「レザージャケットとバッグの水洗い」3/2(月)
ダウンのウォータークリーニングの広報収録、無事終了しました。
それにしても企画を担当している遠藤くん、「スゴイ、スゴイ!!」の連続
です。
企画会社の同僚のどこのクリーニング店でもダメだった汚れたブラン
ドBAGや洋服の染みのキツイのを持ってきましたが、ことごとくクリア
していくのと、水でガンガン洗うのと、仕上がりの良さにとにかく感動
していました。
どんどん洗っちゃいました。
それと彼がずっと言い続けたこと。それは「勿体ない。勿体ない」
あまりにもネタがあり過ぎてもっとどんどんオープンに発信しないと
勿体ない、と。
さうですか、うちはなんでもオープンに発信していけるので、それじゃあ
そうしていきましょう。
それにしても企画を担当している遠藤くん、「スゴイ、スゴイ!!」の連続
です。
企画会社の同僚のどこのクリーニング店でもダメだった汚れたブラン
ドBAGや洋服の染みのキツイのを持ってきましたが、ことごとくクリア
していくのと、水でガンガン洗うのと、仕上がりの良さにとにかく感動
していました。
どんどん洗っちゃいました。
それと彼がずっと言い続けたこと。それは「勿体ない。勿体ない」
あまりにもネタがあり過ぎてもっとどんどんオープンに発信しないと
勿体ない、と。
さうですか、うちはなんでもオープンに発信していけるので、それじゃあ
そうしていきましょう。
18:12, Monday, Mar 02, 2015 ¦ ¦ コメント(0)
「8年洗ってないデュべティカダウン」3/2(月)
・ダウンをクリーニングしてもきれいにならないという話をよく聞きますが?
今日はそこのところを繊維製品品質管理士でもある技術開発部長、松村
さんにお話を伺ってみます。ナチュラルクリーンでは年間3000着以上の
ダウン洗いの実績があるそうです。3000着はスゴイですね。
それではどうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。こちらには毎日全国からダウンが入荷してきます。
その中には何年も洗ってなくて本当に汚れたものもあります。そういった
一着一着のダウンの状態を検品して洗いの工程を決めていくのがこちら
です。
・今書かれているのは何でしょうか?
これはこのダウンのカルテを作成しているところです。
ダウンの入荷時の状態、シミや汚れ、傷や破れ、ボタンの数や傷、色ヤケ
などを確認してカルテに記入し、細部に渡って異常をチェック確認し、再現
しにくいデザインなどは写真に撮っておきます。
また、次にここでは、お客様のご要望をカルテに詳細に書き、次の工程に
伝えるのも重要な仕事です。
・なるほど。こちらではメジャーを使われていますが、採寸もされるのですか?
素材によって洗うことで伸びたり縮んだりする可能性のあるものはここで採寸
し、この採寸に合わせて仕上げます。
・今、こちらでカルテを書かれているダウンコートはかなり汚れているようです
が・・・。
そうですね。こちらはお客様のコメントによると購入されてから8年間一度も洗
ったことがないというダウンコートだそうです。それには理由があって、以前ク
リーニングに出した衣類がドライ臭でとてもキツくプレスもひどく、とてもその後
クリーニングに出す気になれなかったそうです。
とにかく、ダウンを洗うと生地が傷んだり、ダウンが片寄ったりペタンコになった
りしてダメになると思われている方もかなりおられるようで、時々こういった何年
も洗ってないようなわけありのダウンが来ることがあります。
・ダウンには主にどういった汚れがありますか?
まず、表地には、大気中の煤煙などの油性の汚れや着用中に付いた様々な
シミ、そして裏地には主に汗や皮脂などの人体から出た汚れが付いています。
そして、中綿のダウンにも同様に汗などは染み込んでいますし、製品を製造
する段階でダウンの洗浄が不十分なために、元々付いていた汚れが残ってい
ることもあります。
また、ダウンは、汚れた溶剤でドライクリーニングすると、その汚れが羽毛の
軸の空洞に入り込んで取れなくなることもあります。
こういった汚れが積み重なって、重たくなったり、匂いが出たりしますから、
ダウンをきれいにするには、表地や裏地についた汚れと、中綿のダウンの汚
れの両方を考えなければいけません。
・それでは、どういう風にクリーニングすればいいのですか?
先程の、買ってから8年間一度も洗ってないというダウンコートを実際に洗い
ながらご説明しましょう。
まず、表面に光っているこの汚れ、これを含めて全体には一番外側に油性の
汚れがあります。
これを取るには、一つは、ドライクリーニングするという方法があります。ただ
し、これには、管理されたきれいな溶剤で洗うことが大切で、汚れた溶剤で洗
うと、先程もお話ししたように、羽毛の軸の空洞に汚れがはいりこんでしまい
ます。
もう一つの方法は、時間をかけて洗剤に漬け込んで汚れを取る方法で、今日
は、この方法できれいにしてみます。
・洗剤に漬けこむということはダウンを水で洗うこともできるのですか?ダウン
表示にはよく水は×となっていますよね。
素材によって、水に入れると色が出たり、収縮や風合い変化が起こったりする
ものもありますから、そういったものは水にいれることはできないのですが、そ
れは一部で、実際は、ほとんどのダウンは水で洗うことができます。
ダウン自体は、製造段階でも何度も水で洗っていますから、水で洗うことに問
題はないですが、乾燥の時に固まりをほぐす工夫が必要です。
そして、表地や裏地は、ポリエステルやナイロンのものは水洗いは普通にでき
ますが、ウールのものなどはデリケートな洗いと乾燥が必要です。
家庭で洗おうとした場合、表地や裏地の素材に合った洗い方をされて、ダウン
も元通りにほぐしてふっくらできればいいです。ただ、洗濯機に入れてスタート
しただけでは、水の上に浮いたままできれいにならないですし、洗濯機から出
してそのまま乾燥しただけでは、ダウンが固まったままになってしまいます。
そういったトラブルを防ぐために、洗濯表示を水洗い%uE29893にしてあるものが多い
のです。ですから、ちゃんとしたやり方で洗えば、水で洗うことは可能です。
・なるほど。では、実際に洗っていただけますか?
はい、それではまず、汚れが目立つ前ポケットの所、そして皮脂や汗などのあ
る襟や袖口を、汚れが取れやすいように前もって処置しておきます。
こうやって前処理用の洗剤を付けてから水で濯ぐのですが、この時にシルク
ガンといってシルクなどのデリケートな生地も傷めないで、水圧と振動で汚れ
を濯ぐガンを使い、きつい汚れを先に落としておくのが、きれいにするコツです
ね。そして、水の中に油性の汚れを落とす力の強い中性洗剤と雑菌の繁殖を
防ぐ消臭抗菌剤を入れ、そのなかにダウンを漬け込みます。
この時、なかなかダウンが沈みませんが、一度ダウンを小さく縮めて水の中で
離すと、水を吸って沈みます。
そして、手で水の中に押し込みながら、中のダウンにも洗剤が行き渡るように、
空気を抜くように押さえます。
水に沈めるにはかなり抵抗がありますが、これを約30回繰り返してからそのま
ま漬け込んでいきます。
・水の色が変わってきたようですが?
そうですねえ。8年という時間の間に貯まってしまった汚れが染み出してきてい
るところです。
実際、キレイなドライ溶剤で洗っている場合はそうでもないですが、溶剤管理が
悪い場合は「逆汚染」と言って、ダウン自体がとても汚れていますので水に漬け
込むと水が濁っていきます。同時にダウンに溜まっている汗などの水溶性の汚
れも染み出してきます。
・これはすごい!
これだけの汚れがあると実際に着ていても重く感じますし、ダウンの膨らみもな
いため、保温性も落ちます。そして臭いも出てきます。
・このあとはどういう風にするのですか?
臭いが強い場合は消臭抗菌剤に漬け込んで匂いを取ります。
普通は、手で押し洗いした後は脱水してから水に入れてすすぎます。
この時、洗剤や汚れが残らないように、洗う時と同じように水の中に押し込んで、
羽毛の中まで水をいきわたらせ、脱水でしっかり水を切ります。
これを2回繰り返し、最後に柔軟剤とトルマリンや檜エキス、オリーブスクアラン
などをブレンドした弊社オリジナルのアモウという自然活性水を入れた水で、ダ
ウンに潤いを与えます。
そして、乾燥しながらダウンをフワフワに膨らませていくのですが、この時はタン
ブラー乾燥機を使います。
この中でダウンが動きながら乾燥していく間に羽毛の間にたくさん空気を含んで
ふっくらとしてくるのです。
しかし、ダウンが動いている時に傷つかないように、ファスナーや付属品にはカ
バーを付け、裏返しにして厚めのネットに入れます。そして、温度を上げすぎない
ように50度で乾燥します。
また、タンブラーによる乾燥は必要以上に長くしないようにして、水分が残ってい
たら静止乾燥機でハンガーに吊るした状態で最後まで乾かします。
乾燥が終わるとプレスで内と外の小じわを取って、特に表面はプレスをすること
で光沢感が出てきます。また、縫い糸が飛び出している部分があれば切り取りま
す。そして完成です。これが完成したあの8年間洗っていなかったダウンです。
・これはすごい!まるで別物ですね。改めてダウンはキレイなドライ溶剤と、そし
て汗などの水溶性の汚れを取るためもお水で手洗いすることがいい!ということ
が素人なりに理解できました。ちなみに、お値段はいくらなのでしょうか?
ダウンジャンバーは6600円です。 このデュペティカのロングコートは8250円
税抜きです。これプラス、シミ抜きや汚れ落とし代として3000円から5000円いた
だいています。
また、汚れの程度によってしみ抜き料金は違いますので、お見積もりをさせていた
だいています。
・普通のダウン料金から比べるとちょっと高いですね。
やはり一点一点のダウンを汚れの状態を見ながら、外側も中のダウンもきれいに
なるように、手間と時間をかけて手洗いしていくということ。
消臭抗菌剤への漬け込みによって汚れや匂いを根元から落とすということ。
それと仕上がりが自然活性水アモウの効果でふわふわに仕上がるということ。
最終仕上げはプレスで小じわを伸ばしたり光沢感を出すという事など、ダウンを傷つ
けないように一つ一つの工程をすべて手作業で行いますので、その価値の分かる人
には高くはないと思います。
・なるほど。その丁寧な工程を見させてもらいましたので、そりゃあそうだなあ〜と料
金にもとても納得がいきました。このきれいになったダウンはどうやってお客様のとこ
ろへ戻っていくのですか?
仕上がり後は検品して、お客様の要望通りにシミや汚れが落ちているか、また、シワ
もなくきれいに仕上がっているかをチェックします。
中にはどうしても取れないシミなどもあり、それを取るために様々な手を尽くしますが、
それでも取れない時は、その理由を書いた見解書を添えて、お客様にお返しします。
お送りするときは、このようにハンガーにかけたままで袋に入れ、立体で宅配便でお
送りしています。
・このきれいになったダウンが届くと喜ばれるでしょうね。このダウンを今度着るシー
ズンまで保管しておくのに何かアドバイスはありますか?
まず、梅雨の時期などに湿気によって蒸れないように、時々風にあててやることです。
それと、ホコリなどが付かないようにするためには、カバーを掛けておいたほうがいい
のですが、ビニールのカバーだと湿気がこもって蒸れますから、不織布のカバーのほ
うがいいです。
ただし、太陽光や蛍光灯の紫外線がずっと当たっていると、その部分が変色しますか
ら気を付けてください。
特に、ナイロンや綿素材のものが変色しやすくて、変色を直す要望で入ってくるダウ
ンもかなりあります。
・本当ですか!変色したのが直せるとは思いませんでした。これまで、もうだめだと思
って捨てていました。
ナイロンやポリエステルなどの合成繊維の染色は、製品になってからでは難しいため
やられているところは少ないですが、ここでは受けています。
特に変色しやすいメーカーもあって、今シーズンもかなりの数が入ってきました。
・そうですか。ただ、家に置いて保管していると、また変色してしまいそうな気がする
のですが?
そういう方のために、保管ルームもありますのでお見せしましょう。
・え〜、この建物ですか。大きいですねぇ。
そうです。工場の2階の80坪を保管スペースにして温度や湿度を一年中管理し、抗
菌消臭システムも完備しています。では、中をご覧ください。
・広いですね。衣替えの時にはここが一杯になるんですか。
そうです。春になると今着ている冬物のスーツやコート、ダウンなどをクリーニングに
出されて、そのまま次のシーズンまでこちらでお預かりします。
カビや変色などもなく安心ですし、ご自宅のクローゼットも広く使えるので好評です。
ワンハンガー2200円(税抜)でお預かりしていますが、お一人で数十着のスーツを預
けてくださるお客様も数多くおられます。
・なるほど。たくさんの洋服があると、置いておくスペースにも困りますから、このサ
ービスはありがたいですね。
ところで、先程の8年もののダウンですが、実は会社の同僚のものでして、実際に私
が届けて、8年前に時が戻ったリニューアルダウンの着用感想をうかがってみたいと
思います。
それは楽しみです。
※ご本人が着用してみてその体感をコメント。
最後にインタビュアーのコメントで終了。
といったダウン洗いの台本を広島から帰って来て書きました。
まあ、これは大筋で、あとはアドリブということになってもっと内容が膨らんでいきます。
おっ、そうそう、撥水加工無料サービスを忘れてます。
今日の撮影のダウンは黒のデュぺティカ8年物です。それも一度も洗っていないペタン
コ状態のモノ。美しく変身するのでしょう。楽しみです。
生かしていただいて ありがとうございます。
今日はそこのところを繊維製品品質管理士でもある技術開発部長、松村
さんにお話を伺ってみます。ナチュラルクリーンでは年間3000着以上の
ダウン洗いの実績があるそうです。3000着はスゴイですね。
それではどうぞよろしくお願いします。
よろしくお願いします。こちらには毎日全国からダウンが入荷してきます。
その中には何年も洗ってなくて本当に汚れたものもあります。そういった
一着一着のダウンの状態を検品して洗いの工程を決めていくのがこちら
です。
・今書かれているのは何でしょうか?
これはこのダウンのカルテを作成しているところです。
ダウンの入荷時の状態、シミや汚れ、傷や破れ、ボタンの数や傷、色ヤケ
などを確認してカルテに記入し、細部に渡って異常をチェック確認し、再現
しにくいデザインなどは写真に撮っておきます。
また、次にここでは、お客様のご要望をカルテに詳細に書き、次の工程に
伝えるのも重要な仕事です。
・なるほど。こちらではメジャーを使われていますが、採寸もされるのですか?
素材によって洗うことで伸びたり縮んだりする可能性のあるものはここで採寸
し、この採寸に合わせて仕上げます。
・今、こちらでカルテを書かれているダウンコートはかなり汚れているようです
が・・・。
そうですね。こちらはお客様のコメントによると購入されてから8年間一度も洗
ったことがないというダウンコートだそうです。それには理由があって、以前ク
リーニングに出した衣類がドライ臭でとてもキツくプレスもひどく、とてもその後
クリーニングに出す気になれなかったそうです。
とにかく、ダウンを洗うと生地が傷んだり、ダウンが片寄ったりペタンコになった
りしてダメになると思われている方もかなりおられるようで、時々こういった何年
も洗ってないようなわけありのダウンが来ることがあります。
・ダウンには主にどういった汚れがありますか?
まず、表地には、大気中の煤煙などの油性の汚れや着用中に付いた様々な
シミ、そして裏地には主に汗や皮脂などの人体から出た汚れが付いています。
そして、中綿のダウンにも同様に汗などは染み込んでいますし、製品を製造
する段階でダウンの洗浄が不十分なために、元々付いていた汚れが残ってい
ることもあります。
また、ダウンは、汚れた溶剤でドライクリーニングすると、その汚れが羽毛の
軸の空洞に入り込んで取れなくなることもあります。
こういった汚れが積み重なって、重たくなったり、匂いが出たりしますから、
ダウンをきれいにするには、表地や裏地についた汚れと、中綿のダウンの汚
れの両方を考えなければいけません。
・それでは、どういう風にクリーニングすればいいのですか?
先程の、買ってから8年間一度も洗ってないというダウンコートを実際に洗い
ながらご説明しましょう。
まず、表面に光っているこの汚れ、これを含めて全体には一番外側に油性の
汚れがあります。
これを取るには、一つは、ドライクリーニングするという方法があります。ただ
し、これには、管理されたきれいな溶剤で洗うことが大切で、汚れた溶剤で洗
うと、先程もお話ししたように、羽毛の軸の空洞に汚れがはいりこんでしまい
ます。
もう一つの方法は、時間をかけて洗剤に漬け込んで汚れを取る方法で、今日
は、この方法できれいにしてみます。
・洗剤に漬けこむということはダウンを水で洗うこともできるのですか?ダウン
表示にはよく水は×となっていますよね。
素材によって、水に入れると色が出たり、収縮や風合い変化が起こったりする
ものもありますから、そういったものは水にいれることはできないのですが、そ
れは一部で、実際は、ほとんどのダウンは水で洗うことができます。
ダウン自体は、製造段階でも何度も水で洗っていますから、水で洗うことに問
題はないですが、乾燥の時に固まりをほぐす工夫が必要です。
そして、表地や裏地は、ポリエステルやナイロンのものは水洗いは普通にでき
ますが、ウールのものなどはデリケートな洗いと乾燥が必要です。
家庭で洗おうとした場合、表地や裏地の素材に合った洗い方をされて、ダウン
も元通りにほぐしてふっくらできればいいです。ただ、洗濯機に入れてスタート
しただけでは、水の上に浮いたままできれいにならないですし、洗濯機から出
してそのまま乾燥しただけでは、ダウンが固まったままになってしまいます。
そういったトラブルを防ぐために、洗濯表示を水洗い%uE29893にしてあるものが多い
のです。ですから、ちゃんとしたやり方で洗えば、水で洗うことは可能です。
・なるほど。では、実際に洗っていただけますか?
はい、それではまず、汚れが目立つ前ポケットの所、そして皮脂や汗などのあ
る襟や袖口を、汚れが取れやすいように前もって処置しておきます。
こうやって前処理用の洗剤を付けてから水で濯ぐのですが、この時にシルク
ガンといってシルクなどのデリケートな生地も傷めないで、水圧と振動で汚れ
を濯ぐガンを使い、きつい汚れを先に落としておくのが、きれいにするコツです
ね。そして、水の中に油性の汚れを落とす力の強い中性洗剤と雑菌の繁殖を
防ぐ消臭抗菌剤を入れ、そのなかにダウンを漬け込みます。
この時、なかなかダウンが沈みませんが、一度ダウンを小さく縮めて水の中で
離すと、水を吸って沈みます。
そして、手で水の中に押し込みながら、中のダウンにも洗剤が行き渡るように、
空気を抜くように押さえます。
水に沈めるにはかなり抵抗がありますが、これを約30回繰り返してからそのま
ま漬け込んでいきます。
・水の色が変わってきたようですが?
そうですねえ。8年という時間の間に貯まってしまった汚れが染み出してきてい
るところです。
実際、キレイなドライ溶剤で洗っている場合はそうでもないですが、溶剤管理が
悪い場合は「逆汚染」と言って、ダウン自体がとても汚れていますので水に漬け
込むと水が濁っていきます。同時にダウンに溜まっている汗などの水溶性の汚
れも染み出してきます。
・これはすごい!
これだけの汚れがあると実際に着ていても重く感じますし、ダウンの膨らみもな
いため、保温性も落ちます。そして臭いも出てきます。
・このあとはどういう風にするのですか?
臭いが強い場合は消臭抗菌剤に漬け込んで匂いを取ります。
普通は、手で押し洗いした後は脱水してから水に入れてすすぎます。
この時、洗剤や汚れが残らないように、洗う時と同じように水の中に押し込んで、
羽毛の中まで水をいきわたらせ、脱水でしっかり水を切ります。
これを2回繰り返し、最後に柔軟剤とトルマリンや檜エキス、オリーブスクアラン
などをブレンドした弊社オリジナルのアモウという自然活性水を入れた水で、ダ
ウンに潤いを与えます。
そして、乾燥しながらダウンをフワフワに膨らませていくのですが、この時はタン
ブラー乾燥機を使います。
この中でダウンが動きながら乾燥していく間に羽毛の間にたくさん空気を含んで
ふっくらとしてくるのです。
しかし、ダウンが動いている時に傷つかないように、ファスナーや付属品にはカ
バーを付け、裏返しにして厚めのネットに入れます。そして、温度を上げすぎない
ように50度で乾燥します。
また、タンブラーによる乾燥は必要以上に長くしないようにして、水分が残ってい
たら静止乾燥機でハンガーに吊るした状態で最後まで乾かします。
乾燥が終わるとプレスで内と外の小じわを取って、特に表面はプレスをすること
で光沢感が出てきます。また、縫い糸が飛び出している部分があれば切り取りま
す。そして完成です。これが完成したあの8年間洗っていなかったダウンです。
・これはすごい!まるで別物ですね。改めてダウンはキレイなドライ溶剤と、そし
て汗などの水溶性の汚れを取るためもお水で手洗いすることがいい!ということ
が素人なりに理解できました。ちなみに、お値段はいくらなのでしょうか?
ダウンジャンバーは6600円です。 このデュペティカのロングコートは8250円
税抜きです。これプラス、シミ抜きや汚れ落とし代として3000円から5000円いた
だいています。
また、汚れの程度によってしみ抜き料金は違いますので、お見積もりをさせていた
だいています。
・普通のダウン料金から比べるとちょっと高いですね。
やはり一点一点のダウンを汚れの状態を見ながら、外側も中のダウンもきれいに
なるように、手間と時間をかけて手洗いしていくということ。
消臭抗菌剤への漬け込みによって汚れや匂いを根元から落とすということ。
それと仕上がりが自然活性水アモウの効果でふわふわに仕上がるということ。
最終仕上げはプレスで小じわを伸ばしたり光沢感を出すという事など、ダウンを傷つ
けないように一つ一つの工程をすべて手作業で行いますので、その価値の分かる人
には高くはないと思います。
・なるほど。その丁寧な工程を見させてもらいましたので、そりゃあそうだなあ〜と料
金にもとても納得がいきました。このきれいになったダウンはどうやってお客様のとこ
ろへ戻っていくのですか?
仕上がり後は検品して、お客様の要望通りにシミや汚れが落ちているか、また、シワ
もなくきれいに仕上がっているかをチェックします。
中にはどうしても取れないシミなどもあり、それを取るために様々な手を尽くしますが、
それでも取れない時は、その理由を書いた見解書を添えて、お客様にお返しします。
お送りするときは、このようにハンガーにかけたままで袋に入れ、立体で宅配便でお
送りしています。
・このきれいになったダウンが届くと喜ばれるでしょうね。このダウンを今度着るシー
ズンまで保管しておくのに何かアドバイスはありますか?
まず、梅雨の時期などに湿気によって蒸れないように、時々風にあててやることです。
それと、ホコリなどが付かないようにするためには、カバーを掛けておいたほうがいい
のですが、ビニールのカバーだと湿気がこもって蒸れますから、不織布のカバーのほ
うがいいです。
ただし、太陽光や蛍光灯の紫外線がずっと当たっていると、その部分が変色しますか
ら気を付けてください。
特に、ナイロンや綿素材のものが変色しやすくて、変色を直す要望で入ってくるダウ
ンもかなりあります。
・本当ですか!変色したのが直せるとは思いませんでした。これまで、もうだめだと思
って捨てていました。
ナイロンやポリエステルなどの合成繊維の染色は、製品になってからでは難しいため
やられているところは少ないですが、ここでは受けています。
特に変色しやすいメーカーもあって、今シーズンもかなりの数が入ってきました。
・そうですか。ただ、家に置いて保管していると、また変色してしまいそうな気がする
のですが?
そういう方のために、保管ルームもありますのでお見せしましょう。
・え〜、この建物ですか。大きいですねぇ。
そうです。工場の2階の80坪を保管スペースにして温度や湿度を一年中管理し、抗
菌消臭システムも完備しています。では、中をご覧ください。
・広いですね。衣替えの時にはここが一杯になるんですか。
そうです。春になると今着ている冬物のスーツやコート、ダウンなどをクリーニングに
出されて、そのまま次のシーズンまでこちらでお預かりします。
カビや変色などもなく安心ですし、ご自宅のクローゼットも広く使えるので好評です。
ワンハンガー2200円(税抜)でお預かりしていますが、お一人で数十着のスーツを預
けてくださるお客様も数多くおられます。
・なるほど。たくさんの洋服があると、置いておくスペースにも困りますから、このサ
ービスはありがたいですね。
ところで、先程の8年もののダウンですが、実は会社の同僚のものでして、実際に私
が届けて、8年前に時が戻ったリニューアルダウンの着用感想をうかがってみたいと
思います。
それは楽しみです。
※ご本人が着用してみてその体感をコメント。
最後にインタビュアーのコメントで終了。
といったダウン洗いの台本を広島から帰って来て書きました。
まあ、これは大筋で、あとはアドリブということになってもっと内容が膨らんでいきます。
おっ、そうそう、撥水加工無料サービスを忘れてます。
今日の撮影のダウンは黒のデュぺティカ8年物です。それも一度も洗っていないペタン
コ状態のモノ。美しく変身するのでしょう。楽しみです。
生かしていただいて ありがとうございます。
10:36, Monday, Mar 02, 2015 ¦ ¦ コメント(6)
「いつもの往復」3/1(日)
年度末のこの三月の日曜日はいつも千葉と広島の往復です。
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今日の広島は雨。妻に広島空港に迎えに来てもらってお寺に帰り、
仏教婦人会の法座に参加して五時過ぎの飛行機で千葉に帰ります。
いつもの往復コース。明日は物故者の追悼法要ですが、法要は副
住職に任せてこちらの仕事に専念します。明日はダウン洗いの撮
影の日ですからプロデュースしないとね。
生かしていただいて ありがとうございます。
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今日の広島は雨。妻に広島空港に迎えに来てもらってお寺に帰り、
仏教婦人会の法座に参加して五時過ぎの飛行機で千葉に帰ります。
いつもの往復コース。明日は物故者の追悼法要ですが、法要は副
住職に任せてこちらの仕事に専念します。明日はダウン洗いの撮
影の日ですからプロデュースしないとね。
生かしていただいて ありがとうございます。
08:19, Monday, Mar 02, 2015 ¦ ¦ コメント(0)