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2019年 7月27日

「シルク&コットンジャケットの復元」7/27(土)
昨日、汗をそのままにしておくと、衣類はゴワゴワになり、
一緒に染み込んだ皮脂とともに黄ばみの原因になります
よ。


また、汗と紫外線の複合作用によって、変退色(色焼け・
変色)が起こりますよ。特に、衿や肩や袖が多いいです。


また、汗の中に含まれる尿素とか皮脂とかアンモニアとか
こういった物質を餌にして雑菌が繁殖してすえったような
嫌な臭いが発生します。


そんなことをお伝えしましたが、お気に入りのスーツやジャケット
を着込んでいるとそうなってしまっています。


さて、T様のシルク&コットンのジャケットをお預かりしました。


「所見」

今回お預かりした.T様のジャケットも、これまでクリーニング
には出されていたと思いますが、やはり、衿や袖口などは、
残留した汗や皮脂などによってかなり黄ばんだ状態でした。


また、首回りや両袖口は皮脂汚れで黒ずんでいます。
そして、前立ても汚れが浸みこんで、黄色っぽく変色した状
態でした。


ジャケットのウォータークリーニング復元工程、

●まず、各部分の皮脂汚れ、汗等の汚れ、汗等による黄ばみ
を除去するために、中性洗剤で表面的な油分を落とし、生地を
傷めない中性漂白剤に漬け込んで(40度、15分)、汗等の黄
ばみを除去します。ジャケット全体に染み込んだ黄ばみがまだ
らにしつこく残るので、この中性漂白による漬け込みを3回繰り
返しました。
残ったシミ、汚れは部分シミ抜きで除去しました。


●次に、残留している油性、不溶性の汚れを除去し、全体的に
潤い感を与え、色彩の回復のため、シリコーンドライに入れて
トリートメント効果を発揮させます。


●最後は各種加工剤で張り感や光沢感を与えてあります。


●最終的に仕上げて行く中で、織りムラによる色ムラなども見つ
かり、白色で色修正を行うことによって赤っぽい織ムラが周りの
色彩と違和感のない状態に調和され復元していきました。


アイロンプレスはチーフの及川が、袖→裏地→襟→後ろ身頃→
脇身頃→前身頃→ラペルとより立体的に仕上げています。


tanakajkfront11

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tanakajkfront13

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基本料金6.600円 全体漂白5.000円 部分シミ抜き6.000円

計17.600円(19.008円)


※今日。伊勢丹の智子が、「うちはリピーターは多いけど、お得意様は一人
もいません」と言った言葉がとても印象的でした。うちの文化です、これは。

10:35, Saturday, Jul 27, 2019 ¦ ¦ コメント(0)


「叔母さんへの感謝のバック」7/27(土)
子どもがいない叔母さん夫婦だったのでとても可愛がって
もらった甥の島田唱幸さん。


とても元気だった叔母が、現在は病気になって外に出られな
い状態になってしまいました。


昔、叔母から譲り受けたショルダーバックは色が剥がれカビ
も見られととても心が痛く、叔母への感謝で綺麗にしておき
たいとわざわざ東京より君津本店に持ち込まれました。


nagashimabagfront


front02


nagashimabagback


nagashimabagside


nagashimabagside2


P1200759


ポイントとしては、すべて色が剥がれているところがいっ
ぱいあったので全体を補色しましたが、一色ではなく二色
なのでステッチに色が入らないようすることと、茶色と黒の
色が別のところにつかないようにすするためにマスキング
して小さな筆で色を入れていきました。ショルダ―ベルトが
一番剥がれていたので手間がかかりました。


病気に伏せられている叔母さまにこのバッグを綺麗にした
姿をお見せになられに行きたいのですが、叔母さまのとこ
ろに行くのには一抹の迷いがあるそうです。
それは、その時がこの世の最後になるかもしれない・・・と
いう不安があるからとおっしゃっていました。

どうされるのか?私たちとしては綺麗になったこのバッグを
共有して喜んで欲しいと願っています。
それは島田さんの叔母さまに対して感謝の心の表れその
ものだからです。

私たちはそのお手伝いをさせてもらった・・ということです
から。


基本料金 17600円 全体染色補正30.000円 計47.600円(51.408円)

05:04, Saturday, Jul 27, 2019 ¦ ¦ コメント(0)