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2016年 1月11日

「子どもの範たるべし」1/11(月)
昨日は
「武道・空手道の指導者としての心得」のfaxを
稽古中の指導員たちに送り、その後、それぞれの指導員たちの
「気づき」や「新たな決意」内容が綴らた感想文が送られてきました。


武道は、
試合の勝敗よりも、
それまでのプロセスの修練の「道」を重んじます。


つまり、
相手に勝ことが最終的な目的ではなく、厳しい稽古を通じ、
心身を鍛え、相手よりもむしろ「弱い自分」に打ち克ち、その結果として
人に対する思いやりの心を育てること、社会性や道徳心などの
人間力を養うことが真の目的なのです。


子どもの時代は
人間の基礎をつくる大事な時期です。
私が龍城拳友会で子どもたちに指導してきた内容を今一度書き綴って
みます。


これは、子どもたちならず、
一般部、そし弊社で空手道を学んでいる人たち全員に
あらためて伝えたいことなので、しっかり認識して意識して実践してもらえばと
思っています。


まずは
思いやりを育成するために「履物を揃える」。
大会の時の体育館でも子どもたちに常に言っていたのは、
「トイレに行ったら自分のは当たり前。人の分までスリッパを揃えてこい」でした。
トイレに行くたびに自分のスリッパだけではなく、
必ず他のスリッパもキレイに並べる。


こういった行動が、思いやりにつながります。
これは自宅でも、どこに行っても、そのような思いやりを実践する
ということです。


空手道、武道の精神は、稽古の時だけでなく、
日常生活の中でいかに実践していけるかが大切です。
それができなければ、空手道・武道ではなくただのスポーツになって
しまいます。


次に、整理整頓と掃除。
自分たちに学びを与えてくれる場所を、感謝の気持ちを込めて
掃除や整理整頓をするというのは武道の世界では当たり前のことです。


そして、これは道場の中でははなく、道などで落ちているごみを
拾うように教えます。そして整理整頓、これは自らの部屋は自らが
片づけ整理整頓できるようにします。


また、整理整頓として自分が食べた食器は
自分で片づける。そして自分で洗う習慣をつけます。
また、腰掛は必ずもとの位置に戻すことも作法の一つとして
実践していきます。


これが子どもの時に習慣づけられなかった人は、
大人になってもできません。ただ大人になってできていなくても、
武道を修練する人は、こういった人間の基本を身につけないと、
武道をやる以前の問題となります。健やかな精神は、身の回りを整える
ことから始まりますから。


次に「あいさつ」。
人の目を見て、「こんにちは」。
稽古が始まる前に、「よろしくお願いします」。
終わったあとに、「ありがとうございます」。
挨拶は、相手に聞こえるように声を出さないと、しないことと
同じです。


また、人の前を通るのではな、必ず後ろを通る、
どうしても通らなければならなかったら、「前を失礼します」。
間違ったとき、失敗した時は、すぐに「すみませんでした」。
「ごめんなさい」。こういった礼儀正しさや人に対する感謝は、
自他共にとても気持ちよくさせてくれます。
そうするとみんなが元気になります。


とにかく、和や充法に思い出してほしいのは、
学校では落ち着きのない子どもがたちが、道場に来たらおとなしく
集中して稽古をしているのか?それは、道場には緊張感とともに、
明確な目的とルールがあったからです。


稽古は毎回同じ繰り返し、準備運動、体力、
基本、形、組手、鍛眼法。多少の違いがはあっても、ほぼ毎回
同じようなことをやっていきます。


そこにあるは、緊張感、規律、ルール、そしてちょっとした笑い。
だらだらしゃべらず指示が短く、明確。おしゃべりや、おふざけは
一切許されない。


そういった空気はどんな子供でも読めるのです。
そして、それらのルールは子どもにとって、きっとラクなのです。
子どもにとって、ルールがあったほうか゛安心で、集中して
稽古に取り組むことができます。


今、ふと気づいたことですが、
やはり、私は、この会社で大人に対して龍城拳友会の道場でやっていたことと
同じことをやってきています、と。その結果、全国でも有数の会社に
成長していったわけで、やはり指導方針は間違いないな、と。


そのためには徹底してルールを
守り、ルーチンワークを身につける
ことを実施しているわけです。


これは家庭でも会社でも一緒です。
大人も子どもやはりある程度のルールをつくると、
集中力が発揮されるからです。


また、武道の世界は「仲良しクラブ」でも「子供会」でもありません。
「空手の技」や「生きる道」「思いやりや道徳心」を学ぶ実践道場です。
子どもも親も、先生とは対等ではないのです。これは一般部もです。
ましてや武道の世界では、先生が絶対的な存在なのです。


だから、
学ぶ側も教える側も真剣にならないといけないし、
教えるためには人一倍技を研究、一人稽古をして
技の本質を理論と実技でしっかり教えていかなければ
なりません。


そういった先生の真剣で情熱的な姿勢を通して、
子どもを厳しく、愛情深く育てるということは、
つまりは、人や社会に役立つ自立した人間を育てる
ということにつながっていくのです。

参考「武道の教えでいい子が育つ!」著:柚井ウルリカ


尚、保育園や小学生を指導する場合、
筋力よりも柔軟性が第一なので、ストレッチと又割り180°で、
おでこが床につくことや、足上げでらくらく上段を蹴れるだけの柔軟性
を身につけましょう。


また、前受け身からの足刀蹴り、
後ろ受け身からのかがと蹴りも練習させましょう。


家庭ではできるだけこの柔軟性や受け身を
身につけることや、ブリッジや壁に向って逆立ち腕立てなどを
日々の宿題に出してもいい。
これは当然、指導者もやること。


さて、この会社もそうですが、厳しさの中にこそ、愛があります。
人を育てようとすれば、厳しさ、その奥には相手の成長を願う
愛情が必要だし、相手の命を尊ぶ謙虚さが大切です。


まず、今一度、以上のことを意識して、
子どもたちの模範となるような指導員を目指すために日常の
生活努力を怠らないことです。
そのための「日々の変化表(備考欄には
日々の一人稽古内容を記載」の提出です。


そして少年部にも「躾・空手ノート」の提出を
復活したらいいと思います。


ただ、まずは自分の日々の柔軟や鍛錬の継続です
これができない人は、絶対に子どもに偉そうなことは
言ってはいけません。やるのが当たり前なので。
そしてその継続やマナーやモラルの実践が、まさに道場訓の
「世人の範たるべし」の道を歩む、ということではないでしょうか。
頑張りましょう!

09:26, Monday, Jan 11, 2016 ¦ ¦ コメント(0)


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