチ。かなりへたってるから、すぐに復元
作業に入ってあげんさい」とのことでした。

上の写真は代表のウールリッチのダウン
です。

ウールリッチと言えば、このように、ふわふわ
とボリューム感があって、生地も張り感があり
しっかりしているのが持ち味のダウンです。

20190405b

着心地はマイナス40度でも耐えられるぐらいで、
「羽毛布団を着て歩いているようだ」と代表が言わ
れるくらいですから、とてもあったかいのです。

20190405c

ところで、こちらも同じウールリッチのダウンですが、
かなり着込んでいたのでしょう。ふわふわ感はだいぶ
無くなって、生地もシワが目立ってきていました。

20190405d

これを、もう一度、ふわふわのウールリッチに戻してみ
ましょう。

とにかく、ふわふわにするためには、まず、洗って汚れ
をきれいに落とします

羽毛が皮脂や汗で汚れてくると、毛先がくっついて、
羽毛の間に抱き込む空気の量が少なくなって、保温性が
失われます。

こういったダウンのフワフワ実験を、よく会社の勉強会で
行うのですが、汗等の水溶性の汚れがをダウンやフェザー
から水洗いで除去していないと、ふわふわ感を復元することは
できません。

P2430091

どのダウンというか洋服でもそうなのですが、まず衿や
首回りは汗や皮脂などの汚れが付いています。

その皮脂汚れを油性の汚れがよく取れる洗剤で前処理し、
皮脂汚れや他の汚れを取れやすくしておきます。

P2430092

続いて、袖口も汚れが溜まるところです。洗剤とブラッシング
で汚れをしっかり取ります。明石ちゃん、しっかり前処理してね。

P2430097

前処理が終わったら、大きなネットに入れて水洗機でウールリッチ
に適した洗いを行います。このあたりは企業秘密です。
ネットが小さいとダウンのかたまりが出来やすいので、中で自由に
動き回れるような大きなネットを使います

rhhy

上の洗浄水はダウンを洗ったときに内部のフェザーやダウンから出てくる
水溶性の汗や皮脂汚れです。この汚い洗浄水を目の当たりにすると
誰もがドライ洗いだけではダメだということが理解できます。

20190405e

さて、ウォータークリーニングでダウンがきれいに仕上がるのは、一つ
は粒子の細かい「クラスタルウォーター」と「マイクロバブル」の
お蔭ですが、フワフワに仕上がるには、このオリーブスクアランや
ヒノキエキスやトルマリン等をブレンドした天然活性水「アモウ」は
絶対に欠かせません。

P2430100

ウールリッチの表地は生地の密度が高く、それが防寒性の良さ
にもつながっていますが、脱水の時には水が通り抜けられない
ため、表側にして脱水しただけではダウンはしっかり濡れたまま
です。
それで、表側で脱水した後は、裏返しにしてもう一度脱水します。

20190405f

脱水後は乾燥ですが、生地のシワを取り、ダウンを膨らませる
には、タンブル乾燥機を使います。

この時も、表側で乾燥しただけでは、中の水分が出て行かない
ため、表でしばらくタンブル乾燥したら、今度は裏返してタンブ
ル乾燥機にかけます。

20190405g

これで、中のダウンも乾いてふっくらしてきますが、裏返しで乾
かすと、こういう張り感のある生地の場合は、表地にきつくシワ
が入ってしまいます。
それで、もう一度、表に返してタンブル乾燥機にかけます。

20190405h

こうやって、表にしたり、裏にしたりしながら、大分従来の無骨で
大人のウールリッチの形が整ってきました。

P2430118

次には、生地に張り感を出すために、樹脂を薄めたものを噴霧
し全体に張り感を持たせます。

20190405i

そして、最後は表裏をハンドアイロンでシワを取り、形を整えます。

20190405j

ダウンのボリューム感と、生地の張り感が戻った仕上がりに
なり、へたったダウンが見事にあの凛としたウールリッチとして
蘇りました。

P2430124

ちなみに、ただいま、ダウンジャンバーとダウンコートの撥
水加工(5000円)無料キャンペーン中ですので、今ダウンを
出すと絶対にお得です。

このダウンも、撥水加工をして、この通り、水玉がコロコロと
転がっていますので雨が降ろうが雪が降ろうが大丈夫。


札幌のお客様、買った時とまではいかないまでも、あなたの
ウールリッチはずいぶんシャキッと男前になってお手元に届くは
ずです。お楽しみに。


本当は全体染色補正すれば元色に戻りもっと男前になるので
すが、またご希望があればいつでもどうぞです。
ちなみに全体染色補正は15000円からです。


また、最近はレザー素材を使ったダウンも多く、部分的や全体
の染色補正を依頼されるケースも増えてきました。この場合の
顔料は、レザー業界では使用されていない割れない、剥げない
特殊な顔料を開発(7年間で1000アイテムで実証済み)していま
すので、自信をもってレザーダウンやレザーアイテムのレザーダ
ウンで20000円から全体補色を行っています。お客様にはとっ
ても好評です。


今回は基本料金に染み抜きや汚れ落としを入れて20000円ぐらい
です。愛するウールリッチを気持ちよく永く着用できれば、私は安
いと思いますよ。まずは着てみたら誰でもその意味がわかるはず
ですよ。


18:15, Friday, Apr 05, 2019 ¦ ¦ コメント(0)