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2015年 2月25日

「カビのボルサリーノのソフト帽」2/25(水)
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンド出演のフランス
映画といえば「ボルサリーノ」。


そして「ボルサリーノ」の定番のハットといえば、「ソフト帽」。
その「ソフト帽」にカビが生えてしまったので除去して欲しい
という依頼がありました。何でもやるでしょ。


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さて、帽子は、被っているときに汗をかきますし、汚れも付
くため、梅雨時期や夏場に温度が高く、湿気のある場所に
保管されていると、カビが生えやすくなるわけですよ。


このカビを取るために、まず最初は、圧縮空気でカビを吹き
飛ばします。生え始めの軽いカビならこれだけで取れるもの
もありますが、今回のカビは、素材のフェルトの中に根を張
っていて、まだ、かなり根元からバッチリ残っています。

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これを取るためには本来は水で丸洗いして、ブラシでゴシゴ
シ擦れれば話は早いのですが、ソフトなウールのフェルトで
出来ていますから、丸洗いすると形が崩れて大事になってし
まいますねぇ。


そのため、油溶性の汚れを落とすオイルと、水溶性の汚れを
落とす水溶液で繰り返し繰り返し・・繰り返し拭き取って、汚れ
と一緒にカビを取っていくわけです。

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それでもフェルトにしっかり根を張ったカビは取りきれないもの
がありますから、除菌剤をスプレーし、日光(紫外線)に当てて
残ったカビを除去します。


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フェルトの中で凝り固まっているカビはまだ残っていますので、
それは、掘り起こして取り除き、ブラッシングして、フェルトの中
のホコリや汚れも取り除いていきます。


また、裏地はやはり直接肌に触れる部分ですから、なんとか水で
きれいにしたい。


それで、接着剤で止めてある裏地を一度取り外してから漂白をか
け、きれいにカビを取って元のように付け直しました。

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そして最後はブラッシングで毛並みを整えて完成です。


これで、見たところカビはありませんし、あのツンとした独特のカビの
臭いもなくなりました。ただ、丸洗いしたわけではないので、カビの根
っこは若干残っている可能性があります。


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これを繁殖させると、また、カビが生えた状態になりますから、そうな
らないためには、置いたままにしない様にちょくちょく着用されて、年
に最低2回はしっかり風通しをされるようにお客様にはお勧めしておき
ます。


ということで、今回はボルサリーノの帽子のカビをと〜るの巻でした。
それにしてもいろんなことやってるでしょ。


生かしていただいてありがとう御座位ます。


12:25, Wednesday, Feb 25, 2015 ¦ ¦ コメント(3)