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2015年11月4日

「リターン、ダウンの変色直し」11/4(水)
ダウンコートが変色したので
直して欲しいという依頼がたくさん
全国からあります。


その場合、
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、
顔料で染めて修正します。


顔料で染めると言うと、
生地がゴワゴワになってしまうと思われるかもしれませんが、
色素を定着させる樹脂を柔らかいものを使って、
出来るだけ質感の変化がないようにしていますので、
ほとんど違和感はありません。


ただ、色ヤケが激しいと、
色ムラはどうしても残りますから、
そのことは予めご了解いただいています。


変色してこのままでは着れないダウンを、
色修正して、変色を目立たなくし、元通りとはいかないまでも、
なんとか着れるようにしようという修正を行っているわけです。
お客さんたちはそれをとっても強く要望されているからです。

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ところで、
こうやって色修正したダウンが、
時間が経って、戻ってくることがあります。


着ないで保管している間に
また変色したということですが、今回もそういう事例があり、
お客さんに次のようにご説明しました。

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「お送り頂きましたダウンコート(TATRAS)を
拝見致しましたが確かに広範囲に変色が進んでいます。


前回お返ししましてから、
光を遮断された場所で保管されていたということですので、
紫外線による色ヤケではないと思います。


変色する原因としては、
太陽光や蛍光灯などの紫外線による色ヤケの場合が
多いのですが、それ以外にも原因となるもの
があります。


一つは、
酸化窒素ガス(NOx)による変色です。
このガスは、ストーブの燃焼時にも発生しますし、
車の排気ガスにも含まれています。
クローゼットや箪笥の中にこのガスが入り込んで
繊維を変色させる場合があります。


特に、近年、
住宅が密閉されて、空気が動かないために、ガスとの
接触時間が長くなって変色が起きやすくなっています。


もう一つは、
繊維を染めている染料自体に原因があるものです。


ダウンに使われている
ポリエステルやナイロンは、分散染料という染料で
生地の表面をコーティングするように染められているのですが、
この染料には自然に気体となって繊維から離れていく昇華という現象
が起こります。


この昇華によっても生地の変色が起こるのです。

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A様のダウンコートの変色も、
これらの原因でおこったものと思われますが、
ガスによる変色も、昇華による変色も、湿気や温度の高さ
が変色を促進しますので、そういう条件が重なって変色が進んだの
だと思います。


弊社でダウンの変色を直す場合には、
染料ではなく、顔料を用いていますが、顔料は染料に比べて
変色しにくいため、前回お直ししました部分の色が残り、
それ以外のところが変色したのだと思います。


お預かりしましたダウンコートは、
変色している部分を染色してお返しいたしますので、
しばらく時間を頂けますでしょうか。


また、
広範囲の変色ですので、
出来るだけ目立たなくなるように修正しますが、
若干の色ムラが残ることはご了解ねがいます。


また、
今後も保管中に同様に変色することも考えられますが、
弊社の保管ルームのように広く、空調による空気の動きがあり、
温度と湿度も管理されたところの方が、変色しにくいですし、
これまでお預かりしていましたダウンで
変色したということはありませんので、
よろしければ、保管サービスもご検討ください。


という内容で
お客さんにはメールを送りました。


そろそろダウンの時期ですね。
ダウンの入荷が目立つようになりましたから。
さて、明日もダウンの洗い頑張ろう!

20:11, Wednesday, Nov 04, 2015 ¦ ¦ コメント(3)