トップページ
2015年 1月17日

「ダウンコートの変色」1月17日(土)
冬の定番といえばダウンコートやダウンジャンバーですが、
昨シーズンあたりから、生地の変色を直してほしいというこ
とで入荷してくるダウンが目立ってきました。

IMG_0762

入荷してくるダウンで多いメーカーは、モンクレールとデュベ
ティカがダントツですが、変色がよく見られるのはデュベティカ
の方が圧倒的です。

IMG_0763

ところが今回は、珍しくモンクレールのダウンコートの変色です。
変色の原因は紫外線による退色が多いため、肩や袖など光が
当たりやすい上側の変色が一般的ですが、このコートは、裏地
が広く変色しています。

IMG_0764

光の当たらない裏側が、広範囲で変色しているのは珍しいです。
汗などの汚れが付いて長い時間が経つと、その部分の染料が変質
して色が変わることもよくありますが、襟の変色はそれで説明できて
も、袖の内側や裾周りの内側の変色には当てはまりません。

IMG_0765

これ以外の変色の原因としてよくあるのが、窒素酸化ガスなどのガス
による変色です。道路際の部屋で自動車の排気ガスが原因で変色す
ることや、ストーブやファンヒーターなどの暖房器具の燃焼ガスによっ
て箪笥の中の衣類が変色するということもあります。

IMG_0766

ガスによる変色の特徴としては、ガスが空気よりも軽く、下から上に向か
って進むため、衣類の下の方の変色が激しく、そこから上に向かい、ガス
の通り道に沿って変色することです。
裾の内側や袖の中の変色を見ると、この特徴が出ているようにも見えます。

IMG_0767

変色がわりと左右対称で広い範囲にありますから、何か強い薬品が付いて
部分的に激しく変色したということではないようです。
原因を特定することはできませんが、いくつかの原因が合わさって変色した
のかもしれません。
いずれにしても、変色した部分は顔料で染めて、できるだけ目立たないよう
にしてお返しします。

P1070026

何年か前は、こういったポリエステルやナイロンなどの化学繊維の変色を、
染色して直すという事はできませんでしたので、染色素材の進歩によってこ
うして修正できるようになったのはありがたいことです。

P1070027

まだまだいっぱい変色や脱色のダウンが入ってきています。
ということで、全体色修正真っ盛りです。


生かしていただいて ありがとうございます

13:30, Saturday, Jan 17, 2015 ¦ ¦ コメント(1)


2015年1月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
本日   115
昨日   980
累計   509157