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2014年11月3日

「水洗いとブラシ」 11/3(火)
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【日本経済新聞 04年1月31日
 カシミア・ウール風合い保つ
 クリーニングよりブラッシング    身だしなみの基本再び】
                       より転載

 カシミヤ独特な柔らかさや上質なウールのしなやかさ。高級
素材ならではの風合いは、ドライクリーニングを重ねると、損
なわれがちだ。これを防ぐには、まめにブラシをかけ、クリーニ
ングの回数を減らすのがいちばん。衣服を美しく清潔に保つ効
果的なブラッシングを考えてみよう。
 
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20年光沢変わらず
 初めてカシミヤのコートを着たのは30年ほど前だ。「母(デザ
イナーの森英恵さん)のヨーロッパ土産でした」。親交のあった
ニューヨークの百貨店の副社長夫妻に見せると、「カシミヤを
着る紳士は日々の手入れもしっかりしなければ」と、馬毛の洋
服ブラシを贈られた。
 「髪の毛もブラッシングが大切だといいますよね。それと同じ
です」と恵さん。ヤギや羊の毛も、ブラシをかけると汚れが取れ
て、本来の色つやが戻る。それを怠り、強い洗剤で洗うとぱさ
ぱさになってしまう。 
 恵さんは現在、黒のカシミヤのコートを2着持っている。1着は
自ら手掛けた中国製の生地で仕立てた。もう1着は亡くなった
お父さんが20年ほど着ていたものだが、カシミヤのしっとりした
光沢と手触りは変わっていない。「きちんとブラシをかけていた
んですね」

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背広やコートにブラシをかけて大切に扱う。昔は、それが身だし
なみの基本だった。ものがあふれ、「お下がり」や「仕立て直し」
が死語になり、ブラシにもあまり目が向かなくなった。百貨店で
ブラシの品ぞろえに力を入れるところは少ない。催事での、ブラ
シ職人による実演販売に目をとめるのは中高年の男性で、実
用より趣味の道具という感じだ。

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馬毛・豚毛…
 もっとも、高級素材を扱う既製服メーカーや専門店には、ブラ
シを見直す動きがある。英国ブランドのアクアスキュータムを持
つレナウンは昨年、洋服ブラシを特注して、常連客に配った。カ
シミヤ製品にも使えるように、長めの豚毛を高密度に植えたもの
で、柔らかく腰があり、好評だった。

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「石川さんの馬毛ブラシは非常に植毛密度が高い」
 昨年、東京の六本木ヒルズに開店したキートンはナポリで仕
立てた高価なスーツが評判だ。 ここでは、横浜のブラシ職人、
石川和男さんの手植えブラシを置いている。
 馬の尾(本毛)を使ったウール用が2万円、本毛の間に生え
る短い毛(尾脇毛)を使ったカシミヤ用が4万3000円。とんでも
なく高いが、昨年9月から既に20本ほど売れた。100円ショップ
にも、ナイロン製洋服ブラシがあるし、まさにピンからキリまで
だ。大型店の中で洋服ブラシの品ぞろえが豊富な東急ハンズ
新宿店は、2000、3000円台が中心。同店の高額品は「パシュ
ミナ、カシミヤ用」のヤギ毛ブラシが8000円。同じメーカーの
「ウール用」が4000円。この辺りが一つの目安だろう。

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値段の違いは、毛の種類、ブラシの大きさ、植毛の密度、ハン
ドルの素材などによる。一般に豚毛より馬毛のほうが高い。馬
毛は柔らかく、カシミヤや絹に向いているが、豚毛でカシミヤに
使えるものもある。多少は値が張っても、大きくて、植毛密度の
高いものを選びたい。実際に使い比べてみると、その違いは明
らかだ。
 カシミヤ用のブラシは、繊細な素材が多い婦人服にも使える
し、馬毛なら和服など絹物でも大丈夫。ただし、生地とブラシの
関係は固定的に考えず、ブラシをかける手加減で調節したい。
表示にはカシミヤ用、ウール用、シルク用、混紡用、合繊用など
様々なものがあるが、すべてそろえる必要はない。

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 こすらず、たたく
 「とにかく、着るときと脱いだときにブラシをかけてください。こ
するのではなく、スナップを利かせて払う感じです」(石川さん)。
着るときは、表面を整えるつもりで、毛並みに沿って。脱いだら、
奥に入ったほこりを毛先ではね出すように。
 えりは時々広げてブラシをかける。ふけがつきやすい肩は、
毛先でたたいてから。縫い目は後ろから押し上げて、毛先を当
てる。セーターなどニット類は、すれて毛玉ができやすい部分を
重点的にかけると良い。
 ブラッシングで、上質な衣服を長持ちさせる。そこには、装う
心のブラッシュアップにもつながるものがありそうだ。
                     【転載終了】

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うちも石川さんのブラシの愛好者です。
ウールのスーツ、そして全般的に「馬・尾脇毛(おわきげ)・黒・
先付」のブラシで46.000円?ぐらいだったか。これオールラウン
ドでいいです。
そしてカシミアのセーター・ジャケット・コートなどは「馬・尾脇毛
(おわきげ)・白・先付」のブラシで129.600円でした。
この超高級なブラシでブラッシングすると、光沢やしなやかさが
出てとっても生地が蘇っていいです。
出荷前には、必ず力一杯ブラッシングして品物を出荷していきます。
結構手間をかけてるんですよ。


ちなみに石川さんは、どこの実演会でもお客様には「クリーニ
ングはナチュラルクリーンへ」と弊社のこと紹介して下さってい
るとのこと。(新宿伊勢丹メンズ館スタッフより)その理由は、

ツイッター【ブラシを使ったスーツの手入れ】より転載

石川談、
●「洋服ブラシに豚毛は硬すぎるし馬毛でもまだ硬いって。
ほとんどのとこが使ってる馬の本毛よりももっと柔らかい尾脇
毛(おわきげ)じゃないと今の薄くて柔らかくて繊細な生地には
対応できない。」

●「馬毛の本毛を長く切ってブラシにするのが主流。それだと
一見柔らかいけど長さがある分反発力がなくなって、繊細な生
地の中に入っていった汚れを掻き出せない。尾脇毛っていうの
は尻尾の産毛的な、本毛と比べるとダウンとフェザーくらいの
違い、だと短くても反発力がしっかりしてる。」

●「そのブラシでガシガシブラッシングすると毛足が立って光沢
が出る。」

●「ウールをはじめ獣毛には動物たちが自分を汚さないために
油分をある程度毛にまとっていた。それが生地になると艶だった
りしっとり感につながっていて、ドライクリーニングに出すと、汚
れを落とすための洗剤が強ければ強いほどその油分もごっそり
落ちてしまう。」

●「それがクリーニングに出すたびに生地が痛むと言われる原因。
いいものであればあるほど艶や光沢、風合いは損なわれていく。
だから水洗いが一番。」                【転載終了】

この内容はオーダースーツの販売員をされてる、あらかわさんが
ツイートした内容をまとめているものです。いつも石川さんがおっし
ゃってるありのままなので掲載させてもらいました。ご参考までに。

生かしていただいて ありがとうございます。


13:13, Monday, Nov 03, 2014 ¦ ¦ コメント(16)


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